エド・シーラン&ジャスティン・ビーバー 「アイ・ドント・ケア」(日本語字幕付き)

日本語字幕つけました。訳を考えたわけじゃなく、いただいたテキストを付加したので、モーションタイポグラフィの領域になりますかね。

せっかくnoteなので、noteぽいこと綴りますかね。
日本語字幕付きのMVって、どこから出てきたの?ってところなんですが、今まで洋楽の国内盤の中に、ライナーノーツであったり、日本語訳のリリックが封入されてたりしましたよね。輸入盤と国内盤の違いってやつね。でもまあ、時代はデジタル配信の時代になりまして、日本語訳とか提供できなくなったので、Youtubeでって流れがあります。また楽曲のリリースって、海外も国内も時差ないので、グローバルでリリースされました、よーいドンで、待った無しPR展開を強いられますw。デジタル配信時代において、アルバムでのリリースという座組みも徐々に、その必要性を問われてきていて、単発配信やEP(数曲)も多くなりました。デジタルのフィールドで楽曲リリースまでの速度があがって、MVも追いつきません、っていうのもここ数年で起きてて、代わりに、楽曲のリリースとリリックビデオのリリースが同時。その1ヶ月後にMVがYoutubeにアップされるという流れは、珍しくありません。

リリックビデオの台頭はなかなか面白い事象です。歌詞をお客さんにお伝えするという意味だけでなく、2011年以降EDMが盛り上がっていく中で、ビッグルームで"Sing a long"、みんなで歌いましょうっていうノリがあったのも、リリックビデオが重宝されたきっかけのひとつだったり。デザイナーとしては、モーションタイポグラフィの領域として、表現する機会がこうして増えたのも楽しいことですね。元々、ビデオアートやクラブVJの領域でしか研磨されないジャンルと思うので。バラエティ番組のコマーシャルなテロップとは、、学術的に違いますよ、と分断しておきます。

洋楽部門に限ったところでお話ししますが、
音楽メーカーさん、いろんなPRを考えます。素晴らしい楽曲を売るために、宣伝するのがお仕事ですからね。外タレをマネジメントしたり、A&Rを直接しているわけではないので、シンプルにPRと考えると、やれることはなかなか少ないと思います。みなさん苦労されてると思います。

僕は、2009年以降ライブストリームが国内で流行っていく中で、音楽メーカーさんとよくPRの仕事を一緒にするようになりました。ラジオや雑誌、TVに営業を立てなくなったり、まあ、時代の流れで、いろいろとダイエットせざる得なかった状況で、メーカー発の手弁当で、PRできるのが配信番組だったんじゃないかな、と思ってます。よくニコ生公式番組を作ってたんですけど、メーカーの担当者さんとライブストリーミングVJをやる僕とだけで、ブレストするようなノリです。例えば、MTVとかでよくあるようなMV特集だったり、ファンランキングだったり、雑誌のライター連れてきて喋らせたり、まあ、ざっくりこんなやつ。宣伝媒体さんにお投げという、依存せざる得ない構造から、脱却していったような時期かもしれません。地震とかもあったりで、予算縮小で、ネットでやれることやりましょう的なw。

洋楽のPRというと、日本で、MV作っちゃいましょうという企画もよくありましたね。お茶の間認知度高いタレント出演させてー、とか、芸人の鉄拳さんが紙芝居芸でMV作ったり、なかなかにバズッったネタ多かったと思います。そういうところもメーカーさんが主体で動いたりして、PR頑張ってる気運がありますね。PRのアイディアが柔和になって、こういうお作法もありじゃんてね。

ま、こういった複合的な経緯の中、日本語字幕付きMVというのも、ひとつの企画として定着してきたように思います。
で、いちいち僕みたいな外部のクリエイターに発注していただけるのって、とても丁寧な手続きをしていると思っていて。

Youtubeの機能で、字幕つけられますからね。誰でも。

メーカー公式として、翻訳家の方を立てることもそうですが、ただ字幕をつけるだけじゃない、どのフォントを使う?、文字の大きさは?、位置は?、どんなトランジッションで、文字が出てくるのか、消えていくのか、とてもわずかなんですが、そういった機微を、楽曲の内容、MVの世界観やリリックビデオなどから、汲み取って、演出を寄り添うようにしています。

忘れてはいけないのは、アーティストの楽曲そのものが一番大事であって、置き去りにしてはいけない、そして、それを親しむファンのことも考えないといけない。決して乱暴な表現はしていけないし、目立たず、それでいて、作品に寄り添う姿勢や意識を持って行こうと、思って制作してます。

そういう細かなディティールって大事だと思うんですよね。メーカーさんも、そのニュアンスを心得ているからこそのアプローチだと思うし。

そして、もうひとつ、グローバルリリース、ヨーイドンでPRはじまるので、本国から元品質クオリティの素材届くは、Youtubeでアップされた後w。ファンは日本人であろうが、本国のアカウントフォローしてますからね、そこで視聴できちゃいますからね。あとはもう時間との勝負で、超絶なる早案件の装幀になってゆきます。インターネットは早いです汗。

日本語字幕のモーションタイポ制作は、他にもいくつか手がけたので過去作も紹介しておきますね。

Major Lazer
https://www.behance.net/gallery/41857311/Japanese-sub-onMajor-Lazer-Cold-Water-(feat-Justin

Bruno Mars
https://www.behance.net/gallery/46056867/Japanese-sub-on-BrunoMars-24k


制作ノート、でした。

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