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スタートアップ支援拠点「TOKYO UPGRADE SQUARE」にて「UPGRADE with TOKYO 第11回 (テーマ『通信技術・デジタル機器を活用した都立文化施設のアクセシビリティ向上』)」を開催しました!

今回の第11回イベントでは、『通信技術・デジタル機器を活用した都立文化施設のアクセシビリティ向上』をテーマに、事前審査を通過した5社のスタートアップが東京都との連携に向けて提案を行いました。

【UPGRADE with TOKYO 第11回】
募集テーマ:
『通信技術・デジタル機器を活用した都立文化施設のアクセシビリティ向上』
募集概要:
高齢化や共生社会などの東京の社会課題、そしてコロナ禍における社会的孤立といった課題に対し、人々の「ウェルビーイング」※を推進する方法として、芸術文化や文化施設の今日的な意義が問い直されています。
そこで、高齢者、障害者、外国人、乳幼児等に向けた文化施設のアクセシビリティ向上や芸術文化の鑑賞・創作・発表機会の拡大、新しい魅力の創出を目的に、通信技術やデジタル機器を活用した「誰もが、いつでも、どこでも芸術文化を楽しめる環境」の実現に資する新たなサービス等を募集します。
※ウェルビーイング(Well-being):身体的な健康(ウェルネス wellness)だけでなく、精神面、社会面も含めたすべてにおいて良好な状態

優勝社に選出されたのは、株式会社GATARIによる「既存の設備に一切干渉せずに空間の文化価値を高めるデジタル世界の構築」でした。

【概要】
2016年に創業された東京大学発のスタートアップである株式会社GATARIが提案するのはデジタルとリアルが溶け合う世界を実現する世界初の空間音声オーサリングツール「Auris」。
“未来の音声ガイド“の役割を果たす非接触型の新しい音響体験、回遊する中で偶発的・受動的に情報が得られるという探索型の観光・学習提案、ユーザーの位置情報から音声内容を一人ひとり制御することによりパーソナルで没入感のある体験とするインクルーシブ性、スマートフォンに搭載されたセンサー類を活用してユーザー位置を推定することで従来のビーコン設置等の物理的施工を不要とする。といった特徴をもつMixed Reality音声ARプラットフォーム。
施設や地域への導入メリットとして、「既存の設備に一切干渉することなく空間の価値を高めること」を挙げる。
この「Auris」を用いて東京都で実現したい二つのユースケース検証として「非接触かつインタラクティブな未来の音声ガイド」「視覚障害のある方の新しい鑑賞体験、ナビゲーション」を提案した。

ピッチイベントにおいては、優勝社の他にもデジタルツールを活用した様々なサービスの提案がありましたので、4社の提案概要をご紹介致します。

「さまざまな感覚、身体の特性を持った人が共に楽しむ「共遊楽器」 」(株式会社GIF)

障害者と健常者が共に遊べる楽器の開発を目指して2008年から続く「共遊楽器」プロジェクト。
特徴は聴覚情報を目で見る情報や肌で触れ合えるような触覚的な情報に変換すること。
「みんなが楽しめる」「みんなで考える」「みんなで作る」という考え方が骨子となるこの共遊楽器プロジェクトにより、音を耳以外で感じることや身体の制限を超えた楽器を見出すことを通じて音楽が持つ楽しさを多くの人と分かち合うことを目指す。東京都との協働として東京都の施設で働くスタッフと共遊楽器の考え方そのもの共有することによって、そこから新しいプロジェクトを制作していきたいと提案した。

“VibeShare”: 触覚とエモートで体感・共有する オンライン鑑賞/演奏会の双方向化技術(Hapbeat合同会社)

コロナ禍において増大しているオンラインのコミュニケーションにおいて、身体に伝わる音圧や、衝撃感などは一切届かない。身体で感じる触覚情報は健常者にとっても重要であるが、視覚や聴覚が不自由な方にとっては不可欠なもの。
このような課題に対し「触覚とエモートでオンラインでのコミュニケーションをインクルーシブに」と、GREE VR Studioと共同開発を行う「VibeShare」による感情伝達とネックレス型触覚デバイス「Hapbeat」による豊かな触覚体験による解決を目指す。
東京都との取り組みとしては、あらゆる人が芸術文化を享受できる鑑賞/創作・発表機会の創出を目指し、「体感して楽しめるリモート美術鑑賞会」、「リズムを体感して楽しめる音楽ワークショップ」、「誰でも楽しめる芸術文化鑑賞」などを提案した。

SOUND HUG - あなたの体が耳になる。(ピクシーダストテクノロジーズ株式会社)

音楽を視覚(光)と触覚(振動)で楽しむことのできる音楽装置「SOUND HUG」という音楽を感じるためのデバイスを提案。「SOUND HUG」はボール型のデバイスで、ステージの演奏をマイクで取り込み、コンピューターで音の成分を解析することでデバイスが振動して光る。音の高低を色のグラデーションで、音の大きさを明暗と振動の強さで表現する。耳が不自由な学生の声を取り入れながら開発された。
東京都との協働としてオリンピック/パラリンピックにあわせたイベントへの導入、誰でもすぐに体験できる場へのインストール、今後の文化芸術基盤をつくるための教育現場への導入など、あらゆる人が芸術文化を享受できる社会基盤の構築に向けた取り組みを行いたいと提案した。「『LOOVIC』誰もが行き通い、苦手のない街にTokyo」(LOOVIC)

世界初の直感的感覚の優しいテクノロジーで探す、迷うをなくす。
誰もがやさしく感じるルート誘導サービスでデジタルの使いにくさの解決を目指す「LOOVIC」。
ブレスレット型のデバイスを用い、3D Hacpticsの技術により脳を錯覚させ、腕をひっぱられているような感覚で、行き先に自然に腕が導かれるという体感誘導の仕組みを実現。
空間認知課題に特化したことで低コスト化を実現し、あらゆる課題を抱えた人にも直感的にかつ安全につかっていただけるサービスを目指す。
このサービスの実現により、地図空間における認知や記憶の負担をへらすことができ、生活上の課題を解決できると提案。

ピッチ審査で審査委員から都政課題の解決に資すると認められたスタートアップは、都との事業の協働等に向けた具体的な交渉を進めるきっかけを得ることができます。
これまでに開催したイベントの様子も公式ウェブサイト(https://upgrade-with-tokyo.jp)でご覧いただけます。ぜひご視聴ください。

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