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ジョブズが「日本をなんとかしてくれ」と頼んだ男


日本撤退の噂があったApple


今は誰もが知ってるAppleも今から15年前、20年前は非常に苦戦していました。2001年に登場したiPodも一部の音楽好きにしか売れていませんでしたし、パソコンのMacシリーズは日本市場から撤退する噂もありました。

2004年発売する予定だったiPod miniはなんとしても売らなければいけない商品でした。


当時はMD全盛の時代


当時、日本事業の立て直しの責任者(前刀禎明さん)がやったマーケティング戦略が「iPodをファッションアイテムに」でした。

iPodを「便利なガジェット」ではなく「ファッションの一部」にしたのです。製品発表時にモデルを起用したり、TVCMではiPodで音楽を楽しむ人のシルエットを映したり、(当時、製品を映さない広告なんてメーカーではできない)高級セレクトショップBARNEYS NEW YORKとコラボをしたり、今までにない様々なアイデアでiPod miniをプロモーションしていった。

結果、日本でも大成功し、電車で日に日に増えていく白いイヤホンコードが嬉しくて仕方がなかった。ということです。


技術で説明するのは間違い


そんな日本事業の責任者だった前刀氏はこう言っています。

iPod miniを売り出す時、僕が意識したのは、機能や性能の説明をするよりも
感性に訴えること。

例えば、飲み屋でiPod miniを見せて

「かわいい!」って言ってもらえたら、

「これで音楽聞けるんだよ」
「え、これで音楽聞けるの?」
「これに1000曲入るよ」
「だったらMDとか要らないですね」

なんて会話をする。

ここでいきなり「これは4GバイトのHDDを積んでいて」と切り出してはいけない。日本のメーカーがこれでよく失敗する。

大切なのは感動してもらうこと。

お客さんは技術に「凄い!」と言うわけではない。「こんなことができるんだ」と知り、自分が使ってるシーンを想像して、その姿がいいなと思った時に、初めて欲しいなと思います。

技術の説明は「それを、どうやって実現しているの」と興味を持った人に、
その後、伝えればいい。


参照URL:ジョブズは「日本をなんとかしてくれ」と僕に言った
日経TREND 2017年3月 https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00033/00014/


これこそまさにマーケティングの真髄です。

エモーショナル・マーケティングです。
顧客視点です。

あなたも広告やDMに技術やスペックを全面に出していませんか?お客さんから見れば、そんなのはどうでもいいんです。お客さんの心に響く感情を揺さぶるような言葉を使っていますか?


当時、白いイヤホンなんて日本のメーカーはどこもやらないのです。

理由は「汚れが目立つから」です。

白いイヤホンはiPodだけ。
Appleだけです。

今でも白いイヤホンをつけてる中高校生を見るとiPhoneを持ってるんだなと思いますもんね。

みんなと「逆の道」を走る。
成功の鍵はそこにあるような気がします。


Appleの株価


ちなみに、2004年にAppleの株を100万円分購入していたら、今現在どうなっているのか?という興味をそそるブログを見ました。

複利などの難しい計算なしに、単純計算すると

1億8900万円

になっているそうです。

凄い!
まさに億り人!

でも、2004年当時に米国株を購入できる人がどれだけいたんでしょうね。

しかも、日本で撤退の噂まであったAppleの株です。

そこに100万円突っ込む度胸がある個人はなかなかいないと思いますけどね…。

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