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#術後無気肺のリスク


長期目標と短期目標:

  • 喀痰の管理と排出。

  • 呼吸の際のエア入りに左右差がない状態を維持。

  • 安静時の酸素濃度を95%以上に保つ。

  • 酸素投与なしで正常な酸素濃度と血液ガスデータを維持。

  • 呼吸状態が悪化しないように管理。

  • 離床が可能となる状態を目指す。

OP(観察点):

  • 低酸素状態の早期発見:意識レベル、顔色、チアノーゼの有無、ばち指、呼吸状態、胸郭の形態と動き、低酸素に伴う症状、聴診による呼吸音。

  • 呼吸状態改善の余地:発症状況、体位による変化、呼吸困難の持続時間と程度。

  • 低酸素による合併症:循環動態の変動、心電図、水分出納バランス、精神面への影響。

  • 低酸素状態の原因特定:喀痰状況、創部疼痛、WBC/CRP/体温、RBC/Hb/Ht、呼吸器検査結果。

TP(治療計画):

  • 低酸素状態の根本的な治療:ネブライザー、鎮痛薬、離床促進。

  • 低酸素状態の改善と予防:酸素療法、加湿、体位の工夫、トリフロー、スーフル。

  • 日常生活の快適性向上:ADLのサポート、呼吸苦対策、衣類選択。

  • 低酸素による合併症予防:運動療法、循環動態への配慮、精神面のケア。

EP(教育プラン):

  • 治療の必要性の説明、指導:自己喀痰の方法、離床の重要性、疼痛コントロール。

  • 患者と家族への情報提供とサポート要請。

これらの要点は、患者の低酸素状態の早期発見、管理、治療、および日常生活への影響を最小限に抑えるために重要です。また、患者と家族への教育とサポートも重視されています。




長期目標:
短期目標:
喀痰ができている。
呼吸の際のエア入りに左右差がない
酸素濃度が安静時95%キープできる(これは医師の指示の値に従う)
酸素投与なく酸素濃度と血液ガスデータが正常値となる
呼吸状態が悪化することなく過ごすことができる
離床ができる

OP)
◉低酸素状態となっているかどうかをいち早く突き止めるために→まずは視診でわかること

<酸素が足りているどうか>→低・意識状態、顔色
・意識レベル
明らかに意識レベルが低下していたり顔色が悪かったら低酸素状態の可能性が高い。危険な場合はすぐに看護師に報告し、対応する。

・チアノーゼの有無→顔色や唇、指先や爪の色(慢性的にずっとチアノーゼがある患者は、身体の深部は酸素が足りているため呼吸苦を感じない、もしくは低酸素の状態に体がその状態に慣れてしまし、これらが生じていても呼吸苦を感じないことが考えられる。)
全身の組織に酸素を運ぶという赤血球の働きは主にヘモグロビンによって行われる。ヘモグロビンが肺で酸素に触れると、これと結合して酸化ヘモグロビンになる(赤色)。 赤血球が血液に乗って酸素の少ない組織に行くと、ヘモグロビンから酸素が放出されるが、 この酸素を放出したヘモグロビンのことを還元型ヘモグロビン(青色)という。
顔色や唇、指先や爪の色はそこを流れる血液の色を反映しており、酸素を含む血液が十分流れているときは赤色をしている。しかし、何らかの原因で酸素が不足すると、酸素を含まない還元ヘモグロビンの割合が多くなる。ため、これらが青色に変色する。これがチアノーゼである。(実はきちんと酸素は運ばれているが、血液が指先まできちんと流れることができずていないことで起こるチアノーゼもある。そのチアノーゼが急に起きたものか、いつもある慢性的なものなのかで緊急性も異なる)

・ばち指(太鼓ばち状の指)→慢性的に低酸素状態となっている患者の所見
手や足の指のつま先が幅広くなって爪の付け根(爪床)の部分の角度がなくなった状態をいう。
慢性的に低酸素状態が持続すると、血管の拡張、新たな血管の形成、組織の肥大化が起こる。爪床の下にある組織は柔らかいため、これらの現象の影響を受けやすく、爪が隆起して起こる。

・呼吸状態の観察
呼吸数、リズム(呼気と吸気の長さの比率)、深さ、呼吸音、喘鳴、努力性呼吸、咳嗽、呼吸の型
呼吸困難の病態は、呼吸器疾患だけでなく、その他の原因疾患、加齢による影響、環境要因など、多様である。
そのため、自覚症状と客観的症状を観察し、アセスメントすることが重要である。


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