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【SNK】節穴っ娘【SNK】

 最近、Switch版の『メタルスラッグアタックリローデッド』をやっている。
 正直、この手のタワーディフェンス型のゲームにはあまり食指が動かず、したがってアプリ版の『メタルスラッグディフェンス』もやっていなかったし、おのずとその後継(続編?)の『MSA』も遊んでいなかったわけだが、こうして買い切りになったのであれば買っておくのも悪くなかろうということで遊んでみた。まあ、実際には仕事の合間にAUTOで勝手にやっててもらっている程度で、戦略も何もないのだが、ちみちみとキャラを集めて育てていくのはこれはこれで面白い。
 まあ、そもそもぼくがこのソフトを買おうと思った一番の理由は、プレイどころかダウンロードすらしたことがないのに、『MSA』の画集的なムックだけ持っていて、そこに掲載されていたガチムチな女性キャラやオタク心をくすぐるメカ群に心惹かれていたからなのだが。

本体価格5000円、Amazonでは売り切れ。TONKOさんの絵がたくさん収録されておる。

 なので今回、『MSA』を実際にプレイし、そのストーリーを追ってみた。当然ながら、歴代作の中ではもっとも情報量が多く、お馴染みのキャラたちの輪郭がかなり鮮明になっていたと思う。
 本家に当たるナンバリング作は、公式サイトや取説などに簡単なストーリーが用意されてはいるものの、実際のゲーム中にはほとんどテキストなどがなく、クリアしたとしても、「で、結局どういう話だったの?」みたいな感じになることが多かった。PS2オリジナル作品としてリリースされた、TPSの『METAL SLUG』は、さすがに随所にムービーが入るおかげでかなりストーリー性の高い作品にはなっていたが、『MSA』は長い期間運営されていただけあって、情報量としては格段に多い。
 たとえば格ゲーメインのSNKファンのかたがたは、『メタスラ』シリーズの主人公のひとりであるマルコ・ロッシのことを、背中からパンチを出したりやたらナイフでざくざく斬りつけてくる陽気なイタリア系アメリカ人だと思っているかもしれないが、実際のマルコは温和なインテリ系の軍人で、何だったらネオジオ界有数の有能なプログラマー、エンジニアといっていい天才肌の人間である。実際にはマルコの相棒であるターマのほうが陽気で飄々とした女好きというイタ公っぽい性格をしている(それでいて見るところはきちんと見ている韜晦がうまいキャラ)。

メタスラを召喚したり、ゾンビになって血反吐を吐いたりもする。ジヴァートマの超必かな?

 で、である。
 かつて『MI2』に参戦したフィオは、ラルフを見て「マルコさんに似てるっぽい」、クラークを見て「ターマさんに似てるかも」、などとほざいていた。
 しかし、ぶっちゃけマルコとラルフの共通点はほとんどない。無理矢理文章にすれば、「バンダナからワカメみたいににょろにょろと前髪がはみ出ている」という意味で似ていなくもないが、おそらくダウンジャケットを着た軍人という以上の共通点は見出だせまい。同様にターマとクラークについても、共通点はダウンジャケットとグラサン、この2点のみである。このふたりを似ていると判断するフィオの目は完全に節穴といっていい。
 とはいえ、これには理由があって、『MI2』に隠しキャラとしてフィオを追加するに当たり、ストーリー面でも掛け合い面でも、怒チームと絡ませるのが最適と判断したのである。このぼく、このぼくが!
 でもって、もともと何の関係もないフィオとラルフたちにどういう掛け合いを用意したらいいかと考えた結果、やや天然というフィオのキャラクター性を利用し、彼女のお茶目さを演出しつつ、怒チームとの関係性を構築しようとこころみたのである。このぼく、このぼくが!

 ……ただひとつ惜しむらくは、『MI2』リリースまであと半年ほどというタイミングで、ラルフとクラークがゲスト参戦する『メタスラ6』が登場したことだろう。事前にそのことが判っていれば、そのネタを使った掛け合いを用意することもできたのに、あいにくと外人部隊のぼくには『メタスラ6』の話は届いていなかったのである。

 すべてのストーリーを確認するにはまだもう少しかかるだろう。今のところ、怒チームの面々は、ユニットとしては登場していても、ストーリーにはまだ未登場なので、そのへんをすべて確認できたらまた語るかもしれない。
 が、個人的に、ぬるぬるドット絵を見るだけでも価値はあると思う。可能ならぜひアートブックとともに購入して堪能していただきたい。

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