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茶道具

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2021年3月の記事一覧

稽古の茶道具 みちのく

稽古の茶道具 みちのく

あの悲しい3月11日がやって来ました。

毎年この日近くには、いくつか同じ道具を

使います。

床   雲無心 松島瑞巌寺五雲老師筆

花入  岩手 久慈焼

茶碗  福島 相馬焼

この三点だけは、福島・宮城・岩手・所縁の

道具なので動きません。

他の道具は毎年少しづつ、入れ替えます。

仏事用の道具も出します。

今年は香合に、網干文を出しました。

床に御茶・お菓子を供え、社中一同で

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茶道具百話 三つ

茶道具百話 三つ

茶道具で「三つ」と言えば、七種蓋置の

中の{三つ人形}が一番知られて居る事

でしょう。

U流では他に11代玄々斎好み{三つ鳥居}

三つ銀杏・などの蓋置も使われます。

今回はヤフオクでとても珍しい{三つ蛤}の

蓋置を落札。ぷっくりして、美味しそうな

姿です。お雛様にと思いましたが、他にも

海の取り合わせに使えそうです。

まだまだ珍しい「三つ」姿の重なる、蓋置が

存在しているかも知

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稽古の茶道具 お彼岸

稽古の茶道具 お彼岸

今週の稽古道具を考えていて、丁度良い

掛物を思い付きました。「至彼岸」の三文字です。

この言葉を古代インドのサンスクリット語に

すると、パーラミタになります。おや!どこかで

聞いた事が有る様な・・・そうです,お馴染みの

「般若心経」の一節です。

パーラム=彼岸・イタ=至る、二つの言葉が一緒に

なりパーラミタとなりました。

茶道具百話 釣鐘

茶道具百話 釣鐘

今週は「彼岸」の取り合わせなので、

釣鐘を出しました。この品には、もう一つの

意味が有ります。

芭蕉の名句「花の雲鐘は上野か浅草か」をも、

連想して欲しいのです。欲張ればもう一つ

「道成寺」歌舞伎舞踊でもお馴染みです。

更には「深雲古寺鐘」をもとは、迷いの中に

居る身としては考え過ぎでしょうか?

茶道具百話 花びら

茶道具百話 花びら

「散ればこそ いとど桜は めでたけれ・・・」

と古歌にあります。恐らく散る花を愛でるのは、

東洋人独自の感性かも知れません。

この黒楽茶碗、外に三枚中に二枚の花びらが

描かれています。花に別れを告げる頃には、

欠かせない茶碗です。

この花びら文様は、他にも薄茶器などでも

見かけます。桜が散る頃には、地上の花も

競うように咲いて来ます。

さあ春の道具もそろそろ片付けなければ~