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にきちゃんの日比谷野音に向けて 高萩千夏 佐々木ほのか

アップアップガールズ(2)(以下、にきちゃん)の大一番、3月3日に日比谷野外大音楽堂で行われるワンマンライブ『アップアップガールズ(2) 輝く☆にきちゃん魂!〜未来へ繋ぐ日比谷野音〜』が目前まで迫ったある夜。メンバーに今の気持ちを聞いてみました。
今回は高萩千夏&佐々木ほのか編です。

──お2人の日比谷野音ワンマンへの思いを聞かせてください。

高萩 正直、東京でアイドルをやってなかったら、日比谷野音がすごい会場だってことはわからなかったと思います。こうして自分たちが目標にしたいと思ったのも、自分がにきちゃんで活動してきたからだと思います。
アイドルが目指す大きなステージと言えば、武道館、野音、Zepp、ちょっと前だと中野サンプラザとかあると思うんです。
にきちゃんは、7年間がんばって活動してきてZeppワンマンを実現できたりしていったんですけど、そうした中で、アイドルが目指す目標のひとつ、日比谷野音に立ちたいって気持ちが増していきました。あと野音は、自分たちが尊敬する先輩のアップアップガールズ(仮)(以下、アプガ(仮))さんが大きい目標にしてた会場なんです。
アプガ(仮)姉さんたちも、2回目の野音(2020年9月26日『アップアップガールズ(仮)ENDLESS SUMMER in 日比谷野音』)のとき、簡単に立てないステージだってすごくがんばられていて、それを近くで見ていたんです。
自分が尊敬して背中を追ってた人たちが大きな目標として掲げていた野音に、遂に自分たちが立てるっていうのはすごくうれしいです。
8年目にして、自分たちが一番目標としていた先輩たちに近づけたのかな?って思えたのは、自分たちにとってはすごく大きいことだなって思います。

佐々木 もともと私が東京に出てきたのは、自分をたくさんの人に知ってほしいって理由からだったんですけど、私もにきちゃんに入ってなかったら日比谷野音って響きすら知らなかったと思いますし、興味も示さなかっただろうなって思います。
にきちゃんでアイドルをがんばる中で、日比谷野音を目標にするぞ!ってなったところから、私も野音についていろいろ調べたんですけど、ほんとにいろんな人が野音に立たれてるのを知ってびっくりしました。
日比谷野音の重みがわかったんですよ。なので、いざライブが決まったとき、いつもだったら「やったー!」って素直に喜べるんですけど、今回は違って「これはがんばらなきゃまずい」って思ったんです。
ただうれしいだけじゃなく、野音に立ったときにもし「ほーちゃんのパフォーマンス、ステージに負けてるね」って思われたらどうしよう?とかいろいろ考えました。ほんとに現実を見なきゃなって思ったんです。
なので、当時はちゃんと胸を張って「私は日比谷野音に立てるアイドルだ!」って堂々とみんなに言えるように、悔いが残らないように全力を尽くして挑みたいってすごく思います。

──お2人とも気合がみなぎってると。

高萩 ハイ! それはもちろんです。

佐々木 正直、以前に立ったZepp Tokyoのワンマン(2021年11月26日、『アップアップガールズ(2)Welcome to にきちゃんぱれーど』)がほんとに悔しかったんですよ。そのときは頭がいっぱいいっぱいで、全然思うようなパフォーマンスができなかったんです。なので、日比谷野音はみなさんに「野音のBlu-rayです! いっぱい見てください」って自信を持って言えるくらい、今の最上級の自分を見せたいと思ってます。みなさんに堂々と「ほーちゃんオタクです!」「にきちゃんオタクです!」って言ってもらえるようなステージを作り上げたいです!

──なるほど。では、日比谷野音という会場自体にはどのような印象を持っていますか。

高萩 にきちゃんもオープニングアクトで出させていただいたアプガ(仮)姉さんのライブもすごく楽しかったですし、あとお客さんとして、去年の1月にBiSさんの野音を見に行ったんです。完売の景色がすごかったですね。「自分たちがここに立ったらどんな景色になるんだろう?」って不安とか期待とかいろんな気持ちになりました。でも、とにかく夜のペンライトのきれいさはすごかったです。あと、野外で開放的なんだけど、アイドルさんとファンのみなさんがお互いのパワーをぶつけ合ってる感じがすごく見えたんです。会場がすり鉢状になってるから、同じところにエネルギーがぶつかってく感じがして、めちゃくちゃいいなと思いました。

佐々木 私、アプガ(仮)姉さんの野音のオープニングでステージに立ってるはずなんですけど、全然記憶がなくて、景色も覚えてないんです。にーな(森永新菜)が初めて作った衣装を着てたっていうのは覚えてます。ライブ…どんなでしたっけ?(笑)

