見出し画像

神の話#1 序

 神野岡芸です。えぇ、神野岡芸というのは、いつも「神様のおかげだなぁ」と言うことばかり話をしているので、そういう風に呼ばれるようになってしまったというだけのことです。あたしは、自分の名前なんぞ、どうでも良いと思っていますから、どうぞご自由に「仏煮頼郎」でも、「菜園数次郎」でも、呼んでくださいな。
 神について語る前に、どうしてあたしが神について書きたいのかを、ちょっと話たいと思います。
 主に作家の遠藤周作さんの作品を読み始めてからですね、神について具体的に考えるようになりましたんです。それまで、神のイメージは「なんかよく分からなくて、宗教っぽくて、あんまり口にしたら変な目で見られるもの」でしたねぇ。しかし、神については、考えれば考えるほどぉ面白いですねぇ。そいで、あたしの頭の中を整理するためにも、語りたいと思うわけでございますけれどもね。
 また、おそらく(学者さんや、宗教的なこと、哲学的なことを普段から考えている人を除いては)あたし以上に神について考えている人はいないんじゃないでしょうかねぇ。それは、あたしが「良識な人」と勝手に思っていた人に、自分と神と文学の関係について少し伝えたときに、上手く理解してもらえませんでた。たぶん、あの人があまり理解できないのであれば、あたしは(一般と比べて)神について、ちょっと考えすぎなのかもしれないですね。
 しかし、文学を書く身であれば、神について知っておくことは非常に重要な気がしていますし、また文学を、特に物語を読む人には「神」ということについて知ってもらわないと、あたしが書いていることが理解してもらえないんじゃないかと。そう思いましたので、これはですね、神についてより多くの人に(こんな文章を誰がどこで読んでくれるのか分からないいですがね)ちゃんとした理解を促してやろうという勝手な試みでああります。そいで、あたしがね、達している結論はもうあるんです。
 「神はバカ」ってことです。馬鹿にしてるわけではございませんよ。あたしはねぇ、言葉の選び方が下手なんです。えぇ、特に相手がいるときは、よくないですよ。例え神様でもね、バカだと思ったらバカって言っちゃうんです。それでね、だいたい怒られますよ。だからね、あたしも怒りますよ。そんなことで怒ってるんじゃない! ってねぇ。だからねぇ、あたしは昔っからトラブルメーカーなんですよ。トラブルを生み出しますからね、だから、皆様もね、もしトラブルがなくて困りましたら、いつでもあたしにご相談なさってくだせぇ。あたしが解決してみせますよ。
 あたしは思うんですが、神様ほど矛盾した存在はいませんな、だってねぇ、神様は人間が創ったんですよ。それで、神様は人間を創ったって言うんですよぉ。これは、おもしろいですね。女性が愛を創ったみたいなものですな。男の愛が女性を創ったというのにねぇ。ラクダがこぶを創ったみたいに思われますけれどもね、こぶがあるからラクダになったんですよ。ばい菌が風邪を創ったのではなくて、風邪がばい菌を創ったんですよ。バカが真面目を創ったのではなくて、真面目がいたからバカが生まれたんですよ。顔が怖い人を創ったのはねぇ、、顔がかわいい人ですよ。顔が怖い人は、かわいい人がいるから、怖いって思われちゃって、笑ったらかわいいんですがねぇ、あたしはくすぐられるのは嫌いですが、くすぐって笑わせたいですなぁ。あのねぇ、ほんとにね、あたしが孫で、おじいちゃんの顔が怖かったら、死ぬ気で笑わせにいきますよ。だって、身の回りに怖い人がいたら、嫌ですものねぇ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?