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【INTERVIEW】RIN × URAKATA プレイヤーから経営者へ。覚悟と自分らしさ

はじめに

“経営者の孤独に寄り添う”
URAKATA創業のベースは、この考え方にあります。
本企画は株式会社RINと株式会社URAKATA、両方の視点から「役割を“託す”ということ」にスポットを当てた対談インタビューです。

株式会社RIN
会社設立:2019年12月3日
所在地:〒150-0001渋谷区神宮前三丁目31番17号ビラ・ローザ402号
従業員数:20人
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『花のロスを減らし 花のある生活を文化にする』というミッションのもと、全国のフラワーサイクリスト®と共に企業の大型装飾やスクール運営を行なう。ロスフラワーを回収し、ドライフラワー作品などに生まれ変わらせたり、花農家と消費者をつなぐ架け橋となるプラットフォームを作ったり、さらには花のある暮らしの魅力を広めていくコミュニティ運営など、花のいのちをつなげる取り組みを多角的に行っている。


河島春佳 Haruka Kawashima
株式会社RIN 代表取締役/フラワーサイクリスト®
長野県生まれ。生花店でのアルバイト時に、廃棄になる花の多さにショックをうけたことから、フラワーサイクリスト®としての活動を始める。2018年、クラウドファンディングで資金を集めパリへの花留学を実現し、2019年ロスフラワー®を用いた店舗デザインや、装花装飾 を行う株式会社RIN を立ち上げる。2020年には花農家と消費者の架け橋として開設したオンラインショップ『フラワーサイクルマルシェ』が、農林水産省HPでも紹介。2021年フラワーサイクリスト®になるためのスクール『フラワーキャリアアカデミー』をリニューアルし、現在全国の200名以上の卒業生と共に、ミッションとして掲げる “花のロスを減らし花のある生活を文化にする” ために活動中。


藤沢 和德 Kazunori Fujisawa
株式会社URAKATA 代表取締役
株式会社URAKATA 代表取締役 1988年10月東京都生まれ。大学時代にAR(拡張現実)アプリケーションの受託開発/WEB制作会社を起業したことをきっかけに、経営者という役割で生きていくことに面白みを抱く。その後、最初の法人は事業譲渡し、創業3年目のベンチャーに飛び込み30人規模から100人規模の拡大と、コロナ禍を経て50人規模まで縮小する変遷を人事、経営企画、マーケティング部署の責任者を担いながら体験する。副業として個人でも飲食店を都内で2店舗経営しながら、クリエイター系創業者の法人でバックオフィスや資金調達を伴走。複数の創業、グロースに
関わった経験をもとに、創業期の経営者を支える株式会社URAKATAを2022年8月に創業。


経営者であり母だからこそ自由でいたい、オープンなRINのチーム作り

藤沢:起業して4期目。今、会社としてどんなフェーズでしょうか?

河島:いかにチームとしてやっていけるか、に向かっているフェーズだとすごく感じています。
少し前のRINは、「河島春佳」の周りに人が集まっている感じでした。”河島を手伝う”というスタンスだったのが、主体的にRINを良くするか・RINを世の中に広めていくかというメンバーを、チームで育てていくか...というところが、いまのフェーズです。

藤沢:RINが主語になったんですね。

河島:まさにそうですね。RINの一員だっていう責任と自覚を持ったメンバーをいかに増やしてチームでやっていくか、というところですね。

藤沢:RINには、春さんに憧れて集まる人が多い気がします。主語が「春さんのサポート」ではなくて、「RINで仕事をしたい」に変わっている最中だと思いますが、実際どうですか?

河島:そうですね。まさにRINが企業としてブランド力が上がっている証拠だと思います。私が主体の会社だとスケール化しにくくて。2期目から3期目くらいの時に株式会社RINを全面に出していこう、と切り替えたんです。そしたら、RINと仕事がしたい、というクライアントが増えてきました。いまの私の感覚でいうと、河島の認知度とRINの認知度が同じくらい、もしくはRINの方があがったんじゃないかな。ブランド力は花業界で確立できたんじゃないかなと思います。
次はチームで、業界を超えていくフェーズです。

藤沢:RINのチームは、どんな特徴があるんでしょうか?