高萩 マジで?(笑) 「どのみちハッピー!」やったよ。結構対バンのワンステージくらいの時間で、曲をたくさんやらせてもらえたの。

佐々木 全然覚えてない(笑)。まあ、中学生の記憶自体があまりないんです(笑)。覚えてるものたくさんで、他のものどんどん入れなきゃって感じだったので(笑)。でも私、Appare!さんの野音(2022年9月)を見に行かせてもらったんですよ。Appare!さんはソールドアウトで、真ん中の方の席に座らせていただいてたんですけど歓声とか一体感がすごかったです。私、Appare!さんにすごく詳しいわけじゃなかったんですけど、涙が出そうになるくらい感動しちゃいました。ライブを見てたら「あー、にきちゃんもここ立てたらいいな」って思いました。まあ、絶対立てるとは思ってましたけどね(笑)。でもほんとに何もかもが夢のような景色でした。ペンライトもマジできれいでした。

──にきちゃんの野音でも、きれいな景色を期待したいですね。さて、にきちゃんは2017年2月25日の結成から今年で7周年となりました。これまで発表した楽曲の中から、特に思い入れのある曲をライブの印象も込めて聞かせてください。

高萩 曲もそれぞれ思い入れがあるんですけど、ライブってことを含めて考えると、私はオープニングSEについて話したいんです。いいですか?(笑)

──変化球ですけど、どうぞ(笑)。

高萩 オープニングSEって、言ってみればグループを表すテーマ曲なんですよ。これまでのSEも思い入れがあるし、今のSEはZepp DiverCityのワンマン(2023年12月5日、『アップアップガールズ(2)さわげ!さけべ!にきちゃん☆はいじゃんぷ☆』)から使ってるんですけどすごく好きなんです。SEが流れるときって、ステージに出るときの一番最初の思いだったり、ここまでの来るまでの感情だったりが出てくる瞬間なんですよ。あの始まりの時間がすっごくドキドキするんですよね。自分がこれからステージに立つって思いもそうだし、ファンの方の歓声が最初に聞こえる瞬間じゃないですか。「遂にここに来たんだ!」って実感する瞬間なので、特に大きなライブのSEのときのことはどこの会場も覚えてますってくらい、私の中では大きいものなんです。

──確かに、見る側として気持ちが高まりますし、演者としても気持ちが引き締まる特別な瞬間なわけですね。

高萩 そうです。ライブが始まるとずっと楽しい!って感情だけど、そこだけが唯一緊張してる時間なんです。大きいワンマンで、メンバーが左右から分かれて入ってくるときあるじゃないですか。自分たちからは反対側のメンバーの顔が見えるし、こっちはこっちで緊張してるし、どのライブでもその瞬間のことは鮮明に覚えてますね。私は、ほんとにあの時間をすごく大切にしてます。余計なことを考えずに、このライブのことと、自分の今までの気持ちと向き合うからすっごくグッとくるんです。一番気持ちがたかぶってる瞬間なんですよ。ステージに立つ人だったら、みんなもそう思うんじゃないかな。

佐々木 わかります。共感する人は多いと思います。

高萩 ね。お客さんにしても、「遂に始まるぞ!」とか期待感で印象に残ってる人が多いと思いますね。

佐々木 確かに。じゃあ、私の印象深い曲は「Sun!×3」です。

私が加入(2018年4月)して、りんりん(中沖凜)が卒業(2018年12月)したあとに、この曲の歌い出しを受け継いだんです。それが、私にとっての初めての長い歌割りだったんですよ。なので、セトリに「Sun!×3」が入ってると毎度毎度歌うたびに緊張してました。今だから言えるけど、私、途中でこの曲のことが嫌いになったんです。歌えないし、煽りも上手くできなかったし、「Sun!×3」と私の関係性が気まずくなっちゃったんです(笑)。

──楽曲とギスギスした関係になったと(笑)。

佐々木 でも、今となっては、ほんとに大好きな曲になりました。歌詞の意味もメロディもめっちゃいいなって思うんです。自分がにきちゃんに入った初期の頃を思い出しますし、ライブで歌ってても「いろいろあったな、ヒ〜ン」って泣きそうになるときもあります。それくらいめちゃくちゃいい曲だし、にきちゃんにとってもデビューシングル曲という大切な曲なので、これからも大事に歌っていきたいです。でも、歌割りはソロパートじゃなくなったんですけどね。

──今はどういう歌い出しになってるんでしたっけ?

佐々木 3期メンバーが加入したタイミングで、最初の部分が島崎になって、続いて私になったんです。でもでも、素敵な歌に変わりはないからいいんです。これからもたくさん歌っていきたいし、ファンのみなさんにも今までのこととかを思い出してもらえたらいいなと思います。

──自分の感情が乗せらえる楽曲と出会えたことは幸せですね。では、日比谷野音ワンマンを終えたあと、グループとして個人として、その先にに目指すものを聞かせてください。

高萩 次は全国ツアーですね。何度も言ってるんですけど、47都道府県ツアーをやりたいんです。

佐々木 やりたい!

