親が子どもの強みを見つける三つの要素

ポジティブ心理学から見た親子の発達支援 島井哲志・久保信代

Waters は、親が子どもの強みを見つけるために役立つ、三つの要素を示しています。すなわち、①上手にできる(得意)、②楽しんで行う(熟意)、③積極的に行う(頻度)です。この三つが揃っていることが、強みには必要です。強みは、その子が、上手であり、熱心に、しかも頻繁に行うことなのです。これらの要素があることを確認すれば、見せかけだけの強みを子どもに押し付けることがなくなるのです。

Waters は、よくたずねられる質問として、「うちの」子はコンピュータケームがすごくうまくて、暇きえあればゲームをしたがります。それも強みでしょうか?」というものを紹介しています。これに対する回答は、「ゲームをした後のエネルギーのレベルを見てくだきい。疲れて不機嫌ですか。それとも元気いっぱいですか?」というものです。暇つぶしではなく、創造性を発揮するようなゲームもあり、三つの要素が揃っているなら、新しいデジタル時代を開拓するような成長する強みであるのかもしれません。

また、 Waters は、強みを社会的で道徳的に活用することが大切であり、強みをポジティブに活用するように導くことが親の役割であると述べています。強みの発揮が、うそをついたり、約束を破ったりすることではなく、誰かに手を差し伸べて支援したり、みんなを分け隔てなく大切にすることにつながるようにする必要があるのです。

教育と医学 2021年5・6月号 子どもと家族の「強み」を活かす発達支援

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