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【SNK】もう閉じてる【KOF】

 長くファン活動をしていて感じるのは、こういう分野では字書きよりも絵描きのほうが、何というか、うらやましいなと思うことが多い。
 たとえば推しキャラの誕生日に合わせてファンアートをアップするとか、ぼくにはできない芸当である。一応、ぼくも時には(おもに6月6日のメイラ兄弟のお誕生日に)何かしら短編を書くこともあるが、毎年のように手を変え品を変え、とはなかなかいかない。あの双子についてはかなり書いてしまった感があるからである。これで続編が出て公式のストーリーが進んだりすれば、またあらたに書くことも出てくるかもしれないが、今のところはそれもない。
 しかし、もし絵が描ければ、それこそ毎年、双子が楽しげにパーティーしてるイラストとか、ドライブしてるイラストとか描けるのになあ、とか思ったりもする。それがうらやましいのである。

 ということを前提として。
 つい先日、3月25日は八神庵の誕生日だった。もしぼくに絵心があれば、猫にミルクをあたえるイラストだろうが猫をミルク風呂に入れているイラストだろうが猫まみれになってるイラストだろうが思いのままなのだが、字書きとなるとそうはいかない。
 たとえば唐突に、

 その時、庵はすさまじいいきおいで猫をミルク風呂に入れた。

 みたいな文章を書かれてもさっぱりわけが判らんだろう? 判らんよね? いや、もしかすると、そこをうまく書ける人もいるのかもしれないが、ぼくにはそれができない。「なぜこうなったのか?」をきちんと説明しないと気がすまないのである。
 となると、それなりに起承転結のある短編とかを書けばいいわけだが、個人的には、庵についてはもう書くことがないため、それも難しい。
 これはもうネスツ編の頃からいっているような気がするが、庵というのはよくも悪くも「キョオオォオォ!」に全振りの人間なので、新しい敵が現れても新キャラが登場しても、基本、目的は変わらない。京を殺すことが最優先の行動原理で、ほかには何もないといってもいいだろう。
 ただ、ふつうに考えれば、庵のこの目的は絶対に達成されない(SNKに草薙京という人気キャラを墓場送りにする覚悟があるなら別だが)。
 だから八神庵は、ぼくにとってはもう完全に閉じている。進みもしないし戻りもしない。『KOF』というシリーズが続くかぎり、永遠不変の京への殺意を抱いたまま、絶対にカッコいいままそこに現れる――現れなければならないキャラなのである。
 そのため、個人的には迂闊に所帯染みた印象がつきかねない私生活なんかは描けないと思っているし、大会参加に備えて修行する庵もイメージに合わない。ましてや京と(なごやかに)絡ませるなどもってのほかである。トムジェリじゃあるまいし……。
 まあ、コミカル仕立てにしてそこを回避する手もなくはないが、いにしえのゲムショで「ヘチマ! ヘチマァ!」とやらかして以来、庵を使った面白いことを思いつけていないので、当分は今のままのぼくでいようと思う。

これはヘチマではなくスイカを割ろうとするいおりん。

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