「世論調査」の話 (2)

電話をかけた調査はいくつかありますが、某放送局がやっている「政権についての支持率調査」でした。

まぁこれの段階でもかなりの波乱が予想されますが、集められる段階においては仕事の内容は完全には出てきません。なんだったら内容は門外不出扱いに近いものです。

週末のバイトだし~って感じの気軽さもありましたが
実際はノルマ数があり(まぁ調査としては当然ですね)
かけた数と回答された数を公表することになるのですが、それも若干微妙な感じさえしてきます。


たいていは切られますので、回答いただける率がとんでもなく低いのです。


設問以外の回答は受け付けない方式でした。自由意見を要約するようなものも経験はしましたがそちらはもっと泥沼で「違う!」って怒られるだけ。
とは言え設問以外もたいてい皆さん「答えてくれる人」はお答えになられます。


だって、不満言いたいんだもん。


コールセンター勤務経験のある方はお察しがつくと思いますが、相手からかけて来る場合でも一定数「話し相手が欲しい層」はいます
結構これが問題になってナビダイヤルでコールセンターって結構増えましたね。あれはあれでいいと思う。適正化と言う意味では。

ただ今回のような「こちらから電話をする」と言った場合には
電話の先の人が「やさしい悪魔」なのか「悪魔のような天使」なのかはまったくわかりません。ロシアンルーレットです。


〇〇社の世論調査を行っております。回答にご協力をお願いしてもよろしいでしょうか?

この言葉で始まります。ゴングは鳴った。

いいですよ、と言う言葉を言ってくれる人はたいていが高齢者が多い。
まぁ、自分に置き換えた時に若かったとしてかかってきて真面目に答えるかどうかが前提に出てくる。

そして協力いただけるとなったら自動音声になりますのでボタンで選択していただきたいのです…と始まります。

全スキップ(わからない)とする方もおられますが、たいていは答えてくれると言う方なので従順にお答えいただけます。中には一定数のモンスターがいます。あの政治家は嫌いだ、ならまだいいのですがお前のところに文句があるんだとなると、派遣で行っている私たちのような人間としては何も言えないしただただ「マシンガンのような声の音量と速さで罵倒される」と言う絶対時給に対して不釣り合いだ!って思うのが続きます。

だいたい5~6問程度のことが多いのですが
依頼先によって数は変わるので最大で10問くらいのことがありました。

一昔前は「読み上げて答えてもらう」だったので台本を暗記できるくらいにだんだんとなっていきます。トラウマも一緒についてくる。

カネをくれと言うのはやはりNGだと察してる方が多いようで
何かお礼はないのか?と言う人はすごく多くて、寸志がないなら答えを取り消せなんてのも日常茶飯事。

かける側からしてあの調査って何の意味があるんだろう?でしかない。


そしてもっと言えば「世論調査ほど無責任な調査もない」と感じた時でもある。だって適当に答えたところで対面ではないのでどうとでもできる。
人間性だけじゃない日本人の「匿名性大好き」と言うものが炸裂するのがあります。

今でもネットの顔と現実の顔が違うと言う人は多い方ですが、それは昔も同じ。ただ表に出るか出ないかだけなので、この手の調査って正直信用していないんですよね。

気分・お気持ちで何を言ったとしてもそれが世論となる、それはいかがなものなのかな?と。


ただただ電話をする側は地獄でしかなかったです。
せーの、って感じでかけはじめて水分補給とトイレ以外は会議室の中に押し込まれて黙々と、それでいて罵倒をされると言う拷問。

たいていやってるのは「派遣」だったりするので何を言っても聞き流されて終わりです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?