赤ちゃんが歯磨きを嫌がる時はどうする?その理由と対処法を子育てママが徹底解説!


 赤ちゃんに乳歯が生えてきたころ。しっかりと歯磨きをしてあげたいのに、泣いたり、暴れたりと、嫌がる赤ちゃんに悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。じつは、多くのママ・パパたちが赤ちゃんの歯磨き嫌いに困っています。本記事では、赤ちゃんが歯磨きを嫌がる理由とその対処法、月齢別の歯磨きのポイントについてご紹介します。すでに赤ちゃんの歯磨き嫌いに困っている方や、これから赤ちゃんの歯磨きを始めるという方は、ぜひご参考にしてください。赤ちゃんのころから歯みがきを習慣づけて、丈夫な歯を作ってあげましょう。

赤ちゃんが歯磨きを嫌がる理由


 赤ちゃんが歯磨きを嫌がる理由は、どこかに違和感があるからです。口の中を触れられ慣れていない、体勢が安心できない、歯ブラシが強く当たって痛い、歯磨き粉がブクブク泡立って嫌だ、などです。心当たりはないでしょうか。

はじめての体験は誰でも不安

 赤ちゃんの唇やお口は、手や足よりも敏感だと言われています。赤ちゃんが何でも口に入れてしまうのも、敏感な口を使って確かめようとしているからです。お口に触れられ慣れていない赤ちゃんの場合、歯磨きの時間だけ、いきなり口の周りを触られたり、口の中にものを入れられたりすると、びっくりして嫌がってしまいます。
 また、歯磨きをするときの顎を固定されるような体勢に慣れていないと、不安になってしまいます。
 はじめは、口の周りや頬、顎を触ってスキンシップを取り、楽しく遊びながら口を触ることに慣れていきましょう。歯みがきへの抵抗感を徐々に減らしてあげることが大切です。

仕上げ磨き、じつは痛いのかも

 赤ちゃんが歯磨きを嫌がる理由のひとつが、仕上げ磨きが痛いから。磨く力が強すぎる場合や、歯ブラシの動かし方が大きい場合、歯ぐきに当たって痛いことがあります。上の前歯の歯茎の上部にある、上唇と歯茎をつなぐ筋を「上唇小帯(じょうしんしょうたい)」と言います。この上唇小帯という上唇の裏にある粘膜のヒダに歯ブラシが当たると、痛みを感じることがあり、これによって赤ちゃんは歯磨きを嫌がります。また、上唇小帯が上の前歯近くまで接近している赤ちゃんもいます。上の前歯を磨くときは、特に注意しましょう。

赤ちゃんの歯磨き嫌いを克服するための対策


  赤ちゃんが歯磨き嫌いにならないように、まずはその原因を理解しましょう。原因を理解したら、次の4つの対策を実践してみてください。もし、歯磨き嫌いになってしまったとしても、早く対策をすることで、赤ちゃんに楽しい歯磨き習慣を身につけてあげられるはずです。

歯磨きを習慣化する

 できるだけ毎食後に歯磨きをすることで、「食べたら必ず歯磨きをする」という意識づけをし、習慣化していきましょう。大人が歯磨きをすると、赤ちゃんも一緒に歯磨きをしてくれるので、まずは見本を見せることが大切です。

楽しい雰囲気で歯磨きをしよう

 歯磨きを親子のスキンシップの時間として、楽しい雰囲気で過ごしてください。シリコン製の赤ちゃん用歯ブラシを持たせる、歯磨きの歌を一緒に歌う、歯磨きの絵本を読み聞かせる、手鏡を使って赤ちゃんに自分のお口の中を見せるなど、歯磨きを楽しい時間に工夫することによって、歯磨きの習慣化につながります。
 赤ちゃんが嫌がってうまく磨けないからといって、イライラしてはいけません。まずは、1日3回楽しく磨くことを目標にしましょう。しっかり磨くのは寝る前の1回だけ、1本の歯を3回ずつ磨ければ十分です。

嫌がらない歯ブラシを選ぶ

 歯ブラシ選びのポイントは次の4つです。
  1. 柔らかい毛
  2. 毛先は細く滑らか
  3. 毛の面はフラット
  4. 柄は握りやすい

 毛はできるだけ柔らかく、毛先が細く滑らかな歯ブラシを選びましょう。毛の面はフラットで、小さなヘッドの歯ブラシのほうが磨きやすいです。また、柄が握りやすい歯ブラシのほうが余計な力がかかりません。奥歯が生えてくるころには、植毛ブラシのものがよりきれいに歯を磨けます。歯ブラシの毛が倒れると汚れが落ちにくくなるので、歯ブラシは定期的に交換しましょう。
 また、歯磨き粉を使用する場合は、ジェルタイプで、泡立ちが少なく、誤飲しても問題ない赤ちゃん用の歯磨き粉を使ってください。赤ちゃんが歯磨きに慣れるまでは、歯磨き粉なしでも構いません。
 自分磨き用の歯ブラシを赤ちゃんに与える場合は、ブラシの先端だけ柔らかい素材になっているものがおすすめです。

