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12室 ベッドルームで会いましょう

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4時間かけて6000文字近く書いたテキストを、スマホ編集ミスで全消滅して一週間が過ぎました。もう一度同じことを書く気力が回復するのを待って、今回は8室に次いで誤解されやすく謎の多い12室とは何かについて書きたいと思います。6000文字オーバーです。

12室にまつわるキーワードはろくでもないものが多い。不運のハウス、隠れた敵、隔離の室、堕落の室、因縁、宿縁のハウスなどなど、「暗いあばら家の奥に潜む恐怖が閉じ込められた場所を自由に描写してみましょう」というお題で書いたのかな?という解説が多々見られる。12室で象徴される施設は刑務所、隔離病棟、修道院、裏社会などこれまたひどい。

近代の占星術教本はこうしたおどろおどろしいキーワードは全体的に不人気で、いわゆる「ネガティブ」なキーワードは封印されつつある(占星術が学問として研究されていた時代と違って、現代では顧客の神経を逆なでするようなことは書かない方がウケるという商業的な理由もあるだろう)。代わりに登場する12室のキーワードは博愛、慈善、奉仕など崇高で自己犠牲的な行為、分野では精神世界や人間心理、場所なら礼拝堂や社会福祉など、非常に現実的な問題を扱うものから不可思議な幻想のベールに覆われたものも登場する。

この大改革は何なのか。正味のところ、12室は善い場所なのか、それとも悪い場所なのか、4室や2室のように具体性のある場所なのか、3室や9室のような観念の世界なのかと混乱する方も多いだろう。とくに生まれついて12室に関連した天体を持つ人にとっては(フォロワーの方々の関心は8室と12室と海王星に関してとくに高く、これらに関するツイートは反響が大きい)。

私はチャートを家に見立てて読むドールハウスリーディング講座をひらいているが、ホロスコープを家に見立てるとき、12室はごくありふれた家の一部である。これまで私はそこを屋根裏部屋だと話してきたが、よりしっくりする場所があった。ベッドルームだ。今回は12室がなぜこれほど誤解と混乱を招いてきたのか、12室をベッドルームに置き換えると何がわかるのか、それは個々のチャート理解にどのように役立つのかをお話したい。テキストが途中で消えてしまわないことを祈る。

いつものようにまず論拠となる証拠を検証し、次に具体的な話に移っていくので「めんどくさい話はいいから結論と自分のチャートの読み方だけ教えてよ」という人はタイトルを見て関心のある項目まで飛ばし読みしていただきたい。


ハウスルーラー

8室の解説で紹介したが、各ハウスにはあらかじめ定められたハウスルーラーがある。ハウスルーラーとは牡羊座を1室、2室牡牛座、3室双子座と進むナチュラルホイールによるサインのルーラーではない。

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