2020年5月28日の日記

この町に住んでもう20年になるけれど、地元の飲食店を利用したことがあまりない。これにはいくつか要因があって、我が家では何か特別なときにしか外食をしないというのもあるし、また自分は休日にふらっと出かけるのが好きで、その出先でご飯を食べることが多いというのもある。

地元には商店街があり、そして商店街裏の細い通りには飲み屋がひしめき合っている。個人経営の飲食店が多い。そういったお店をろくに知らないままなのは何だかシャクな気がして、地元の店にたまに入るようになったのがここ1年か2年ぐらいのことだった。

新型コロナウイルスの影響でいつものように遠出ができない。在宅勤務も始まった。となると地元の店を楽しむしかねえな!

というわけで今日は近所にあるうなぎ屋に行った。

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はい。うな丼です。

このお店は駅までの道にあり、何千回と目の前を通っているけれど入店するのは今回が初めてだった。

蒲焼きは二切れ、やや小ぶりだけれど、そもそもうなぎ屋でうなぎを食べたことが全然ないので、なんだか気分が高揚とした。じゅうぶんに美味しかったし、香の物もいい感じだった。

あとから入ってきた老夫婦はうな重を注文していた。うな重は二枚も三枚も蒲焼きを焼くので、それをカウンターから見ながら「こ、これが《重》……! おれも《重》を目指さねばならない」という気持ちになった。重、それはつまりデカい。

『パシフィック・リム』という侵略怪獣と巨大ロボットが戦う映画があり、それのキャッチコピーのひとつに「GO BIG OR GO EXTINCT」というものがある。たぶん作品の内容的に「デカく行くか、絶滅するか」という感じのバイブスだと思うけれど、自分はせっせと焼かれる複数の蒲焼き、こんがりと茶色い肌になった店主の腕を見て、それを思い出していた。

……いや、うなぎに絶滅してもらうのは困るわけですが、こう、程よくデカく行きたい。うな丼からうな重にちょっとずつステップアップしていきたい。そう思い、店を出ました。

そういう感じでした。

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