正しい歯磨きの仕方をマスターする

 膝の間に赤ちゃんの頭を置いて、仰向けに寝かせた方が歯は磨きやすいですが、歯磨きの時だけ違う姿勢になると、赤ちゃんも不安になってしまいます。いつもおっぱいをあげる時のような抱き方のほうが赤ちゃんは安心できるので、磨き始めのころは、安心できる慣れた姿勢ではじめましょう。

 赤ちゃんが口を開けてくれないときは、両手で赤ちゃんの両頬を包み込んで、なでてあげます。すると、赤ちゃんは喜んで口を開けてくれるはずです。赤ちゃんが口を開けてくれたら、親指で下の歯を押さえ、人差し指で上の歯を押さえます。指を噛まれそうなときは、お子さんの下唇を口の中に巻き込んでしまうと安全です。

 歯ブラシはペンのように持つことで、余計な力をかけずに、毛先を細かく動かせます。ペンのように持ったときに、持ちやすい歯ブラシを選んでください。

 しっかりと磨きたいあまりに力を入れすぎると、歯ぐきに当たって痛みを感じさせてしまうので、赤ちゃんは歯磨きを嫌がります。実際、歯を磨く時はそれほど強く力を入れる必要はありません。毛先がちゃんと当たっていれば、しっかりと磨けているのです。力を加えるときの目安は、キッチンスケールに歯ブラシを当ててみて、100~150グラムくらいの重さを示すくらいあれば十分です。一度、試してみてください。歯の面に直角に毛先を当てて、小さな横磨きをすれば、毛先の弾力が生かされて、力を入れなくてもきちんと磨けます。シャカシャカと軽やかな音がするくらいの力で1本ずつ磨いてあげましょう。

 上の前歯を磨くときは、歯ブラシを持った手の小指と薬指を頬に沿って固定しましょう。下の前歯を磨くときは、同じく小指と薬指を顎に沿って固定します。これによって、安定した状態で丁寧に歯を磨けます。

 残り3本の指先を使って歯ブラシを動かしましょう。ペンを持つように握ることで、指先の動きだけで磨けます。上の前歯を磨くときは、上唇の裏にある粘膜のヒダ(上唇小帯)を反対側の人差指で軽く押さえます。こうすることで、その部分に歯ブラシが当たらないようにできます。次に、歯ブラシの毛先を細かく震わせ、やさしく磨いてください。

 上下の奥歯を磨くときは、歯ブラシを持っていない人差指を使って、口の端を少し広げます。上の奥歯を磨くときは、歯ブラシを持つ手の小指と薬指を頬に固定します。下の奥歯を磨くときは顎に固定し、ペンを持つように握った3本指で磨きます。

 歯磨きをしている間は、鼻呼吸をしなくてはいけませんが、まだ上手にできない赤ちゃんもいます。さらに、唾液が口の中にたまって息苦しさを感じ、嫌がってしまうこともあるでしょう。嫌がったら、一度休憩を挟み、口を閉じさせてあげるとよいでしょう。また、時間をかけすぎても赤ちゃんは嫌がってしまいます。1本の歯を3回ずつ、5秒も磨ければ十分です。

歯磨きをしたあとはかならず褒めよう

 赤ちゃんが歯磨きを嫌がるときは、歯磨きの様子を見せてあげるのが効果的です。歯磨きの絵本や動画を見せたり、ごっこ遊びをしたりして、歯磨きは楽しいことだと感じてもらいましょう。

 歯磨きが終わったら、赤ちゃんを褒めることも非常に大切です。たとえうまくできなくても、少しでもできたら大げさなぐらいに褒めてあげましょう。褒められることは赤ちゃんにとって、とてもうれしいことです。気分が盛り上がり、歯磨きをさせてもらいやすくなります。うまくできたときは、ごほうびシールを貼るなど、歯磨きは楽しいと感じてもらえる工夫をしてみてもよいでしょう。

赤ちゃんの月齢別歯磨きポイント


 歯磨きを楽しい雰囲気ですることが何より重要ですが、月齢に応じたポイントを押さえることで、歯磨きをより習慣付けやすくなります。

歯の生える前

 歯が生える前は、もちろん歯磨きの必要はありませんが、授乳の後に湯冷ましを飲ませると、口内を清潔に保つことができます。
 歯が生える前の仕上げ磨きは、歯ぐきマッサージ用のブラシで歯ぐきを軽くマッサージしてあげるとよいでしょう。
 このころから歯磨きの準備として、お口や頬をキュッとつまんだり、顎を触ったりといったスキンシップで、お口の周りを触ることに慣れさせましょう。
 
