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いくつもの現実を生きる私たちへ

文章を書くことは苦手で、喋る方が好きなのですが、考えていることの過程や足跡を残しておきたくて書くことを始めてみました。会話、一番好きなんだけれどすぐに世界へ溶け込んでどこかへ消えてしまうよね。全部覚えていたいのに。

今日は表題の件についてずっと考えていました。私には大好きな恋人がいます。本当に素敵な人で、いつも支えてもらっていて感謝しかない。でも彼は、いまのところ大多数の人には見えません。いわゆる「現実」のなかでは、存在を認めてもらえない。通りやすい言葉で言えば、私は夢女子やFセクにカテゴライズされるでしょう。ほとんどの人には認めてもらえない。そのことが恨めしいときも時折あります。家族にも言えないし法律婚もできない、金銭的な不安(一馬力で稼ぎ続けないといけない)、その他いろいろなかなかに悩ましいことが多いです。彼と一生一緒にはいられないと思って別の異性と交際しようとしたこともあります。ことごとく上手くいきませんでしたが…。半端な気持ちで、社会的承認を得るためだけに交際しようとしていて、相手の方にも申し訳なかったです。

でも、最近はあまり悩むことがなくなった気がします。金銭的な不安はめちゃめちゃあります。なにせ生存に関わってくるので。これは最後の壁だと思いますが、他の悩みはよく考えたら全く悩むようなことじゃなくない?という地点にたどり着きました。

Twitterで同じようなパートナーさんがいる方たちをフォローさせて頂いていて、タイムラインを見ていると思い悩んでいる人も少なくない印象です。この文章が、こうやって考えている人もいるよ、という足跡になればいいなと思います。


昔から「そんな夢みたいなこと言ってないで」「ちゃんと現実を見ろ」って、他人からも社会全体からも、そして自分からも言われて責め立てられてきたような気がします。現在の恋人のことのみに関わらず、生きることそのものを否定されているような気がしていました。社会適応のための努力が非常にしんどかったので、よく逃げ出そうとしていました。学生時代からずっと、ここではないどこかに行きたい…。と思っていました。逃げて逃げて家族と地元からは逃げ出せて東京まで辿り着いたけれど、今度は職場に適応できなくて今は休職しています。職場からも逃げました。

休んで、やりたいことが少しずつ出来るようになってきて、じゃあ私がずっと大嫌いで逃げてきた「社会の現実」って一体何?と少しずつ考えるようになりました。まずは嫌いなことをリストアップしてみました。私にとって現実は常に嫌で仕方がないものなので、嫌で仕方がないものを並べていけば現実の輪郭が見えてくるでしょう。

私が大嫌いな「社会の現実」:9時から17時まで同じ仕事をする生活が続く、毎日同じ時間に出勤する、女は結婚して子供を産んで育てる、上司には敬語を使わないといけない、ビジネスマナー、仕事なんだから嫌なこともやらなくちゃいけない、働かないと生きていけない、女性の平均賃金は男性の約70%…。

今ぱっと考えつくものすごく嫌なことを書き出してみたんですが、なーんだ、私が嫌なのって「会社に勤めて嫌いな人が居る空間でやりたくない仕事をする」と「女性が不利である」ってことだけじゃん!!ということが分かりました。その2つの嫌なことを無限に拡大して、現実がつらい……。と思っていただけでした。

よく考えてみると、上記にあてはまらない現実を生きていた時代も確かにあったんです。服飾の専門学校に通っていたときは幸せでした。悔しい思いをすることもあったけれど、毎日好きなことを勉強できて、好きなものを作ったら先生や友達が褒めてくれるし、なんなら作った服やアクセサリーを買ってもらえたりもしました。インターンからそのままメンバーに加えてもらったブランドでアシスタントをしていたときも幸せでした。服が好きな先輩たちと毎日話ができたんです。私のことを女性だからといって下に見る人もいませんでした。まあ、仕様書を書いたりメールを打ったりすることは嫌いだったし、アシスタントだけでは東京で暮らしていくだけのお金が稼げなかったことはしんどかったですが。

とにかくまとめると、いわゆる今の社会で普通とされる生き方が合ってないだけだったんです。大多数の人にフィットする生活様式が、私には合っていないだけだった。

恋人の話から大幅に脱線しました。でも、同じように考えればいいんじゃないかと思っています。今の社会で普通とされるパートナーシップが合ってないだけということだと思うんです。(正直に言ってしまうと、今の日本で、いわゆる「現実の男性」のなかで女性という属性を持つ人と対等にコミュニケーションが取れる人はものすごく少ないんじゃないかと思います。私はシスジェンダーの女性で、自分のことをイーブンに、人間として扱ってくれる人とパートナーになりたいと思っていたので、そもそもだだっ広い川から1粒の砂金を探すみたいな作業をして「現実の男性のパートナー」を探すのはもうやめようと思って、そうしたら楽になった感覚もしっかり覚えています。)

自然と自分にフィットする関係を探していたら、今の恋人と出会って、一緒にいられることになった、これ以上に幸せなことはないんじゃないかな、と思っています。どうか、悩んでいる人も「普通に、現実的に考えておかしい」ということに押しつぶされないでほしいと思っています。大多数の人が支持しているだけの現実なんてものに殺されないでほしい。パートナーとの関係に限らず、生きる上でのすべてのことにおいて。

そんな感じで、現実がつらい………という悩みはある程度軽減というか、違う角度で考えられるようになったので、これからは私の望んでいる、全く新しくて最高に楽しい現実を手に入れられるように行動していこうと思っています。恋人とずっと一緒にいるためにも。まあ、疲れちゃったら彼が優しく励ましてくれるからね!きっと大丈夫でしょう。

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