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【SNK】Why do they ask me that?【KOF】

 何となくお恥ずかしながら、ぼくはリアルに掛け値なしに友人が少ないので、Twitterをやっていても、DMでやり取りすることは滅多にない。たとえばこの1週間で届いたDMは、ぼくに儲け話を教えてくれるという見ず知らずの誰かからの1通のみだった。
 そういうものや身内とのやり取りを除くと、ぼくのところに届くDMは、なぜか海外からのものが多い。それもほぼ100%が『KOF』絡み、特にストーリーとか設定とかについて尋ねるものばかりである。質問としては、ぶっちゃけ、「それってムック読めば載ってるよ?」というようなものが大半なのだが、まあ、海の向こうでは古めのムックを入手し、日本語で書かれている内容を正確に訳して理解するというのはいろんな意味でハードルが高いだろうし、「だったら知ってそうなヤツに聞けばよくねえ?」という真理に帰結するのも判らなくはない。
 が、問題なのは、なぜそれをオフィシャルに聞かずにぼくに聞くのか。いや、もしかしたらオフィシャルにも聞いているのかもしれないが、だとしてもなぜぼくにまで聞くのか。

 2021年4月某日、まったく同じ日に、南米(ブラジル?)のふたりの『KOF』ファンからDMが届いた。内容的には両者とも、
「社たちは『97』で死んだのか? それとも『XV』までずっとどこかで生きていたのか?」
 ということを尋ねるものだった。
 このふたりが知人同士なのかどうかは判らないが、ブラジルのコミュニティではそのあたりのことが議論になっているという。彼らがプレイしていたのは英語版とポルトガル語版なので、もしかすると、日本語版よりストーリーデモの内容が薄かったのかもしれない。いや、確認できていないんでよく判らないが。
 ただ、ブラジルニキその1がいうには、オロチ戦前後のデモでは社たちが封印されたという描写がなく、なおかつ社が最後で笑っているので、彼らはオロチ編終了後もずっと生きていたのだ、と解釈するファンたちがいるらしい。
 考えてみれば、日本語版でも社たちが封印されたという描写はない。ただぼくたちは、当時発売されたムックを読んでいたから、社たちも敗北したオロチといっしょに眠りに就いた(=封印された)と知っているだけで、それがなければ同じことを疑問に思ったかもしれない。
 なのでぼくは、ブラジルニキその1とその2に、「日本ではこういうムックが出ていて、そこでSNKのスタッフが、『オロチチームの3人はオロチとともに眠りに就いた』と明言している」とそれぞれに伝えた。と同時に、どうも彼らが「Akihiko Ureshino=小説版の執筆者=SNKのスタッフのひとり」みたいに考えているようなので、ぼく自身はSNKから月給をもらっていたことはあっても社員だったことは一度もない、外部のフリーランスとしていくつかのタイトルで作業を手伝っていただけだ、とも伝えておいた。

 で、そのあとふと思ったのは、あのブラジルニキその1とその2は、向こうのコミュニティに存在する封印派と生存派の代表で、たがいの主張に白黒つけるべく、「じゃあ聞いてみんべよ!」と双方同時にDMをブン投げてきたのではないのか、ということだった。もしかしてぼくは代理戦争に巻き込まれただけなのかもしれない。

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