今日も売れてない。オーディションは無意味。

俺という奴は、こと音楽に関して多分に純粋で平等な男なのだと思う。

例によって才能だけはある俺は、オーディションというものに輝かしい未来を重ね合わせていた。

丁度、新しいバンドが活動を始めた頃にeggsやらBIGUP!やらと出会った。
多分、この2つのサイト自体も出たて位で黎明期の頃だったように思う。(いつからあるかは知らん)
昔は有名フェス以外は、ネットを漁って探すような感じだったが、この2つのサイトは大きくインディーズバンドの活動を変えたと思う。

特にオーディション関係をまとめてくれるのは非常に助かった。
アーティスト同士つながれるのはオーディオリーフとかスペースなんちゃら?なんちゃらスペース?とかが、昔からあったけど、オーディション関連もまとめてくれるのはなかった(知らなかっただけか?)

ラジオでの放送とか謎の釣り具屋さんでの店内放送とか、初めのころは応募したものもバシバシ通って、このまま売れちまうんじゃねーか。とワクワクしたもんだった。

が、徐々に登録者が増えるのに応じて通らなくなったのか、ルールが変わったのかわからないが、パッタリと通らなくなった。

レベルが上がって落とされたのかもしれないし、最初は応募者が少なくて通っていただけなのかもしれないし、それはわからない。

でも、ひとつ言えるのは審査の形式が変わったことだ。

「リスナーの投票」

はっきり言う。これは癌以外の何物でもない。
クソみたいなとは言わない。クソだ。クソそのものだ。漢字で糞、と書いた方がより正確に伝わるかもしれない。糞だ。なんならちょっと水分も多い。下痢だ。

アートは、先進性と大衆性のバランスだと思う。ちょっと先を行ってて大衆はついてこれなくて、偏差値の高い一部の民衆だけが気付ける。そんなバランスが素敵なアートだと思う。

松本人志が日本人のお笑い偏差値高めた~みたいな話聞いた事ない?
俺この話好きで、本当にそうだよなーって思ってるんだけど

音楽は国民の偏差値を高めてくれる松本人志みたいな存在が日本には居なかったんだよな。
だから、前提として、国民の音楽の偏差値は低いんだよ。だから、しょうもない曲がいくらでも跋扈してみんな有難がってるわけだ。

で、俺たちみたいに音楽沼にどっぷりハマった連中からすると、偏差値のギャップがありすぎてなんでだよ!ってなるんだ。
IQが20以上違うと会話が成立しなくなるって話も俺は好きなんだけど、まさにその現象が起こってるわけだよな。音楽IQが違うという事だ。

ある意味それは、クラシックの人たちに対して俺は会話が成立しないってのと同じだ。
逆転現象で、俺よりもクラシック界隈の人たちの音楽IQが20以上高いから俺にはクラシックの断片的な良さを感じとれても、1曲フルで楽しんだり、コンサートに積極的に行ったりはしないわけだ。

そこが、特にロックバンドをやってる人間にはコンプレックスで、売れたバンドがオーケストラ従えてストリングス導入しがちって言う所に発露してる気がするんだよな。

と、横道にそれたが、とにかくそんなアートの世界に民主主義を導入したら糞だろ?
こんなもん、ビジネスにしかならないよ。

『まだ見ぬ才能の原石を発掘!』とか良く見るキャッチコピーだけど、
こんな方法で発掘できる訳なんかねえ。

『まだ唾がついてなくて一定の集客力がある金儲けまでのスピードが速そうなファストフードみたいなバンドを発掘!』
だろ。こんな方法。

自分たちの力で良いものを見抜く自信が無えっす!って公言してんだよ。
原作漫画を実写化するのと一緒だよ。

それでも俺は純粋だからこう思うね。
『Smells Like Teen Spirit』を『Song2』を『天体観測』を『リライト』を『光について』を『Club Foot』を『Do You Want to』を、そう言うとんでもない曲を作れば絶対どんな奴でも通る。作れてない自分が悪い。

そうなんだよ。作れてない自分が悪いんだよ。中途半端に良い曲沢山作ってたって意味ないんだ。
一曲、とんでもない曲を作れない限りダメなんだよ。

だから、俺はもう、こんなオーディションを受けても意味ないから止めた。
人気投票勝ち抜けるんだったら集客だって困ってねーんだよ。
なんで審査員長の独断と偏見で優勝者を決定します!ってオーディションとかコンテストって無いんだろうな?

俺が売れたら絶対やるよ。エントリーしたバンド全部にコメントもつけてやるよ。やめた方が良いやつにもきっちり言ってやるよ。趣味にして引っ込んでなさいって。政治的に通すとかもやらないよ、平等だから。
関係ないけど、仕事とか表現とかで、”良い悪い”に”好き嫌い”を持ち込むやつなんなんだろうな。嫌いでも良いものは良いってできなきゃダメだろ。できなくてもそうあろうとしてないとダメだろ。なんなんだよまったく。

あ、10代は別ね。閃光ライオットとかガンガン受けた方が良いと思う。23歳までにそういうの通っとくときっと見える世界は変わるだろうな。

後は、集客力もついてきて後、もうワンパンチみたいな人にはコンテストは一押しして良いかもしれないな。

俺みたいにそういう所通らずに24歳超えるとまず、エントリーすら出来なくなったりするからな。ビジネスとしては意味わかるけど、アートとしては意味わからんよな。

まあ、だからそういう輝かしい経歴のない、俺みたいな才能だけはある奴は、自他ともに認めざるを得ないとんでもない曲を作るしか道はないよ。
それに、こんだけ文句言っといて、そういうとんでもない曲を作れないならこのまま売れずに死んでいった方が良いしな。

日本語で海外のフェスのヘッドライナーなった人っているのかな?多分いないよね?女だからとかV系珍しいとかそん位だろ?曲じゃねえもんな。

俺はそれになりたい。それになれる曲が作れないなら今のままでいい。
純粋だからさ。BECKに思想を狂わされてるんだわ。
俺が作った曲を歌って聞いてる人が崩れ落ちて阿保ほど踊り出すような曲作りたい。作れる。絶対俺は作れる。だからその時売れる。
売れたらBECKのアニメの作画と映画の音楽は作り直しだからな。ふざけやがって。

でも、今はまだ作れてない。

だから、今日も売れてない。


またちょっとすっきりした。
けどイガイガは収まってない。そのうちまた書く。

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