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茶道具

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2022年9月の記事一覧

木彫

木彫

何の木で作られているのでしょうか?
珍しい「竜胆」が彫られた棗です。

薄茶器では塗が主流です。その次が木地です。
桑・欅・から、社寺の古材迄、各種沢山有ります。
しかし木地に彫り文様となると数は少なく、
内心珍品ではと思っています。

この時季にお客様が来ると、よくこの棗を使います。
茶歴の長い人も驚いてくれて「マア貴男は珍しい物を
良く見つけるわね~」と言ってくれます。

{ほらもうオークショ

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楽しい絵掛物

楽しい絵掛物

まだ購入したばかりの軸です。
おなじみヤフオクの絵の所を見ていて、出会い
ました。

秋草と虫が描かれています。この虫たちの動きが、
楽しそうで思わず頬が緩みます。地紙は団扇形なので、
もう少し早く使うべきだったかも・・・

軸先も表具も洒落ていて、余程の趣味人がこれを
作らせた物と推しています。時代は昭和初期ぐらい?
この寄付きを受けて、花入れに虫籠・薄茶器に玄々斎の
有名なお好み「秋の夜棗」を

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掛絡香合

掛絡香合

風炉の季節・仏事の取り合わせには欠かせない
品です。「くわら」とは僧侶の袈裟の止め具、
例の丸い輪っか状の・・・金属や象牙など種類
も豊富です。

その形を写した香合です。木地製品も有りますが、
U流では4代仙叟好みのコレが広まっています。
「袈裟の止め具と言う、仏教色が強い道具なのに、
蒔絵が内外共に派手なのは何故でしょうか?」

良い質問が出ました。{表の桔梗と蓋裏の藤、共通
する色目は何です

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茶道具百話 水指

茶道具百話 水指

染付桶側水指を、稽古に出しました。
何時もと同じ質問{何故、この道具が出ていると
思うかな}そこに居る社中に聞きました。

一番最初に出た答えに、大笑いしました。
「お母様の追善ですよね。じゃ御出身が埼玉県の
桶川市ですか?」その桶川じゃね~よ!

{埼玉だけど、川越出身でした。水指の中を見て
御覧なさい}「あっこれですね。お寺の天井から
下がっている飾りですね?」

{瓔珞と言って、古代インドで

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お好み

お好み

今回の稽古では、沢山の淡々斎のお好み
道具を使いました。諸道具のお好みについて
説明していると「どうしてこんなに沢山、お好み物
が有るんですか?」良い質問が・・・

淡々斎の時代は、徐々に茶道隆盛期に向かっていました。
茶道人口も増え、道具の需要も多かった事でしょう。
それにつれて、各種の御道具に「お好み」が~

お好みとはおよそ職方さんが試作品を持ち込み、
お家元にお目に掛け・お気に入られれば「

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手造り

手造り

手造りの茶道具と言えば、一番お馴染みなのが
陶器の香合・花入・茶碗などでしょうか?
更に器用な方は、茶杓・籠などなど・・・

私は還暦の茶事を催した際に、炭斗を作りました。
と言えば聞こえは良いのですが、実際は~
民芸品店で見つけた籠に、お出まし下さる方々の
返信書状を張っただけです。

是は恩師がなさったのを、真似させて頂きました。
師は平たい籠でした。これは大好評で、お客様に
とても喜ばれまし

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菓子器

菓子器

9月一週目の稽古は、8日です。
14代家元の御命日が7日なので、お家元様
行事に遅れて追善の御茶を~

色々な道具を考えていて、菓子器に困りました。
そこで手控えノート蔵帳を見て、良い物を発見!
裏千家流の茶道団体「淡交会」の創立50周
に頂戴したお皿です。

この団体は昭和15年・1940年に、今まで在った
諸団体を集合させて創設されました。もう30年近く
前の事で、どんな記念行事が有ったかも忘

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萩尽くし

「お客様をお招きするので、知恵を借りたい」
茶友からの電話です。

「萩の苗字の方を呼ぶので、萩の焼き物尽くしで
行こうかと思っている」{確かに萩焼は、釉薬に
色々な変化が有り面白いかも?でも萩焼尽くし、
誰かやって居そうだよね。大宗匠お好みの萩丸莨盆・
萩と兎蒔絵の古い棗あるけれど・・・}

「花にも萩を生けて、お菓子は鶴屋八幡のこぼれ萩を」
{一ひねりして萩焼きの中に、萩焼のそっくりさん
出せ

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茄子

茄子

格別食べ物として「茄子」が好きな訳
では、ありませんが・・

花入・香合・薄茶器・茶碗・の文様迄、
茄子が溢れています。一番に思い浮かべるのは、
やはり御茶入です。しかも「唐物茶入」が一番
でしょうか?

そんな立派な物を持たない私にも、やはり
大切な茶入は「茄子」です。
今から40年前、京都に勉強に上がる時に
恩師から拝領した茶入です。

堂々たる姿・面白い釉薬に加え、蓋・仕覆・箱
まで全て誂え

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