異端を追悼する異端(ハロウィン考)


世界のほとんどの人は、何らかの宗教を信仰している。「無宗教」を平気で標榜している民族は、日本人くらいしか居ないらしい。

何らかの宗教を持つのが「普通」なら、そんな、何かを信じる、普通の人達から見れば「無宗教」とは「私には、道徳も良心も有りません」と言っているように見えるだろ。

世界の人達は、日本人は、仏教徒だと,

思っているらしいが、日本の仏教は、かなり特殊だ。

たとえば、僕の家にも、仏壇ぐらい有るが、そこに有る「位牌」は亡き両親や、祖父母のもので、釈迦も、仏陀も関係ないから、

それは「仏教」というより「祖先信仰」だろう。かなり風変わりな異端の仏教だ。昨今のハロウィンの賑わいも、そんな宗教的な、節操の無さに起因している気がする。

僕は、この舶来の行事は、キリスト教に由来するものだと思っていたが、調べて見ると、「ケルト民族」特有のものらしい。つまり、キリスト教社会にとって「邪教の祭り」のようだ。この後、すぐに街はクリスマス一色に染まるのも不思議な光景だ。


 正月で年が始まり、夏のお盆までは、日本テイストで、秋→冬は、欧→米で、一年かけて世界を一周する軽率さは、実に日本的である。
この「柔軟さ」も、ある種の「島国根性」だろう。

世界の外れで始めた「鎖国」で、すっかり世界から取り残された焦りが、洋式の行事風習に過敏にしているのかも知れない。

ハロウィンは、キリスト教社会では前記の通り異端の邪教の風習なので、宗派によっては、禁じられ、疎まれているらしいです。

「神のため」なら、全ての略奪も、弾圧も、許されるとしてきた、欧米が、なぜハロウィンにだけは寛容なのか不思議な気もするが「飴と鞭」の「飴」なのだろうか?
自分たちの祖にあたるかもしれないケルトへの敬意からだろうか?
そう考えると、地理的にも、歴史的にも、宗教的にも、世界の異端で、

先祖信仰を持つ我が国で、ハロウィンが根付くのも自然なのかも知れない。

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