高萩 もちろん、めちゃくちゃ無謀なのはわかってます。ただ、これからにきちゃんをより大きくしていくには、やっぱり全国各地にファンを増やしていかなきゃダメだと思うんですよ。今までにきちゃんは、ありがたいことに大きな会場をやらせていただいてきたんですけど、改めてライブハウスでのライブを大切にしたいって気持ちがあるんです。初めて行く土地で最初は厳しい現実を見ちゃうかもしれないですけど、でも、徐々にでもライブ1本1本を確実にソールドアウトできるようになりたいし、どこに行っても大盛り上がりする空間を作っていきたいんです。「にきちゃん、めっちゃ楽しそう!」って思えるライブが常にできるグループでありたいんです。そういうのを日本中に広めていきたいって気持ちがあります。ほんとの意味での“ライブアイドル”でありたいなって思いますね。

──ライブが絶対楽しいグループを目指すと。

高萩 そうです。あと個人としては、アイドル力をもっと磨きたいと思ってます。私、今26歳なんです。歳なんて関係ないって言ってくれる人もいますけど、でもやっぱりアイドルとして、戦うのは今までの自分なんですよ。まだまだにきちゃんも自分のファンの人も増やしたいので、アイドル力は必要だなって思います。

──どういう魅力をアップさせたいとかありますか?

高萩 私、ひとりで活動するのがすごい苦手なんです。グループ活動が好きなんで、ひとりで歌うのも苦手なんです。だからこそ、ひとりでパフォーマンスできるようになるのが私の目標なんです。やっぱり自分のアイドル力を上げるとなると、個人でも活動できなきゃダメじゃないですか。でも、私はタレントがやりたいんじゃないんですよ。アイドルがやりたいんです。ひとりでも動けるアイドルになって、ちゃんと自分がソロでイベント開くときに、しっかりとお客さんを呼べるようになりたいし、熱いファンを集められるアイドルらしいアイドルを目指したいです。

佐々木 私はちなっちゃんとは真逆で、グループ活動が苦手なんですよ。もともと集団行動が苦手で、にきちゃんに入ってからも散々みんなに迷惑をかけてきたんです。でも、ほんとに最近なんですけど、グループがいいなと思い出したんです。自分ができないことを、できる人がカバーをしてくれるってすごいことじゃないですか。ほんとに、ひとりじゃないって環境がほんとにありがたいことなんだっていうのがわかってきたんです。ただ私は、おしゃべりだったり歌だったり苦手なものを「この人がやってくれるからいいや」って考えになりがちなのでそこは注意しないとなっていうのはあるんですけどね。でも、日比谷野音が終わったら「ほーちゃんすごくたくましくなったね」って言ってもらえるくらいになりたいんです。何でもかんでもやりますとは言えないんですけど、でも普通に「これやれる?」って言われたときに「できます!」って言えるくらいのスキルはつけていきたいなと思います。

高萩 おー、すごいやん。

佐々木 っていうのも、大きいライブが終わって「あれ?あのあとにきちゃんどうなったの?」って思われたくないんですよ。そうならないために、幅広く活動していかなきゃいけないじゃないですか。ってなったときに、やっぱりなんでもできるようにならなきゃいけないかなって思ってます。できないことも、率先してやっていけるようになりたいです。

──苦手克服を目指すと。今、自分が一番苦手だなと思うものは?

佐々木 いろいろありますけど、人の話を聞いた上で、その人を活かしつつっておしゃべりができないんですよね。今、にきちゃんはラジオとかやらせていただいてて、トーク力は大事だなってことをすごく感じてるんです。こういう取材だと自分が一方的にしゃべっていいけど、そうじゃないトークもあるので、その適応力がまだ身についてないので強化したいです。

──人の話をちゃんと聞いて、自分の中で理解して返すことをしたいと。佐々木さんが一番苦手っぽいところですね(笑)。

佐々木 そーなんです(笑)。そこを直したいんです。相手の方に言いっぱなしじゃなくて、「私はこう思いますけど、なになにさんはどうですか?」とか、上手い会話のキャッチボールができるようになりたいんです。

高萩 MCじゃん。いいよ、伸ばしていこう。

佐々木 あと、他にも伸ばしたいところはたくさんあって、パフォーマンス面だと歌ですね。歌は足を引っ張ったりもするので、逆に「あの子、歌上手いね」って言われるくらいになりたいです。私はクセのある歌い方になりがちで、最近それが邪魔になりすぎるところがあるのでそこを直しつつですね。やっぱりグループなので、みんなの良さを出しつつ、自分の良さも出さなきゃいけないので、そこは周りを見つつがんばりたいなって。

高萩 あなたそんなこと言えるようになったの?(しみじみ) 今までだったら言わなかったよね。

佐々木 言わなかったですね。ほんとに自分勝手人間だったので、そんな考えは頭に浮かんでもなかったです(笑)。

高萩 ついに佐々木がここまで来た(拍手)。

佐々木 だからと言って自分を見失いたくないので、自分らしさも出しつつがんばっていきたいです。みなさん、これからも佐々木ほのかとにきちゃんをよろしくお願いします!

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