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トピック10|2050年の働き方の変化を踏まえた大都市と地方との関係はどうなる?

伊東 博史
パシフィックコンサルタンツ株式会社 社会イノベーション事業本部 総合プロジェクト部

平成31年4月より働き方改革関連法が施行され、多くの企業等において多様な働き方の実現に向けた取組が進められてきましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、働き方を取り巻く環境は一気に変化しました。そのような働き方の変化に伴い、大都市と地方との関係性も、今後、大きく変化していくことが想定されます。2050年の大都市と地方との関係はどのような関係になるのでしょうか?

働き方改革関連法の成立・施行

わが国では、働く方の置かれた個々の事情に応じた多様な働き方を選択できる社会の実現に向け、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(働き方改革関連法)」が成立、平成31年4月1日より順次施行されています。

多様な働き方とは何か?

「多様な働き方」とは具体的にどのようなことを指すのでしょう?平成30年度年次経済財政報告(内閣府)を踏まえると、「多様な働き方」とは概ね以下のように整理されます。

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働き方に関わる様々な取組

「多様な働き方」の実現に向け、これまでも多くの企業等において「働き方」に関わる様々な取組が試行錯誤のもと進められてきました。

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リモートワーク推進等による地方への移住・定着の推進

一方、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴い、わが国では感染拡大を防ぐ観点から多くの人々が外出を自粛するとともに、テレワークが一気に普及し、多くの人が経験しました。

そのような中、令和2年7月に公表された「まち・ひと・しごと創生基本方針2020」では、リモートワーク推進等による地方への移住・定着の推進が明記されています。

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将来を考えるためのヒント① テレワークの利用希望

令和2年6月に実施された「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」(内閣府)によると、今後のテレワークについて、就業者全体で約4割が利用を希望しています。

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将来を考えるためのヒント② 地方移住への関心

また、新型コロナウイルス感染症をきっかけに、地方移住への関心が高まっています。

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将来を考えるためのヒント③ 新型コロナウイルス感染症を踏まえた企業等における取組

富士通株式会社では、テレワーク勤務を基本とし、サテライトオフィスの拡張、オフィス規模の最適化(現状の50%程度)等に取り組まれています。

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カルビー株式会社では、新しい働き方の3つの柱として、モバイルワークの標準化とフルフレックス導入、単身赴任の解除、通勤定期券代の支給停止とモバイルワーク手当の支給に取り組まれています。

(出典:カルビー株式会社、2020.6.25 ニュース)

今後に向けて

筆者が勤める会社においても、新型コロナウイルス感染症 緊急事態宣言の解除後の対応として、新しいワークスタイル(常時30%~50%のテレワークの実施、サテライトオフィスの導入など、柔軟で多様性に富んだ生産性の高い働き方を目指すもの)が検討されています。

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って急速に普及したテレワーク等により、働き方も大きく変化し、地方移住への関心も高まっています。

地方においては、これまでは働く場の存在が移住の条件の一つであったものが、テレワークの普及により、大都市の企業に所属する従業員が地方にいながら仕事ができる時代に変わりつつあります。


大都市と地方との関係については、地方出身の筆者にとっても関心の高いテーマであり、2050年の大都市と地方の明るい未来を描くべく、引き続き議論を進めていきたいと思います!

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