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俳句

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2022年9月の記事一覧

俳句 キモノ

「仕付け取る 今日のうれしさ 秋袷」

洗い張り・仕立て直した長着が
返って来ました。
ヨソユキでしたが、普段着に格下げ
して稽古に着ます。箪笥三棹のキモノも、
そろそろ片付けて行かないと・・

俳句 大好物

「栗茹でる 祖母の小さく 丸き背よ」

{お前の好きな栗を、沢山
茹でて上げよう}祖母は大きな
鍋を、取り出しました。
祖父と祖母、私の三人で食べた
栗の味は良く覚えています。

俳句 茶席にて

「床の間に 落ち着きかもす 時鳥」

小間席に入れて頂きました。
渋い壁の色に、時鳥の花が良い
風情です。取り合わせた、刈萱が
少し揺れていました。

俳句 秋めけば

「爽やかな こんな日は何を 着ようかと」

天気も良く、空がまばゆい青。
風も吹き、心を浮き立たせます。
さあ出掛けるのに、何を着ましょうか?

俳句 読書

「眼鏡のつる 重たく成りぬ 長き夜に」

夢中で本を読んでいました。
気が付くと首は少々痛く、
メガネさえ重く感じられました。

俳句 月

「遠くビル群 更に遠くに 満月は」

ベランダから遠くに、ビル群が見えました。
その辺りだけが眩いのです。
目を上に転じると、大きな月。
人工の明かりと自然の明かりの対比に、
暫く見とれました。

俳句 心模様

「秋色は 心の色と 呟いて」

秋の色、千紫万紅の色たち。
その美しさ?
それとも色変わりが、心変わり?

俳句 島の・・

「流人達 この椿の実 見ていたか」

何人かは尊い御身分の方も、
流されて来た島。
たわわに枝をしならせるほどに、
実った椿の大樹。
その方々はどんな思いで、この
情景をご覧になられたのでしょう?

俳句  夜長

「CDを 選び迷いて 夜長なる」

音楽を聴きつつ、雑事を
こなしています。
ロッド・スチュワートの次は
さて何を聞きましょうか。
同じく彼のグレート・アメリカン・
ソング・ブック②にしようか?

俳句 遠い恋

「流星を 共に見し人 忘られず」

私と同じく、星を見るのが
好きな人でした。
色々な場所で、空を仰いだ
若い日が蘇ります。
星は星座はあの頃と、何も
変わっていないのでしょうか。

俳句 私は

「我のみが 此岸の人よ 秋彼岸」

父母も祖父母も叔母達も、
私を愛して育ててくれた
人々は、皆向うに居られます。

お彼岸は春より秋の方が、
色々と胸に迫る物が
有るのです。

俳句 茶会で

「花薄 見事な絵付け 菓子の鉢」

見事な薄の絵が付いた、
菓子鉢が出ました。
御菓子との色合いも、
抜群です。
さてさてお菓子の味は?

俳句 誰も・・

「貝殻と 秋風ばかり 千葉の海」

あれ程賑わっていた海岸。
殆んど人が居なくなり、
静かな元の姿を取り戻し
ました。
思わず口ずさむのです。
{今はもう秋、誰も居ない海}

俳句 茶花

「ふうわりと 風に浮かぶか 松虫草」

淡い紫の松虫草。
少しの風にも花弁が
ゆれます。
頼りなげな・儚なげな
様子が大好きです。