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『ちょっと待とうよ、春虎くん』紹介と感想(ネタバレあり)

(タイトル画像)
https://pixabay.com/ja/users/skitterphoto-324082/

あめきりさんの漫画、『ちょっと待とうよ、春虎くん』。
すごく面白かったので紹介します。
後半はネタバレありの感想なのでご注意を。


試し読み

出版元の新書館のnoteにて、第1話がまるまる読めます。
(背景に透かし文字が入るのでちょっと読みにくいですが。)

あらすじ

同ページからあらすじを引用します。

高校生の粋(すい)は、ゲイであることが周囲に知れ渡って以来、マスクで表情を隠しながら学生寮でいじられキャラを演じている。2年生に進級し、春虎(はるとら)という新入生と同室になった粋。春虎の素直な性格と、部活にまっすぐ打ち込む姿に惹かれていき……?

新書館 noteより

ということで、高校生ものです。
しかも男子校。

内容について

主人公のキャラクターは好みが分かれそうですが、
もし試し読みで主人公と相手役に引かれるものがあるのなら、是非とも続きを読んで欲しいです!!

1巻で完結するため展開は早いものの、要所々々が丁寧に描かれていて、物語の世界に十分入り込めました。

なお第1話には“からみ”が出てきませんが、この後はたくさん出てきます。
むしろそれが軸になります。
描写はなかなかリアルです。
BL初心者なので、「この絵柄でこうなるのか!」とビックリしました。(笑)


1巻の中身は、
・本編 5話(完結)
・書き下ろし短編 1話
・別のお話の短編 1話
です。

書き下ろしは14ページ。
2人の後日談で、エロ度高めです。

別のお話は、高校生の主人公と社会人の物語。42ページ。
面白かったけれど、こちらはさすがに展開が早すぎた。(笑)
本編の2年前くらいに発表された作品です。


作者であるあめきりさんの新作が出たばかりのようで、本作がキャンペーン価格になっているサイトもあるようです。
【注:記事投稿現在】

この機会に是非。

感想(ネタバレを含みます)

※ここからは作品の内容が出てきます。ご注意ください。

泣いた!

特に粋が泣ける。

ふにゃふにゃしているようで、すごく突っ張っている。

自分の問題を誰にも言わず、一人で受け止めて、一人ぼっちで突っ張って生きている。
それなのに(いや「それだから」?)人には優しくできる。
そういうキャラクターにとても弱い。


春虎はいろいろと言葉が足りないし、強引すぎる!

粋が春虎に告白するシーン。

あんな切ない告白ある?

でも春虎の気持ちを知って、「おれの恋人になって…おねがい……」って、春虎の目を見てきちんと言うところはすごい。
粋のたくましさに感動して泣いた。

それにしても、勘違いの元となった春虎の「間違えました」発言。
告白や了承もまだだったのにキスしてしまって、「順番を」「間違えました」という意味だったとは!
説明されたらすごく納得なんだけどね。
言葉足らずってよくないわーと、思わず自分を省みた。


隠してるから恥ずかしいんじゃない
恥ずかしいから隠してるんだよ

第3話

なんだい、それ。(笑)

このノーパンエピソードは粋の発想が謎だったけど、結果オーライでよかった。

足湯のシーン。よかったな。
粋が「ひさびさ 深く息できるかんじ」ってなってるのを見て、まだ2人が付き合う前の春虎の宣言、

おれのとなりがスイ先輩の心休まる場所になるよう
精一杯頑張りますので
これからもよろしくお願いします

第1話

を思い出した。
これ読んだ時、グッときた。
そして有言実行できている春虎、すごい。

ライトアップを見上げて感動する粋に、また泣かされた。

寮に戻ってからのシーンはなんだかリアルで。
いや、実際どういうものかは知らないんだけど。

とにかく一歩進めてよかったなーと。
手をつないで寝てるのが可愛かった。


夢精のエピソードはビックリした。(笑)

なんだかリアル。
いや、実際どういうものかは(略)


リアル(たぶん)なこの作品。
最終話でとうとう挿入問題を取り上げる。

かなり赤裸々だったけれど、挿入問題とは別に、粋が同級生に「からかわないで」と言えるかどうかの問題も同時進行で描かれていた。
シモ一辺倒ではなかったので読み進められた気がする。

まあ、最終的に粋が自己主張できたのも、挿入問題があったからなんだけどね。
それくらい大事ってことかもなあ。

ちゃんと具体的に話せた粋、えらいな。
同級生にも伝わってよかった。

やっぱり粋はたくましいな。
それ見て春虎が勇気出すくらいだもんな。

それにしても春虎。
「こんなせまいとこ入るワケないと思って」「ケガさせそうでこわくて」って、なんて優しいんだ。

恋愛対象が女性の男たちにも聞いて欲しいくらいだ。
……と思ったが、どっちがせまいかと言えば、まあたぶんお尻の方だよね。
あと、女性のソコを見てビビってしまうようだと子孫繁栄の妨げになるから、あえて鈍感なようにできているのかも。

とはいえ、思い遣りは大事。
「限界まで息吸って、はいて」は、男女間でも使えると思うので、是非とも広まって欲しい。
(春虎、どこで覚えたんだ?ネットで調べたのかな?)


ラストの春虎の台詞にもグッときたけど、それを聞いての粋の回想シーンに泣けた!

いいラストだったよぉぉぉーー!!


ちなみに、

書き下ろしも含めて、
最後までいけてからの2人を見て思うのだが、

これは個人的な好みの問題なんだが、

行為における、粋のMっぽさが、

自分はちょっと、ダメかも……。

たぶん、そこがいいんだろうけど、
こればっかりは好みなんで……。

からみがリアルだからこその感想です。


最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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