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【SNK】30歳児【KOF】

 2024年になった。よく飼い慣らされたSNKファンでなくとも、今年が何の年かは判っているだろう。そう、『KOF』30周年をことほぐ年である!
 ……30年? ちょっと待て、本当にあれから30年もたったか? たとえば今から10年前はどうだった? 確か2014年は『XIV』発売の2年前で……えあ!? 『XIV』がもう8年前の作品!? そのことがすでにショックなんだが!? というか待て、待て! 確か最初の『MI』や『94RE』自体が、『KOF』10周年記念作品とか銘打っていたような記憶がうっすらと――。
 じゃあアレか、『MI』シリーズというのはもはや30年にわたる『KOF』史においては前半期にリリースされた作品というあつかいなのか!? 何だか時の流れがゆがんでいる気がする!

 ハァハァハァ……あぁあ……。

 ……まあ、冷静に考えてみれば、『KOF』30年史を2009年を境に前半と後半で分けた場合、シリーズ作のほとんどは前半の15年間にリリースされていて、2010年以降の後半期に世に出た新作は、『XIII』、『XIV』、『XV』だけなのである。近年の開発ペースが遅いというより、昔の開発ペースが異常に早かったということなのだろう。本家ナンバリングのほかにも、ネオポケ版やら『EX』、『MI』、『NW』みたいな外部作も並行して出してたしな。
 ということで、30周年の幕開けとなる今年一発目の記事は、『94』にまつわるぼくのダメな武勇伝

 奇しくも、というわけではないのだが、ぼくもデビューは94年である(ぼくと『KOF』、そしてTOKIOも同期)。94年の夏、ぼくはちょうど新人賞を取って賞金をゲットした直後であり、それまでちまちま懸命にバイトをして買っていたNEOGEOのロムを迷わずに買うことができるくらいには懐があたたかかった。ちなみに賞金で最初に買ったカートリッジは『FHD』である。
 そんな状態だったから、『94』がリリースされた時にはまずアーケードでエンディングを確認、それからNEOGEO版もちゃんと予約し、発売日に購入した。その時すでにぼくの身分は大学5年生ではなく作家という名の自由業だったので、時間を気にせず自宅でやり込みが可能! と大喜びして帰宅したものである。
 ところが! いざ自分のNEOGEOにカートリッジをぶっ刺して電源を入れてみると、これが何と動かない! 厳密にいうと、動くには動くのだが、途中で強制リセットがかかってループしてしまう。
 具体的には、電源投入後に例のサウンドロゴが鳴って、何だかよく判らん権利関係の表示が出たあとに、わくわくするBGMが始まって画面の上から招待状がくるくると――というところでサウンドロゴのところへ戻る、といった具合。なぜこうなるのかは不明なのだが、律儀に再現性100パーセントだった。

「ウェイウェイウェ〜イ!」って聞こえるこのへんで強制リセットがかかる。生殺し。

 当然、ぼくはSNKのお客様センターに連絡し、どうにかならんものかと相談した。

ぼ「この不具合をどうにかしてくださらぬか?」
S「では現物をこちらへお送りください」
ぼ「現物というのはもしかして、カートリッジのことでござるか?」
S「カートリッジと本体です」
ぼ「は?」
S「どちらに不具合が生じているのか調べてみないと判りませんので」
ぼ「…………」

 ぼくの目の前にはネオジオ本体と買ったばかりの『94』のカートリッジがある。本当ならもう100円玉を気にせずキャッキャウフフしているはず……がしかし、当たり前だがこれをセットでお客様センターに送ってしまうと当分は遊べない。『94』が遊べないのはいうまでもなく、ちょっと前にリリースされたばかりの『GANGAN行進曲』まで遊べなくなってしまう
 悩んだ末にぼくが選択したのは、カートリッジを購入したショップにもう一度出向き、最新の本体を買うことだった。実はお客様センターとのやり取りの中で、「古い本体と最新のカートリッジの組み合わせでは、もしかしたら何かしらの不具合が生じるかもしれない、でも断言はできないのでお送りいただいて調べるしかない」といわれていたのである。
 それを聞いたぼくは、「そうか! ぼくのNEOGEOは古くて『94』との相性が悪いのだな? じゃあ最新のNEOGEO本体でならこの不具合は発生しない!」と、根拠が薄弱なのにもかかわらずそう思い込み、2台目のNEOGEOを即日購入してきた。
 おそらくショップのおにいさんには、
「あの客、開店直後に『94』のカートリッジ買ってったと思ったら、昼すぎにまた来店してあとから本体買ってったぞ……買う順番おかしくねえ?」
 くらい思われていたに違いない。
 で、本当に新しいNEOGEOでは何の問題もなく動いた。どないや!

 とまあ、NEOGEO2台持ちとかいうドタバタ劇があったおかげで今のぼくがある(そうかあ?)。
『KOF』とともに歩んできた30年、そしてこれからのあらたな30……いや、リアルな寿命でいうとあと30年は生きられないか? 控えめに見積もって20年? いやまあ細かいことはいいが、ともかく今後も長くつき合っていくことになるだろう。
 とりあえず、今年もよろしくお願いします!

いろんなことがありました。この本が出たのも20年近く前なのか……。

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