見出し画像

恋愛の話#3 恋愛について

 恋と愛についてまとめてきましたが、この二つが合体した「恋愛」という言葉がありますわね。相手に恋をして、その相手を愛する、ということになってくるでしょう。恋の対象を愛の対象と重ね合わせるという行為ね。
 これは非常に矛盾した行為であることがおわかりになりますか。汚れなどないから恋するの。汚れがあるような人間に恋するように人間は設計されていないの。汚れの全くない状態から、汚れを見せられるの。恋愛は、元々汚れているもの同士の慰め合いではないわ。もっと残酷な、0から100へ真逆の状態に持って行かれるのなの。さて、そのときあなたはどうする。恋愛ではこれが試されることになるのよ。
 汚れはなかったはずなのに、汚れているじゃないか!嘘つき!裏切られた!あなたのことなんて、好きじゃない!
 そのような気持ちになることもあるかもしれないわ。だけど人間に汚れがないなんてことはない。無いように見えたのは、恋による遊びのいたずらよ。
 そうなってしまったときに、まず考えるべきことは自分の汚れ。相手の汚ればかり見ていては、盲目的ですわ。自分だって汚れているじゃない。相手に好かれたくて隠している部分がもちろんあるかもしれないけれど、自分に嘘はついてはいけない。自分にだって、相手と同じようなところがあるじゃない。同じなのよ。自分も同じ、どうしようもない人間なの。これが恋愛の一つ目の肝よ。
 ただ、自分一人で愛を学ぶことは難しいわ。「一緒だ」「同じ汚れだ」と、少なくとも二人で確認し合うことができないと、愛を理解することはできない。だから、恋愛を機にやってみるべき。今まで愛されてきたかどうかは関係ない。愛し合うことは、どこでどう生まれようとできるはず。なぜなら結局自分の本当の汚れを知っているのは自分しかいないのだから。他人は関係のない話。これが恋愛の二つ目の肝よ。相手も、あなたに対して「汚れのない人だと思っていたのに汚れているじゃないか」と感じている頃かもしれないわよ。
 次は、自分と異なる相手を愛することができるかどうかよ。全く違う汚れの可能性だってある。見たことのない色、嗅いだことのない匂いの可能性だってある。それを受け入れるかどうかは、自分次第よ。自分の責任で、いけるならいける、無理なら無理と判断しましょう。見方を変えれば同じかもしれない、考え方を広げれば同じかもしれないと、努力してみるのも健気でいいわ。これが、恋愛の三つ目の肝よ。
 さて、そして関係を継続するか、ここで終わりにするか、覚悟を決めずに、もう少し様子を見るというのも一つの手。焦る必要は無いわ。だけど、相手の気持ちもある。お互いに、折り合い、駆け引きを重ねていくの。
 恋愛は、愛を学ぶための、よい経験ですわね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?