見出し画像

【外房】森を再生するスギの利活用プロジェクト

千葉県にあるいすみ市商工会では,新規事業創造委員会を新設し,地域内外の事業者たちや学生,主婦などが気軽に新規事業についてアイデアを公開したり,仲間探しができる『場』をつくってきました↓

実際にいくつかの新規事業が動き出しています.その一つは,長年,放置されてきた地域のスギ材を利活用するプロジェクト.スギが放置されたままになると伸びまくった枝が森の上部を蓋するように日の光を塞ぎ,下部は真っ暗となっていきます.そうなると光合成などに支障をきたし,養分がいきわたらなくなり,根腐れしていく等,森全体が弱っていきます.

先の台風被害の際には,弱ったスギ材が強風によって次々に倒れ,その際,様々な場所で電線を引きちぎり,いすみ市近隣は大停電被害が長期化しました.復旧に時間がかかってしまった理由は,倒木によって工事現場へと東京電力の車両がアクセスできなかったことが原因です.

森が弱っていくと,その養分が川によって海へと注がれなくなるため,海(漁場)もやせていきます.

ここ,いすみ市をはじめとする外房エリアには,脈々と続いてきたエコシステムがあります.それを稼働させているのが『夷隅(いすみ)川』です.
太平洋側(勝浦市上植野)に水源があり,複雑に蛇行しながら山側(大多喜方面)へ向かって北流した後,東(太平洋側)に折れて,いすみ市岬町和泉で太平洋へと注ぐ『夷隅川』。全流域面積の約60%は山地です↓

画像2

↑画像は,気まぐれ川ある記さまのHPより

この川の流域は古くから水田が多く,『夷隅川』を利用した農耕が盛んであった。いすみ米は皇室にも謙譲されていました.また,大地の養分が太平洋へと注がれ,そこに「器械根」という全国屈指の漁場も生まれ,潜水服による新しい漁法が発見された際は,この地域はゴールドラッシュのように人口が急増し,多いに地域経済を活性化させました.

森は海の恋人といわれます.

そんな森を再生すべく,放置されてきた地域のスギ材の利活用プロジェクトが始まり,毎日新聞が記事として取り上げてくれました↓

画像1

↑の記事にあるように,地域内の事業者たちが互いの事業内容や事業資源を公開・共有し合い,それらを新結合させることで外房イノベーションを生み出していく挑戦が始まっています.

リーダーの大丸木工所の大谷さんがすべてのリスクを背負い,ようやく一つの形になりました.

GAFAをはじめ,今,成長している企業なり,事業のすべてが「社会課題解決型」です.そのヒントは里山・里海のある地方に眠っているように感じています.地域外の皆さんにも加わって頂き,「社会課題解決型」の新規事業をみんなで発掘していきたい.そして,その姿を地域の子ども達へ示していきたい.

この社会は僕たちの社会であって,それをデザインしていくのは,政治家でも,国でもなく,我々,市民なのだから.

市民が自分たちが暮らす地域をデザインする『いすみの森再生プロジェクト~放置スギ材の利活用~』を一人でも多くの方に知って頂けたら幸いです.




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?