『魔法使いの嫁』はいいぞって話

軽くあらすじ。
『羽鳥チセ』という、日本人ながらいわれのある赤髪の少女が、身寄りを無くしてある『市場』に売られたところから始まるお話。それを買ったのがとある魔法使いで……、という感じです。ストーリーはこれくらいにして、設定とかの良さを語ってみようかなと思います。

舞台はイングランドの田舎。その片隅で暮らす魔法使いとの暮らしを描いた、位置づけとしては現代ファンタジーに近いでしょう。ハリー・ポッターのように、現代の中に、ひっそりと魔法が存在する感覚でしょうか。こうなると、現代の暮らしとの融合って難しいように思うのですが、舞台が外国の田舎、ということであまり違和感なく入れると思います。

ただ、ちょっと苦手な人もいるかなーと思うのが、人外&少女系の要素を含んでいるところでしょうか。ファンタジーと割り切れば、いけなくはない、と個人的には思いますが。

さて閑話休題。
魔法だけでなく、妖精や使い魔といった、魔法ファンタジーによくある生き物も出てきます。一方で、ゲームシナリオ論で語られるような「マナ」などといった細かい要素にはあまり触れられません(3巻で少し出るくらいです)。あくまでファンタジーとして理解できるよう、設定も組まれています。

また、魔法に関わる人物も、様々な種類にわたります。主題である『魔法使い』のほか、魔法機構の技師(要するに魔法にかかわるエンジニア・工芸家)、魔術師(※)など。(※魔法使いとは区別される、学術的な側面をもつ、魔法使い、でしょうか。6巻分を振り返りきるのは大変だったので、一旦これでご勘弁ください。)
職業としてそういった分類がされていることも、現代とファンタジーを上手く融合させている要素なのかなと思います。

著者のヤマザキコレ先生は、この設定の深さ、というかファンタジー(とそれに関わる、キリスト教系のことがら)についての造詣が深く、別の連載作品『フラウ・ファウスト』でもそれが発揮されていますので、併せて読んでみると面白いと思います。(こちらはダークファンタジーなので、少し抵抗のある方もいらっしゃるかも?)

まあこう色々と設定周りについて色々書いてみましたが、実際のところ、そこまで深く考えなくても、魔法ファンタジーが好きであれば抵抗なく読めると思います。ただ、ハリー・ポッターシリーズとは違って、魔法学校での学園生活とかいう感じではなく、『魔法使いの生活』みたいな感覚で読むくらいがちょうど良いでしょうか。

最後に、各作品へのAmazonリンクを掲載しておきますね。
魔法使いの嫁 1巻

フラウ・ファウスト 1巻

最近音楽アカの方でハリポタパロを見かけては楽しんでいるうらひとでした。

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