マニアック野球ルール:インフィールドフライを落球した場合のタッチアップについて

インフィールドフライとは
無死または一死で塁が詰まっている状態(ランナー一塁、ランナー一二塁、ランナー満塁)で打者がフェアゾーンに内野フライを打ち上げた時、そのフライが通常のプレーであれば野手が捕球できると審判が判断した場合に、インフィールドフライを宣告する。
その場合、野手が打球を捕球する、しないに関わらず、打者はアウトとなり、走者に進塁の義務はなくなる。


塁が詰まっている場合、もし野手が内野フライをわざと落球する(故意落球といいます)と、フライだと思いスタートしていなかった走者に進塁の義務が発生してしまう為、スタートが遅れた走者を守備側は容易にダブルプレーに仕留めることができてしまいます。
インフィールドフライは、それを防ぐためのルールです。

このインフィールドフライですが、ボールデッドにはならずプレーは続行しているので、通常のフライアウトの時と同じく、タッチアップによる進塁が可能です。野手が捕球した後にリタッチ(塁に戻ること)をし、次の塁を狙うことができます。
但し、インフィールドフライであってもなくても、内野フライでの進塁は、守備側によほどトラブルがなければ難しいと思います。

では、もしインフィールドフライを野手が落球した場合、タッチアップは可能でしょうか?
可能な場合、どのタイミングでリタッチ&スタートをすればいいのでしょうか?


落球した場合は、走者にリタッチの義務は発生しないので、次の塁を狙いたければリタッチはせずにそのまま進塁すればいいのです。
つまり、「タッチアップ」という概念自体がなくなります。

インフィールドフライを宣言された場合は、「打者はアウト」そして「走者は進塁の義務がなくなる」のですが、「フライを捕球したとみなされる」わけではないのです。

逆に言うと、落球したとしても走者に進塁の義務がなくなったことは変わらないので、そのまま塁に留まっても問題ありません。
落球したからといって慌てて進塁しようとすると、アウトにされる可能性もあります。

更に、この場合(落球後に走者が進塁した場合)は、野手は走者をアウトにしたければ、タッチプレーである必要があります。
走者は進塁の義務がないので、フォースアウトのようにベースを踏んでもアウトにはなりません。

このプレーは結構ややこしくて、プロでも判断を誤ることがあります。

実際に、1991/6/15の大洋vs広島戦と2015/5/4の広島vs巨人戦で、インフィールドフライ落球がきっかけでサヨナラゲームになった例があります。

この両ゲーム、1991年の時はサヨナラ負けだった広島が、2015年ではサヨナラ勝ちしたのが面白いところです。
2015年当時に在籍していた広島・緒方監督と石井コーチが、1991年の時はそれぞれ広島と大洋の選手として出場していたのも何かの縁ですね。

以上、ちょっとややこしい、インフィールドフライの時のルールでした。

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