 また、月齢に合わせた自分磨き専用歯ブラシを握らせてみてください。4~5ヶ月の赤ちゃんはなんでも口に入れたがるので、自然にカミカミして、自分磨きを楽しんでくれることもあります。最初は、ブラシ部分をお口に持っていくように、注意して見てあげてください。
  
 はじめは楽しくスキンシップをとりながら、お口周りやお口の中に触れる練習からスタートしましょう。指ブラシなどで口の中をやさしく刺激してあげたり、自分磨き専用歯ブラシを握らせてみたりと、歯みがきへの抵抗感を徐々に減らしてあげる大事な時期です。

歯磨きの準備時期(生後6ヶ月から8ヶ月)

 下の前歯が2本生え始める、生後6ヶ月くらいが歯磨きの開始時期です。きれいに磨かなくてはと焦らず、歯の生える前と同様に、まずはお口の中を触れる習慣をつけるところから始めましょう。離乳食後に湯冷ましを飲ませる、1日1回ガーゼで口の中を拭うことも効果的です。

歯磨き開始時期(生後8ヶ月から1歳)

 上下の前歯が生えそろうこの時期では、しっかりと仕上げ磨きをしてあげることが必要です。特に、上の前歯は虫歯になりやすいので、気を付けましょう。しかし、赤ちゃんが歯磨き嫌いにならないことが重要です。赤ちゃんがご機嫌なときに、1日に1回ずつで構わないので、歯磨きに慣れさせてあげてください。

 まずは、歯茎や頬と歯茎の間、上唇をめくった筋部分などに離乳食のカスやミルクなどが残っていたら、濡らしたガーゼで軽く拭いて、清潔にします。

 前歯が生えるころは、赤ちゃんに乳歯ブラシを持たせ、にぎる場所・くわえる場所を覚えさせましょう。月齢が上がり、歯が生えてきたら、自分磨き用の歯ブラシを与えます。歯磨きするふりをしただけでも褒めてあげて、歯磨きは楽しいと思わせることが大切です。赤ちゃんは大人のマネをするのが大好きなので、親が自分の歯を磨く様子を赤ちゃんに見せるのもよいでしょう。

 自分磨きが終わったら、仕上げ用歯ブラシに赤ちゃん用の歯磨き粉を少量つけ、磨きます。前歯だけのうちは歯1本につき1~2秒程度で構いませんので、何か食べたら磨くことを習慣づけましょう。

 歯磨きの開始月齢が早ければ早いほど、赤ちゃんの拒否反応も少なく、歯磨き習慣が身につく可能性は高まります。歯磨きを楽しい習慣にしてください。

離乳食の時期 (1歳から1歳2ヶ月)

 離乳食を食べ始める時期に入ると、乳歯の間に食べかすが残りやすくなるので、歯磨きを本格的に開始しましょう。しかし、あまり神経質にならず、決まった時間に食べたら、楽しく歯磨きをすることを習慣づけ、1日1回寝る前だけはしっかりと磨くようにしてください。

奥歯が生え始める時期 (1歳2ヶ月以降)

 奥歯は食べかすが残りやすいので、1日3回・食後の歯磨きを習慣づける時期になります。奥歯も生えてきたら、歯1本につき5~10秒程度磨いてください。歯磨きを嫌がるようであれば、1日2回は楽しく、寝る前の1回だけはしっかりと磨きます。大人も一緒に磨きながら、赤ちゃんに歯磨きは楽しいということを意識づけることが何より重要です。

歯磨き習慣で、虫歯になりにくい丈夫な歯を作ろう


 赤ちゃんの乳歯の虫歯は、次に生えてくる永久歯の健康や将来の歯並びにも影響を与えます。また、お口のいろいろな働きが完成する3歳ごろまでに、虫歯になりにくい生活習慣が身についている子どもは、その後も虫歯になりにくいとも言われています。

 赤ちゃんが嫌がるまま歯磨きを続けるのは、赤ちゃんにも大人にもストレスになってしまいます。まずは赤ちゃんが歯磨きを嫌がる理由を理解し、受け入れてあげる事が大切です。その上で適切な対策を行いましょう。さらに、赤ちゃんには楽しい歯磨き習慣を身につけ、大人になっても虫歯になりにくい丈夫な歯を手に入れて欲しいですね。

≪参考URL≫
https://haisha-yoyaku.jp/docs/hamigakids/column/column014.html#h-num01-02
https://www.richell.co.jp/babychell/toothbrushing-habit/
https://haru-dental.com/official-blog/oralknowledge/1-year-old-baby-hate-brushing-teeth
https://eversense.co.jp/article/18820
https://st.benesse.ne.jp/ikuji/content/?id=117497
https://www.club-sunstar.jp/article/column/baby/2397/


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