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聴神経腫瘍について②(治療方針決定)

複視や突発性難聴の症状を自覚してからの各科受診・MRI撮影にて、
突如発見された脳腫瘍(聴神経腫瘍)・・・。
この腫瘍発見までの経緯と対処、その後の生活等を備忘として、
この症状に悩む方への参考までに整理したいと思います。

*前回記事です。


総合病院での検査及び診断結果

紹介された総合病院(K市済生会病院)では、8月初旬に各種検査(血液検査やCT及び造影剤いれたMRI撮影)をしました。
診断してくださった医師は専門医でないということで、各種検査からの所見をおっしゃって頂き、後日他院からの専門医からの診断を受けようといった話でした。

後日通院し、専門医(J大学医学部付属病院より派遣)から診断結果と今後の治療方針についての以下の説明があり、後日治療方針を決めようといった話になりました。
①右耳の奥に最長2㎝ほどの聴神経腫瘍があり、耳鳴り等との因果関係あり
②病理診断等回すことで確定になるが、良性腫瘍であろう。
③診断では右眼内斜視が確認されるが、MRIからは腫瘍を原因として眼の症状があるとは言えず、聴神経腫瘍自体も視神経へ影響していない。
④腫瘍自体は経過観察レベルというより、対処レベルにあるといえる。急ぎではないが、いずれより増大する可能性がある為、摘出手術もしくはガンマナイフ治療を薦める。
⑤摘出の際はお茶の水にあるJ大学医学部付属病院へ通院・入院となり、概ね2~3週間にて退院。ガンマナイフ治療は他院への紹介となる。

治療方針を決めるにあたって・・・

知識がないまま、ほぼ一方的に病状を知らされたので、その場で思いついた質問の回答を持ち帰り、きちんと病状の事や摘出手術やガンマナイフ治療の事を調べて結論を出そうと家族と決めました。以下は当時聞いた・調べた項目です。
~聴神経腫瘍とは、そもそも~
聴神経から発生する良性腫瘍で、小脳橋角部に発生する代表的な腫瘍です。良性腫瘍ですが、蝸牛神経や顔面神経など近傍に存在する様々な神経を圧迫し、聴力低下、耳鳴り、めまい、顔面神経麻痺などの原因となります。

また、医師の話では発症割合は10万人に数人といった、比較的レアなケースであるとのこと。

~摘出手術のメリット・デメリット~
メリットは部位を摘出することで、腫瘍増大自体がなくなる。癒着等で摘出しきれないこともあるが、現状を抑える・なくすといった観点から有用。また、摘出部位を病理に回して腫瘍検査が出来る。さらに現聴力は維持温存できることもある。
デメリットは摘出しても耳鳴りや聞こえづらさが解消されるものではないという事。主旨は腫瘍を取り除く事で進行を防ぐ(なくす)ことが主。
手術概要は右耳後ろ(右後頭部)の皮膚約10㎝を切開し、腫瘍部に近い頭蓋骨約4㎝の穴をあけて腫瘍部へアプローチして摘出する。
所要時間は3~5時間(朝入りで昼過ぎくらいには手術終了か)想定。

~ガンマナイフ治療のメリット・デメリット~
メリットは手術に対して、時間が少なく済む点。
デメリットは増大を抑える主旨の対応故、十数年経過後に再増大等々による聴力悪化の懸念がある。また、術後に照射部分が腫れる事があり、腫れによるめまい等が発症し、また、腫れが引かないこともある為、その際には摘出となる。
治療概要は麻酔下にレクセルフレームを頭部に装着します。次に定位的に詳細なMRIを撮影します。撮影された画像はガンマプランと呼ばれる治療計画専用のコンピューターに取り込まれ、これを用いて治療計画を行います。具体的には腫瘍の存在する範囲を決定し、数種類の大きさのコリメーターヘルメットを用いて正確に放射線が照射されるように座標を決定します。最後に照射する線量を決定します。

治療方針決定、摘出手術により予後を軽快に!

もろもろ調べたりしてみましたが、結局のところ、いま出来得る治療を施すことで、出来るだけ予後を軽快にしたい主旨と以下を基に決めました。
①専門医からの助言
腫瘍の大きさや年齢、聴力機能温存等の理由からの摘出の選択肢がある。
②予後の想定(摘出⇔ガンマナイフ比較)
摘出手術は約1か月の治療・復帰期間は生じるものの、現状リスクの腫瘍増大や増大による聴力を始めとした機能維持を目指し、予後を軽快にしたい。
③スケジュール面
仕事柄、繁忙期手前でもあるので、出来るだけ早いタイミングで手術すれば、会社への負担は軽減できうるのではないか。

都会の大病院でお世話になる事に・・・

8月下旬に家族で決めた治療方針を専門医に伝え、腫瘍摘出手術をお願いしました。
専門医からは
「翌日にJ大学医学部付属病院へ通院してもらい、諸検査をして頂きたい」
「入院前にPCR検査や術前診断を行い、9月21日より入院」
との話を受けて正式に執刀をお願いすることになりました。

色々な情報や状況が交錯する中、摘出手術をお願いするに至った決め手は、やはり今後の病状リスクを極力減らしたい(減らせる年齢や時期もあって)というのがあってのことでした。
痛いや怖いはたくさんあれども、決め手はきちんとしておいた方が後悔はしないと思ったので、無理やり言い聞かせている自分もいました・・・。





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