12星座の惑星レシピ
先日さる現役占い師さんから「サインのルーラーはわかるけれど、それ以外の惑星とサインの関係がわからない」というお声をききました。みなさんはいかがでしょうか。
確かにサインのルーラー12個にくわえてデトリメント12個、エグザルテーションとフォールが各7個を覚えなければならないと思うと少し面倒に思えます。これにトリプリシティが昼と夜にわかれていて…と知るとややひるみますし、記号と数字だらけのエッセンシャルディグニティ表をはじめてみると「うっひゃ～！」という気持ちになるかもしれません。
私は学生時代公式や年号といった暗記物がまったく頭に入らず、九九だけはなんとか覚えられたくらいだったのですが、エッセンシャルディグニティはまずまず頭に入っています。
なぜならこれらの惑星の配置には秩序だった法則があるから、言い換えると前後を思い出せればそれをヒントに推測することができるからです。そしてそれらの惑星はサインの特徴を色濃く反映しているので、一度覚えたらサインと切っても切れないものになるからです。
このとても便利なエッセンシャルディグニティ表、ぜひご活用いただきたいと思います。
このnoteは本文末尾のリンクから中級講座５～６回「品位とリセプション」の講座テキスト（A４四枚文字数約3200文字）と、オリジナルエッセンシャルディグニティ表＆曼荼羅（A一枚）がダウンロードできます。独習にお役立ていただければ幸いです。
エッセンシャルディグニティとは
サインは複数の惑星で構成されており、そのうちもっとも影響が大きいものがドミサイルの惑星です。ドミサイルはサインの在り様、方向性、ルールを決めるので、ルーラーと呼ばれます。サインを構成する惑星はこのほかにエグザルテーション、トリプリシティ、ターム、フェイスがあり、これらの要素と反対の特性を持つ惑星にデトリメントとフォールがあります。これらの要素をまとめたものがエッセンシャルディグニティ表です。
この表はホラリー占星術で欠かせないものなのですが「うわ！記号と数字がいっぱいでクラクラする！」と思われがちなせいか、モダンホラリーと称してルーラー以外は考慮に入れないという大胆な手法を編み出した占星術家もいます。
しかしこのエッセンシャルディグニティ表はホラリー限定のマニアックでミステリアスな特殊技法用ではありません。エッセンシャルディグニティはいわば星座のレシピなのです。
12星座の惑星レシピ
うちの講座の卒業生さんに@ackey_t という天才がいまして、エッセンシャルディグニティ表を円にするという大発明をみせてくれました。「ここをもうちょっとこうやって、ああやって」とお願いしたのがこの図です。
（C）uranaisu @ackey_t 商用利用不可
見やすくなりましたね！円の中心部、時計の文字盤で9時の方向にあるのが牡羊座、そこから反時計回りに牡牛座、双子座、蟹座、獅子座と12サインのサイン記号が配置されています。
そのひとつ外側の円にあるのがドミサイル（日本語では威厳）、そのサインのルーラーの惑星、緑の円がエグザルテーション（高揚）ピンクの円がトリプリシティです。それぞれの階層の重要度はエッセンシャルディグニティに記載されている通り、ドミサイル5点、エグザルテーション4点、トリプリシティ3点です。
各サインはこれらの要素をあわせもっており、各サインに位置する惑星はどのサインに位置するかによって活躍のレベルが変わってきます。それは料理が変わるとメインにする食材が変わるのと似ています。
ケーキでいうと土台のスポンジがトリプリシティ、クリームがエグザルテーション、トッピングがドミサイルにあたります。ドミサイルはそのケーキに欠かせない要素、エグザルテーションはドミサイルの次に欠かせない要素、トリプリシティはそれらの土台となる要素です。
蟹座のケーキと牡牛座のケーキ
たとえば蟹座ならルーラーの月はメインのトッピング、エグザルテーションのの木星はクリーム、トリプリシティの火星は土台です。月はほのかな甘みを、木星は脂肪分を、火星は刺激的な香辛料をあらわすので、蟹座のケーキは汁気たっぷりで微かな甘みのあるフルーツが主役。リッチな生クリームが香辛料の効いたスパイシーなスポンジをデコレーションしているケーキでしょう。
さて、フルーツのデコレーションケーキを語るとき、そのフルーツの味だけを調べてもケーキの味はわかりません。それと同様に、蟹座を月だけで考えると蟹座の全体像を見誤ります。
蟹座は共感性にとむ月に加えて、木星のおおらかさ、寛容さ、そして水のサインに共通した火星の向こう見ずな勇敢さ、深い話や相手を選ぶ刺激的な話題にも臆さない能動性を持つサインです。
トランジットで蟹座に月が入るのは蟹座ケーキにフルーツが追加された状態です。豪華ですね。月が牡牛座に入ればエグザルテーションですから、月はクリームを味付けするフルーツになります。
では月がデトリメントになる山羊座ではどうなるでしょう。山羊座のケーキは土台が金星と月で甘く、クリームは火星でスパイシー、トッピングは土星で苦味ばしっています。香辛料の効いたチョコレートやコーヒーが甘いスポンジにかかっているかもしれません。ここに月をくわえると、月の甘さによって土星の苦みが引き立つ一方で、土台の甘みとは調和します。
月は山羊座で引き立て役であるデトリメントになりますが、（夜のチャートの場合）土台の要素の一部であるトリプリシティも獲得します。
ネイタルチャートにおける山羊座の月はデトリメントとして土星の理知や冷静さを揺るがすものではありますが、（夜のチャートの場合）身体感覚の鋭敏さは地のサインの豊かさセンサーを強化するトリプリシティの働きもあるというわけです。
「山羊座に月がある、山羊座の月はフォールだと聞いた、フォールは悪い、弱い働きをするらしい、もうダメだ」と考えておられた方は、エッセンシャルディグニティの面白さをこの機会にぜひ知っていただきたいと思います。
さて、ここまで可愛らしくケーキでたとえてみましたが、動画配信やマシュマロ経由のＱ＆Ａではいつもサインとエッセンシャルディグニティの話は豚汁で説明しています。
最初に紹介したエッセンシャルディグニティ表をご覧ください。各要素の上にその惑星が豚汁における何に当たるのかを記載してありますね。すでにうちの講座の受講生と動画視聴者のみなさんはサインと惑星と豚汁は切っても切れない関係にあります。今日からあなたもエッセンシャルディグニティ表をみたら豚汁を思い出す会の仲間入りです。
というわけで、ここからは豚汁から惑星の品位とエッセンシャルディグニティを読み解く方法をお話したいと思います。
動画講座では中級５～６の品位とリセプション回が参考になります。
講座資料はこちら。この本文の末尾からもダウンロードできるので、noteを購入予定の方はそちらからどうぞ。
豚汁で考えるエッセンシャルディグニティ
あなたは海外で日本食の店に入りました。店名の下には” Japanese traditional restaurant ”の表記もあり、久しぶりの和食が楽しみです。あなたは豚汁を頼みましたが、出てきたのは何やら魚を浮かべたスープでした。
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