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新しいステロイドを作る。

前回の記事でグルール機体が厳しいという話をした。相性の悪いデッキが増え、かのデッキ最強のカードであるところの《エシカの戦車》が強く使えないケースが増加したのだ。
なので、基本骨格は同じまま、新しいデッキを作っていきたい。《エシカの戦車》に捕らわれず、マナ加速からグルールカラーの強力なクリーチャーを叩きつけて速攻をかけていくミッドレンジ寄りアグロデッキだ。マナベースはほとんどそのまま使えるとして、主力となるクリーチャーから見ていきたい。

〇1マナ
まずは1マナ。当たり前だが《ラノワールのエルフ》と《エルフの神秘家》を入れる…が、枚数は調整したい。こいつらは1ターン目には最強だがそれ以降は弱いからだ。仮に1ターン目に出して返しに除去されたとしたら、2枚目を出し直すよりも2マナの強いクリーチャーを出した方が何倍も強い。
「60枚デッキから初手7枚を引いた時、このマナクリ2種のうち最低1枚がある確率」は、以下の通りだ。
 8枚…65.36%
 7枚…60.09%
 6枚…54.14%
 5枚…47.46%
 4枚…39.95%
3枚以下しか入れない、ということは無いだろうからこれ以下は割愛するが、ざっとこんな感じである。閾値となるのは、50%を超える6枚、60%を超える7枚あたりだろう。
マナクリ2種を入れるなら最低限6枚、と考えて良い。モダンのジャンドでも初手に是が非でもほしい《思考囲い》《コジレックの審問》は合わせて6枚あたりがベターとされていることからも同じことが言えそうだ。
もちろんマナクリーチャーなので、重いカードをたくさん使いたいのならば最大の8枚入れるべきだろうが、今回作るのはアグロ(ステロイド)なので一旦は60%となる7枚としておきたい。

〇2マナ
ここから戦闘用のクリーチャーを入れていく。2点火力に耐えられ、果敢1回の《僧院の速槍》等を抑え込めるよう、3/3のサイズであるクリーチャーを第一に考えたい。
最有力候補は《群れ率いの人狼》だろう。緑単信心等でも使われることのあるクリーチャーであり、相棒《ジェガンサ》を使わないタイプのグルール機体でも使われていた。アドや打点に直接関与する能力もあるし即決で良いだろう。
次に個人的にイチオシである《ヤヴィマヤの偶像破壊者》も入れたい。これはキッカーにより3マナ4/3速攻、トランプルとしても扱えるカードであり、マナクリーチャーからの加速により2ターン目に殴れる驚異的なスピードとパワーが持ち味だ。実質的には3マナのクリーチャーだが、このデッキは1マナ⇒3マナへのジャンプアップがコンセプトでもあるので、スピードを求めるならこれの出番だろう。2マナのクリーチャーと考えてもそれなり以上のスペックはある。アグロ系デッキでの実績も十分だ。
最後に2枚ほど《漁る軟泥》を入れておきたい。序盤ではそこそこ止まりのクリーチャーだが、ビートダウン相手にうっかり生き残ってしまうと必勝の最強生物と化す。墓地対策もできるので《イゼットフェニックス》や《パルヘリオンシュート》あたりにイージーウィンすることも可能だ。マナフラッドの受けにもなるし赤単系にも強い。

〇3マナ
悩むことは無い。《無謀な嵐探し》と《砕骨の巨人》を入れておけばよい。最大の4枚ずつで困ることは無いだろう。

〇4マナ
《エシカの戦車》に代わる強力カードを入れたい。ここ最近は《血管切り裂き魔》や、復権した緑単信心のデカブツ軍団にもじもじすることが多かったので、これらに対して強気に出られると心強い。また、出たターンに仕事をすることが条件となるだろう。
行き着く先はそう、《探索する獣》だ。緑の誇る最強クラスの4マナクリーチャーだ。細かい説明は要らないだろう。しかし伝説なので3枚に留めておきたい。
もう1枚、別のクリーチャーとして《結ばれた者、ハラナとアレイナ》を入れたい。サイズが悪く単体では仕事をしないが、その能力は強烈だ。放っておけば怪物を作り出すし、流行りの《精鋭射手団の目立ちたがり》の攻撃をシャットアウトすることもできる。

〇5マナ
ここまで重くなると多く入れることはできないので、1枚で盤面をひっくり返すことのできる強力なカードを選びたい。《栄光をもたらすもの》はそれに合致する1枚だと思われるので、2~3枚ほど入れたい。

〇その他の呪文
環境柄1マナの軽い除去が欲しい…それもインスタントのものが良いので、《火遊び》か《塔の点火》の2択になるだろう。3~4枚は入れたい。ここでは本体にも打てる《火遊び》としたい。
高威力の火力呪文も少しは欲しいので、《抹消する稲妻》…でもいいが、今回は《焦熱の射撃》を試してみたい。追放はできないし色拘束も強いが、5点という威力は《黙示録、シェオルドレッド》や《血管切り裂き魔》を撃沈できる。こちらは2~3枚だろうか。
機体?ああ、文明の利器は捨ててきたよ。

…これらをまとめると、以下のようなデッキが出来上がった。

メインボード(60)
土地(23)
4《踏み鳴らされる地》
4《銅線の地溝》
4《カープルーザンの森》
2《岩山被りの小道》
1《バグベアの居住地》
2《ハイドラの巣》
2《変わり谷》
1《耐え抜くもの、母聖樹》
1《反逆のるつぼ、霜剣山》
1《山》
1《森》
クリーチャー(32)
4《ラノワールのエルフ》
3《エルフの神秘家》
4《群れ率いの人狼》
4《ヤヴィマヤの偶像破壊者》
2《漁る軟泥》
4《無謀な嵐探し》
4《砕骨の巨人》
3《探索する獣》
1《結ばれた者、ハラナとアレイナ》
3《栄光をもたらすもの》
呪文(5)
3《火遊び》
2《焦熱の射撃》
サイドボード(15)
2《毒を選べ》
3《アクロス戦争》
3《暴れ回るフェロキドン》
2《丸焼き》
2《未認可霊柩車》
3《減衰球》

アリーナでの勝率も上々で、とくに赤単相手の相性は大幅に改善した。
このデッキで大手店舗のイベントに殴り込みをかけたが、結構上位に入れたので、後日それについて記事を上げたい。

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