大阪市・富田林市提訴に関する記者会見(書き起こし)
2022年12月23日(大阪地方裁判所)
会見内容
1、原告代理人・徳永信一弁護士より概要説明
2、原告・永井博UPF大阪代表より冒頭説明
3、質疑応答
1、裁判の概要説明 原告代理人 徳永信一弁護士
どうもお集まりいただいてありがとうございます。たった今、訴状を提出して受理された事件ですけれども、事件名は「議会決議取り消し等請求事件」というふうに命名されています。裁判の概要について説明させていただきますけれども、裁判請求の趣旨が4つありまして、大阪市と富田林市に対する裁判を2つ合わせた形の訴状になっています。
この両方の決議について取り消すとともに、それによって権利を侵害された原告、一般社団法人UPF大阪が権利侵害によって被った損害、慰謝料として、各300万円ずつ。併せて、弁護士費用50万円ずつを合わせて700万円の請求を富田林市と大阪市に対して行うという事件であります。
今回の提訴は、富山市で私が担当して行った(世界平和統一家庭連合の)信者さんが原告になって訴えるというものではなく、決議の対象とされている関連団体、この場合、一般社団法人という形ですけれども、そこがこの決議によって権利侵害された、という内容のものになっています。
議会っていうのは、やはり、公共団体の公共施設あるいは地方公共団体が設置する議決機関ですからね。そこで特定の団体、あるいはそれに関連する団体、本件の場合は信者さんではないですけれども、その信者さんとの関係を持たないというのは、憲法に照らして問題がある、と考えて裁判することになりました。
今回、大阪市会、それから富田林市議会、両方の全議員に対して請願の依頼を文書で出させていただいています。しかしながら、これまで1人たりとも承諾してもらえないだけではなくて、それに対する応答も、返事もありません。
これは実は聞いたところ、各会派で、会派としても、それから個人としても対応しないという拘束がかけられているとのことです。民主主義っていうのはすべての国民、あるいは国民、あるいは様々な団体、法人の社会参画を通じて、議決で決まっていく、ということです。
統一教会(現・家庭連合)の問題に対する見方はいろいろでしょうけれども、あるいは今、非常に厳しい見方があるのは承知しているが、しかしながら、その民主主義のプロセスから排除するというのは、これは民主主義の根幹を揺るがす問題であって、非常に問題だと、重大な問題だというふうに認識しています。
そのような議決というものを放置するわけにはいかないということで、その取り消しを求める訴訟を、これは行政事件訴訟法3条に基づいて、構成したということになります。併せて損害賠償請求、法人の慰謝料として300万円、それから弁護士費用もつけさせていただいて、50万。350万円×2で700万円という形の損害賠償請求になっています。
2、原告による冒頭説明 一般社団法人UPF大阪代表
本日はお忙しい中、記者会見にお集まりいただいたメディアの方々に心より感謝申し上げます。私は一般社団法人UPF大阪の代表を努めております永井博と申します。このUPFというのは、ユニバーサル・ピース・フェデレーションの略称です。UPFは国連経済社会理事会の総合協議資格を有する国連NGOであり、2005年9月、文鮮明総裁、韓鶴子総裁ご夫妻によって、米国ニューヨークで創設されました。UPF-Japanは東京都に本部を置くUPFの日本支部ですが、その大阪支部がUPF大阪となります。
UPF大阪は、これまで大阪府全域において、「大阪府平和大使協議会」の名称で、大会、セミナー、奉仕活動などを活発に行ってきました。その土台の上で、今年の12月に名称を「UPF大阪」とする一般社団法人として登記するに至りました。
宗教法人である世界平和統一家庭連合とUPFは創設者が同じであり、互いに友好団体です。私は個人としては家庭連合の信仰を持っております。しかしUPF大阪の目的は布教伝道ではなく、あくまで社会活動にあります。
私は今年(2022年)9月に富田林市議会が、「旧統一教会と富田林市議会との関係を根絶する決議」を可決したことに対して、強い怒りを感じています。「根絶」という言葉は通常、病原菌に対して使われる言葉であり、それを宗教団体に対して使うというのは論外であり、人権感覚のかけらも感じられません。
また、大阪市会が11月に「旧統一教会等の反社会的団体の活動とは一線を画する決議」を可決したことに対しても、憤りを感じています。これまでに国が旧統一教会を「反社会的団体」と規定したことは一度もありません。にもかかわらず、一地方議会がこのような断定的な言い方をするばかりか、「一線を画する」という表現で、事実上の関係断絶を宣言するのは、理不尽としかいいようがありません。
もとより、UPFは刑事事件を起こしたこともなければ、民事訴訟で敗訴したこともありません。昨今のマスコミ報道でも、UPF自体の社会的問題は一切指摘されていません。
しかし、友好団体である家庭連合に関わるトラブルが問題とされ、UPFは家庭連合の「関連団体」として一括りにされて批判され、排除されようとしているのです。
私はこれまでUPFの活動を通して、数多くの大阪の議員の方々と関係を持ってきました。しかし、今やその議員の方々とは、コンタクトすることが極めて難しくなってしまいました。これは私たちが政治に参加する権利を著しく侵害していると感じます。
よって、これら2つの市の議決を取り消し、私どもが受けた被害を弁済してくれるよう、強く求めます。
以上です。ありがとうございました。
3、質疑(質問したメディア名は省略)
質問:UPFは関連団体に含まれるとの認識か?
回答(弁護士):ご承知のようにUPFという団体名は僕も知らなかったんですけれども、安倍元首相がメッセージを送ったと言われて、山上被告が関連団体にメッセージを送ったということを知って、腹が立ったというか。それで安倍さんを攻撃すれば、統一教会問題が脚光を浴びると思って(実行)した、と語っている、その時の団体。だから、統一教会の関連団体と言ったときに筆頭に来る団体だと私は考えています。
質問:UPFと信教の自由の侵害の関連は?
回答(弁護士):UPFが活動において、今、大変厳しい状況にあるのは、UPFが統一教会との関連がある団体であって、その教義や信仰と無関係ではない、密接につながっているとの認識の下で排除等がされているということは、社会的に見て間違いのないことだと私は判断しています。確かにUPF自体が、自分たちは宗教団体ではないと言っていますし、これは政治活動(社会活動)なんだと言っています。しかし差別の理由が、その宗教団体性、あるいは、その活動の宗教性や関連性を理由にされている以上、これはやはり、宗教を理由とする差別だと言わざるを得ない、と思っています。
質問:他の地方議会や弁護士の反応は?
回答(弁護士):地方議会の中には、それはやはりやりすぎだろうということで、決議自体が否決されているところも相当数あると聞いています。しかしながら(大阪、富田林で)可決されたということは、「いったい、何を考えているんだ!」というのが、正直、憲法を勉強してきた人間の感覚なので、そのこと自体は、私は大阪弁護士会の憲法委員会に所属して、いろいろみんなと議論するんですけれども、憲法委員会の多くの弁護士も「これはやりすぎだよな」という感覚、考えを持っているということは、私の方から申し上げてもいいことだと思っています。
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