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【SNK】アッシュと○○【KOF】

 歴代主人公とその仲間(?)の関係性の濃さでいうなら、オロチ編がもっとも濃く、次がネスツ編、そしてアッシュ編が一番薄い。K’とマキシマの関係もかなりドライなものだが、アッシュとデュオロン、シェンの関係はそれよりさらに希薄で、何かしらのイベントで生じた絆がある3人組でもなければ、何かに追われて手を組むことを余儀なくされた3人でもない。
 そもそもこの3人は、明確には描かれていないものの、おそらく『2003』の時点でたまたま上海に居合わせて顔見知りになった程度の仲でしかないのである。加えて、ひとりは倫理観の欠如した裏切り小僧、残りもヤクザが避けて通るようなチンピラに怨霊をまとった暗殺者という組み合わせで、どう考えてもそこに友情の生まれる余地などない。
 ただ、それでも一応、年長のふたりからアッシュに対する情のようなものがないわけではなく、それはとても淡く、不器用で武骨なものだと思う(だからこそ『XIII』のエンディングが際立つ)。

 続いて『XI』から登場したエリザベートは、アッシュのかつての保護者、姉のような存在であり、一族の使命を信じてアッシュをみちびくポジションの女性である。その意味では京や庵にとってのちづるに近いものがあるが、ちづるがやんちゃ坊主ふたりに対して感情面でさほど肩入れしていなかったのにくらべ、アッシュと姉弟同然に暮らしていた時期があるぶん、ベティはアッシュに対してはよりウェットで、家族愛、もしくはいっそ恋愛感情にも似たものを感じる。デュオロンやシェンよりも、明らかに関係性は濃い。

お下品な疑問だが、『XI』の上乳剥き出しコスじゃあかったんか?

 余談だが、ベティは『XIII』→『XV』の間でしれっと名字のアルファベット表記がサイレント修正されている(『XIII』までは「BRANCTORCHE」表記、だったものが『XV』では「BLANCTORCHE」に変更)。フランス語で「BLANC」は「白」、「TORCHE」は「松明」を意味する言葉なので、おそらく「白い輝き」をイメージして「BLANCTORCHE」とするところを、当初は間違って「BRANCTORCHE」と表記してしまったのだろう。日本のファンはともかく、おそらくフランスのファンは、修正されるまでかなりの違和感を覚えていたに違いない。

 閑話休題。
 開発段階では、「この子はアッシュのことが好きなのでは?」とファンに勘繰らせるような美少女キャラが登場予定だったので(『XII』のムックにドット絵が掲載されている)、もしその子が実際に登場していたら、ベティはもっとちづる寄りになるか、逆にもっとアッシュの恋人っぽくなるかしていたかもしれない。

 いずれにしろ、『XV』でアッシュも無事に復活し、それにともなうゴタゴタも片づいたおかげで、アッシュとベティ、あるいはアッシュとシェン、デュオロンの関係も、今後は変わってくるのかもしれない。何しろ、いつまでたってもオロチの影に悩まされ続ける神器ズと違い、アッシュたちには宿敵であるサイキがもう存在しないからである(たぶん)。
 見方を変えると、何かしら強い動機づけがないかぎり、今後のKOFにエントリーしてこなさそうともいえるのだが、個人的には、アッシュには汗臭い大会になど参加せず、のんびりとベティに花冠を作って上げているだけでいいんじゃないかという気がしなくもない。

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