叶わなかった想いに嫉妬する

そう、彼は言った
わたしの人生に存在する、叶わなかった片想い
これは、成就せずにいつまでもわたしの中に残っているからだそうだ

変な夢を見たせいで
最後にしたあの片思いからもう10年近く経つことに気が付く
ある日参加した合コンで、相手の3人の男性とわたしの4人は意気投合し
毎週末深夜まで遊ぶような仲間になった
でも今思えばそれはいびつな関係
三角関係ではなくて四角関係の
誰かが誰かを好きなのに、何も壊したくない恐怖心で支えられた大人の疑似青春だったように思う
その中の一人をわたしは当たり前のように好きになって
その中の誰かはわたしのことが好きだった

そんな、邪な想いがこの4人の絆を繋いでいて
案の定永く続く友情なんかでは無かった
わたしが耐えきれずに片想いの彼に告白をしたことで
4人の友情は自然消滅した

あとでSNSのせいで知ることになるけれど
彼には多分長く付き合った女性がいて
わたしと遊ばなくなってから、程なくして文字通り幸せそうな結婚をしていた

ふと思うのは、彼があの時少しでも葛藤してくれてたなら良いな
ということ
彼女がいても合コンに参加し、毎週遅れてきた青春のように遊び、時にわたしと2人きりでデートもした

最終的に彼には選ばれなかったけど
彼にとって新しい恋とはならなかったけど
少しでも、良心の呵責を憶えるような
そんな相手でいられたとしたら良いなと

10年もかかって、叶わなかった片想いをほんの僅かでも成仏させられたかなと
朝方早く目が覚めて書いている

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