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8正義


ここに来て、こちらを真っすぐと見つめるカードが登場する。彼女の目は真実を見極める目だ。嘘は通用しない。裁判官の如く、正義のジャッジが下される。

正義のシンボルであるてんびんを持っている。エジプトの伝説によれば、死の直後、2つのお皿に心臓と鳥の羽を乗せて釣り合わなければ、地獄へと落とされるらしい。自分のハートに嘘をつくことは許されない。

2つのお皿を操り、2つの大きな柱の中央に位置することから、非常に優れたバランス感覚の持ち主であることもわかる。中道を究める者なのかもしれない。

てんびんの片方のお皿に重りを乗せると、当たり前のようにお皿は傾く。それは誰が行っても変わることのない、法則である。この世に起こることには全て隠された法則があるとしたら、彼女はその法則の秘密を知っているのかもしれない。

彼女に認められた者でないと、これ以上先には進めない。ということは8正義は新たなステージの段階ということになる。そのためには、人間界での汚れを落とす必要がある。

首につけているロープは清廉潔白のシンボルである。必要最低限の荷物しか持たず、無欲に自身の役割を遂行する。行き過ぎると自分も相手も、見えないルールで縛ってしまうことになる。

彼女はてんびんともう1つアイテムを手にしている。それは剣である。この剣は決断を象徴する。しかも、個人的な決断ではなく、目の前の他者のジャッジをするのだから、大きな責任を伴う。そのあたりは6恋人の個人的な選択・決断とは違う所である。

この剣は両刃である。間違った決断を下すと、自分自身にも大きな痛手を喰らうことになる。裁くということは裁かれるということである。

剣は風を切り裂く。風は知性の象徴である。目の前の人物を裁くのに、情が入ってはならないのだ。常に冷静に、そして知性を持って決断を下す。専門的な知識を持っているのだ。公的な資格という意味合いも浮かび上がる。

よく見ると彼女の額には目があるように見える。第3の目だ。目で見える情報はもちろん、心の目で見えないものをも見る力がある。視線には強力な力があることは、マルセイユタロットが教えてくれる。

この世にある法則を理解し、真実を見つめるとき、きっと彼女は微笑んでくれるはずだ。

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