河島:母体である、RIN、いわゆる正社員・業務委託メンバーがいるのとは別にアンバサダーというチームが全国に60名以上います。出張があっても全国各地にいるアンバサダーメンバーが手伝ってくれたり、それぞれの場所でフラワーワークショップをやってくれています。なのでRINは、基本的に数名のコアメンバーで動いています。RINの社員や業務委託メンバーとは別に、信頼関係のあるアンバサダーチームがいるのは、すごく心強いですね。

藤沢:新しいチームの形ですね。
強いチームをつくる中で、大切にしていることはなんでしょうか。

河島:コミュニケーションの数ですね。リアルもオンラインも、コミュニケーションをとれる機会を定期的に行っています。RINの社員や業務委託のメンバーも含めて、働きやすいと言ってくれて、いい距離感でいれるのが嬉しいですね。

藤沢:大きな時代感でいうと、正社員でいることが大事という会社の経営スタイルから、少し柔軟性を加えた業務委託やコミュニティを内包する組織の作り方に変わっているように思います。RINは割と早い段階でそういう構成でしたが、それは最初からでしたか?

河島:RINを立ち上げる前からその構成は考えていました。私の考えだけが走らないように、いわゆる”経営者の孤独”を感じないように仲間をつくるのが必要だと。あと、仲間をつくることで、世の中に対してのインパクトが大きくなる。
スタートアップはいかに仲間をつくるかが勝負だと思ったので、アンバサダー制度を作りました。アンバサダーのメンバーも、常にいるメンバーやピンポイントでいるメンバーや、参加の仕方はそれぞれ。強制力がなく、自由です。

藤沢:アンバサダーは女性が多いんですか?

河島:ほぼ女性ですね。

藤沢:だから、ライフステージに応じた柔軟なチームの作り方なんですね。

河島:そうですね。女性が多いが故に子育てだったり、ステージが変わるたびに、メンバーが協力しあって支え合っています。みんなでチームにしている感覚ですね。私自身も子育てしながら仕事をしているので、私が子供を連れて視察に行ったらみんなも連れてきやすいだろうし。すごくオープンで、仕事をやりやすいのが特徴ですね。

藤沢:春さんのオープンな感じが、みんな仕事をしやすい要素の一つかもしれないですね。

河島:ずっとオープンでいたいなと思っています。月1回のアンバサダーのMTGも参加自由だったり、子供がMTGにいてもいいし。女性の活躍の場や自立支援を増やしたいと思うし、そういう場に既になっていると思います。日本にはもっとこういう環境を増やすべきだと思っています。ここからいかにスケール化するかを今は考えていますね。一般の方たちをどうやって巻き込むかで私たちが提唱している花の文化の浸透の速度があがると思っていて。これからの時代、共感経済でいかに勝負するか、これから先100年生き残れるかがポイントになると思います。


プレイヤーから経営者へ、覚悟と自分らしさ

藤沢:会社のフェーズが変わったな、と思った瞬間はあったんですか?

河島:やっぱり、正社員を雇う時にフェーズは変わりましたね。自分のやるべき事が明確に見えてくるし、時間の使い方や、経営者としての意識・覚悟が変わりました。
自分が動くべきところはどこだろう、と考えた時に、新しい仕事を取ることだったり、事業を考えたり...RINがどういう方向性に行きたいか、という道標を作っていました。

藤沢:ひとりめの社員はいつ入社したんですか?

河島:2期目の時ですね。1期目の夏、大学生の頃にインターンに来てくれていた子で新卒として入社しました。

藤沢:新卒!すごい。周りに強力なメンバーがいる中であえて正社員を採った理由はなんだったんですか?

河島:RINが世の中から会社として見られていると1期目の時から感じていて。依頼を受けている中で、RINで働きたいという問い合わせをたくさん頂いたんです。その時に業務委託ではなく、きちんと正社員を抱えて、代表である私がその覚悟をもってRINの仕事を大きくし世の中を変えていくことが、このRINにあるんだなと感じたんです。
RINという会社に魂が宿った、それならこの意志を引き継いでくれるメンバーを増やすべきだ、社員を雇うべきなんだと。
ちょうどそのタイミングで、この会社に人生を懸けてRINの考えを世の中に、海外に広めていきたいと、まだ働いてもいないのに言ってくれて。
業務委託という形式として能力を活かすのではなく、RINが好きだと言ってくれる人を正社員で増やしたいなと思いました。

藤沢:正社員を雇った時に、何が一番変わりましたか?

河島:変えなきゃいけないなと思ったのは、いかに自分からプレイヤーの役割を剥がすか、です。プレイヤーから経営者になろう、というマインドになりましたね。フラワーサイクリストの肩書と同様に経営者になるというマインドが降ってきて。今まで全く発想としてなかったけど、避けて通れない道だった。それなら、得意でなくても自分のスタイルでどうやっていこうか、自分・RINならではのスタイルで自分のペースで確立しています。
優秀な経営者になろうとするとつらくて。笑

藤沢:みんなそう思いがちですよね。笑

河島:自分らしくあるか、が大事ですよね。みんな優秀に見えるけど、不得意なところをチームで補っているから美しく見えている。じゃあ自分だったらそれをどういう風にするかは日々にあるので、模索していますね。

