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新しい音楽への探求心について考えてみた

 先日、下記の調査結果が出された。音楽的冒険の道を歩んでいる"音楽バカ"の筆者としては、半信半疑の部分も感じながら、新しい音楽への探求心について考えてみた。

 実は、音楽の好みの「成長」は意外と早く終わり、30歳と6カ月で止まる

 <ポイント>
 1.新しい音楽への探求心の壁とは?(外部要因と内部要因)
 2.いつまでも新しい音楽への探求心を持ち続けるためには?

 今回の調査結果は、海外で展開している音楽ストリーミングサービスのひとつ、Deezerによるもので、調査対象はイギリスのユーザー1,000人。その結果、新しい音楽を発掘する努力をやめるのが平均して30歳と6カ月だったと発表(一方で、最も音楽への探求心が強いのが24歳とのこと)。2015年にも、Spotifyが同様の調査をアメリカのユーザーを対象に実施し、当時の結果は音楽の趣味は30歳で成熟し、33歳までには新しい音楽を聴かなくなると発表したところから、あながち今回のDeezerの発表もお門違いではないといえるだろう。

 Deezerの今回の調査結果によると、回答者の約6割以上が「同じタイプの音楽を繰り返し聴く」と回答し、その理由は下記にまとめられる。

新しい音楽が世の中に溢れ過ぎていて、
音楽を聴く時間が無い

 このように、私たちのライフスタイルが変わってきたこと(外部要因)によるものが、大きな要因のひとつといえる。

 また、人間としての側面(内部要因)からも考察が挙げられている。それが、私たちが好きな音楽を聴いたときに分泌される脳の物質(ドーパミンやセロトニンと呼ばれる<幸せホルモン>)が、特に思春期に多くみられるという研究結果だ。このような科学的な側面は下記にまとめられる。

音楽と結びつく思い出が強過ぎて、
新しい音楽が入る隙間が無い

 このように、外部要因と内部要因の両方が、今回の調査結果並びに研究結果などから読み取れる。

 では、いつまでも新しい音楽への探求心を持ち続けるためには、どうすればよいのだろうか。次のような提案が挙げられている。

・インターネットや音楽ストリーミングサービスを活用してみること
・好きなアーティストを遡ってみること
・楽器を演奏してみること など

 例えば、音楽ストリーミングサービスの特徴の1つに、プレイリスト文化がある。友人が作ったもの、専門の人が作ったものなど様々あり、それぞれのプレイリストには作った人の想いがあり(それは必ずしもアーティストの意図とは違うかもしれないが)、それがまたこれまでの音楽の聴き方を変えてくれたりして楽しかったりする。ただ音楽を流しているだけでも、所謂、セレンディピティが生まれやすい時代になってきた。
 他の提案は、もしかしたら時間を必要とするものかもしれないが、例えば自分が青春時代に毎日のように聞いていたアーティストは、どういった音楽を聴いていたのかを遡ってみたりすると、思いもよらぬ発見があったりするかもしれない。そしてそれは、例えばあのアーティストの楽器を実際に演奏してみても発見があったりするのかもしれない。

 以上のように、新しい音楽への探求心が失われてしまう要因、その一方で常に新しい音楽への探求心を持ち続けられる提案の、両側面を書いてみた結果、"音楽バカ"の筆者自身が最後に書きたいことは、次になる。

音楽愛を持って、音楽と関わる

 概念的なもので最適解でもないため、全ての人が共感を抱くことはないだろう。ただ、筆者は音楽の素晴らしさと出会った青春時代から約20年経った今でも、信じてやまないものであり、これからも信じ続けていきたいものなのだ。
 今回の文章の末尾は、ふわっとしたものになってしまい、結局何を言いたかったかというと、音楽は常に進化を続けている生き物のようなもの、昔に聴いていたものだけを聴き続けるのではあまりにももったいない、新しい音楽と出会うことで、新しい世界が見えるかもしれない。