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未練の話#3 なぜ未練を感じるのか


 未練を感じるたことは誰でもあるかもしれないですな。ところが、未練がどこからくるんでしょうかねぇ、みんな同じでしょうかねぇ。

 先に述べたように、未練を分けて考えると、

「人との関わり」×「できなかった」

「人との関わり」×「思い通りにならなかった」

「自分の動き」×「できなかった」

「自分の動き」×「思い通りにならなかった」

とそれっぽくまとめてみました、未練の故郷、生まれたところを探してみることにいたします。

 一つ例を挙げて考えてみましょう。

 ゴマの助は、青い春のあの日、同じクラスだったチョン子と、これっぽっちも話をしたことがなかった。ゴマの助のチョン子に「美しさ」を感じており、見た目がちゃちなゴマの助にとっては雲の上にいた。雲の上とはいえ、同じ息を吸えるところにいたのであり、クラスに行った日にチョン子の声を聴かない日はなかった。

 チョン子はあまり声の大きな人ではなかったが、おしゃべりな人だった。その控えめなのかノリノリなのか分からないのにそそられる感じもあって、男たちからはものすごくモテていた。学校のゴシップに疎いゴマの助の耳にも、チョン子が誰と付き合った、チョン子が誰と別れたという話はよく聞いた。ゴマの助ももちろん好きに間違いはなかったが、かといって自らから話しかけるというような動きもできなかった。

 チョン子がどう生きていくのかも知らないまま、お互いに学校を卒業した。一つだけ、大学生のとき、夜の仕事を始めてかなり稼げているから大学を辞めただの、、子どもができて今は大学を辞めざるを得なかっただの、根も葉もない噂のみがゴマの助の耳に入ってきていた。その後も時は過ぎ、ゴマの助にも守るべき家族ができ、歳でいうとおっさんになっていた。

 ある日の夢である。チョン子が出てきたのだ。チョン子がゴマの助に話しかけてくる。「ねえ、ちょっと手伝って。」何やら授業の宿題のようだった。教室にはなぜか若かりしゴマの助とあの時そのままのチョン子が二人きり。気づけば、二人でにどこかへ歩き出す。隣を歩いていたチョン子は、だんだん速く歩き始め、ゴマの助もそれに追いつけるように歩いた。しかし、チョン子の速さに追いつかず、一人になってしまったところで目が覚めた。

 ゴマの助は前の日に、女性の部下の恋の話を聞いてあげていたのである。ゴマの助は、女性の部課の感じからなんとなくにチョン子のことを思い出していたのであろう。かといって、何か未練があるのか、ゴマの助にはよく分からなかった。

 いかがだろうか。このような夢は、少しは見たことはあるのではないだろうか。ゴマの助は今、そこまで大きく変わることのない生き方を手に入れたため、このことについては取るに足らないものとして忘れて、昼には忘れてしまっていたかもしれない。しかし、もし、未だに女性とも上手くいかず、仕事も上手くいっていないときにこのような夢を見たらどうだろうか。ものすごい、何か、モヤモヤと気持ちになり、もしかしたら死ぬまで頭から離れない夢になるかもしれない。

(あのときのあの夢は、何だったのだろう)

 ゴマの助のケースを読んで、なぜ未練を感じてしまうのかに思いを馳せる暇があってもよいかもしれない。

 あたしの場合は、恋の相談をもし女の人から受けたとしたら、たぶん、その人を好きになってしまいますね。だって、よくあるじゃない。友達に相談しようと思ったら、その相談が心を開くいいきっかけになってしまって、お互いになんだかいい気持ちになってしまうって。でも、あたしには安心して相談してくださいね。なぜって、今まで相談から始まった恋は一つもありませんから。え?それはまだ相談した人がいないからですって?バレたか。ふぁあ、誰か相談に来ないかなあ。

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