藤沢:自分らしさに立ち戻れるのは、春さんの強さですよね。

河島:私の中にブレない軸がありますね。

藤沢:経営していく中で、いろんな声がくるじゃないですか。その中で自分らしさを保つために意識していることはありますか?どう選んでいるんでしょうか。

河島:すごく抽象的なんですけど...自分がその話を聞いてワクワクするかどうかですね。しっくりくるかどうか。自分の直感力は大事にしていますね。

藤沢:まさに採用や業務委託のメンバーを選ぶ時に、そういう嗅覚は大事ですよね。

河島:結構大事にしています。一緒に仕事したら楽しそうだなとか、こういう風に仕事したいなと感じたら手を取るし、そういう縁に恵まれやすいなと感じています。間違いなく運だけはあると思います。

藤沢:素敵な経営者は、皆さん自分には運があるって言いますよね。いろんな人の力があって自分があるという謙虚さも春さんらしい。

河島:自分が自分が、ではなくて、チームでどうやって遠くに行くかを大切にしたいなと。早く行くなら自分ひとりが早いと思うんですけど、遠くに行くならいかに手を取り合える人が増えるかが重要だと思っています。
ビジョンや理念を共感できる人なら能力は関係ないですね。

藤沢:拓を見ていても、RINらしい拓の一面が出てくるからおもしろいです。ただの業務委託ではなく、RINのカルチャー(会社の文化)を食べながら伴走していて。URAKATAも、淡々と仕事をこなすのではなく、一緒に相手のカルチャーを食べて理解して進めたいタイプなんです。RINとはそういった意味で相性が良いです。

〈URAKATA 常世田 拓のプロフィールはこちら〉

株式会社RINとして、次のフェーズへ


河島:URAKATAがいると会社の左脳レベルが上がるんですよね。RINにはクリエイターが多いのもあって、右脳派が多いのもあるんですけど。
組織の安定感が増しました。土台がしっかりしてロジカルな説明があることで、働くメンバーが不安に思わなくなったと思います。
経営者としては、安心して任せられることが大きいです。足かせがとれて、仕事とってきたから、よろしく!ってできますね。経営者としての仕事に集中できています。

藤沢:嬉しいですね。RINは目指している方向性がクリアで、やりたいことがめっちゃある。

河島:そう!やりたいプロジェクトが本当にたくさんあります。日本でやれることがありすぎる。ずっと前のめりです。URAKATAメンバーは、前のめりに一緒になってくれるから心強い。

藤沢:たしかに、URAKATAはブレーキというよりアクセルの強弱を調整していると思います。左脳、というワードが出ましたが元々左脳要素が欲しかったんでしょうか?

河島:当時は意識していなかったけど、本能的に左脳を補ってもらおうと思って依頼していたのかもしれません。経営者がやらなくていいことを安心してお願いできるし、経営者の気持ちを理解してもらえる。ビジネスレベルがある程度成熟されている方で、ロジカルな思考の方と一緒に伴走したかったんです。企業も個人事業主でも、整えるのは早い方がいいと思います。

藤沢:仲間に仕事を託すときに大事にしているポリシーはあるんですか?

河島:クリエイティブの仕事なのもあると思いますが、自分の許容範囲を広げることですね。こだわりを貫きすぎると再現性がないから、託せなくなる。スケール化を目指すなら、アーティスト気質をもちつつビジネス脳を持つことが大切だなと思いますね。あとは、頼ってもいいんだというマインドを持つこと。
そうしていく中で、RINだからできるプロダクトやサービスを作って、自分で生きていく力を付けたいですね。

藤沢:またフェーズがだいぶ変わりますね。次のフェーズに行くための壁は感じているんですか?

河島:壁というより、私のチャレンジになるんですけど、クライアントワークだけではなく自社サービスでしっかりと生きていけるような会社にするために脳の解像度を上げています。RINのビジョンは、花の文化を広げること。このビジョンに対して、業界としてはまだ踏み切れないところもあるけど、世の中はRINのビジョンに対して共感しはじめているんです。業界と世の中を繋いでいくこと、強いて言うならこれが壁になるんですかね。事業チャンスでもあるなと思っています。

私は、日本人の幸福度を上げるために、多角的に花を使っています。日本人らしい謙虚さや侘び寂びを大切にしながら、お花がある瞬間や家族と食卓を囲むことが幸せだと言える小さな幸せに感謝できるマインドに変えていきたいなと思っています。これがゴールですね。

藤沢:壁じゃなくて、踏むべき階段というのが経営者としてもありますよね。

河島:そうですね、ポジティブなんですよね。でも、URAKATAがいなかったら今のRINはないと思っています。これからも一緒に、毎日お祭り騒ぎしてください!

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