【マンガ】fish-フィッシュ-1巻を語りたい!
三宅乱丈先生の新作、fishが2022年2月12日に1・2巻同時刊行されました。
「fish」は「pet」の続編で、petの連載から10数年経っていることもあり、ずうぅぅぅっと続編を待ちわびていた人も多いのではないでしょうか?
前作petは「ペット リマスター・エディション」というタイトルで全5巻刊行されています。petだけでもキリのいいところで完結している名作なのでぜひ読んでほしいマンガです。ピッコマでは4巻の途中まで公開されているので気になった方は試し読みしてください!
2020年にテレビアニメ化もされました。こちらもamazon primeを始めとする各動画配信サイトで公開されているのでアニメが好きな人はこちらもチェックしてみてください。
大胆で緻密な設定・描写と繊細な心理描写で人間の良いところも悪いところも魅せてくれる三宅先生の作品に私はすっかり魅了されてしまいました(笑)
新作のfishも1巻からとても考察しがいがある内容なので、自分なりに気になったところ、ここが燃え(萌え)るな〜!というポイントなどを綴れる場が欲しいなと思ったので早速書いていきたいなと思います!
内容に触れてしまう部分もあるかと思うので、fishを読んでから読んでもらえるとうれしいです。
1.護衛のハオと孤児の宇(ユー)
冒頭で「会社」の護衛のハオがスリをしていた孤児に出会います。
その子が自分の死んだ弟と同じような痩せた腕をしていたことや一連の行動に感心したハオは「会社」の運営する施設に孤児を預け、彼に宇(ユー)と名を付けました。
中国語では「魚」を「ユー」と発音するそうです。fishと名付けられたこの作品でユーは一体どのような立ち位置になるのか気になります…。
2.賊の襲撃
地中海に新居を構えた「会社」の一行。しかし離れで火事が起き、それに乗じて2人組の賊が「会社」の能力者、メイリンとロンロンを連れ去ろうとします。
2人組の賊はpet既読者ならばニヤリとするはず…!火事を起こした護衛のヤンが操られているのも明白です。
しかし、ヒロキは3発銃痕を食らったようですが大丈夫でしょうか…?
またこの時のことをメイリンは「おちゃかなが嫌なことちたの!」と言っています。能力者の間ではどんな攻防が…?
3.不死身のハオ
「不死身のハオ」という異名を持つ、護衛のハオ。
身体には縫い傷だらけですが、どうやらその傷はpetの最終局面で悟に操られた桂木さんに撃たれた時の傷のようで…!?
ハオはあの時、ジンさんを自殺(未遂)にまで追い込むきっかけを作った悟を恨んでいます…。
4.メイリンとロンロン
現実の世界ではぼーっとしてたり、犬とじゃれ合うぐらいしか反応がなく自我がないように見える2人。
けれど、ある「場所」では2人で仲良く喋ることもできています。
ロンロンは賊の襲撃の時に見たでっかいおちゃかなを自身の水で再現することでかつての「水」の「イメージ」を取り戻し、現実でも自我が発現するようになりました。
けれど「記憶の場所」が作れないせいか、現実の「今」「さっき」などの時間感覚がわからないみたい…?
綺麗なロンロンの「ヤマ」に対して、メイリンの「ヤマ」はpet後も「仕事」に使われ続けたようでpetの時よりも「タニ」の要素が増えちゃってます…。
ロンロンが現実でも自我を獲得したことで余計に犬を構うことが多くなり、ロンロンの「ヤマ」に居たいメイリンは現実にいるロンロンを勝手に自分側に連れ去ったことで姉弟(?)ケンカに…。
その時にメイリンがロンロンの「ヤマ」を攻撃したことを恐れたジンは、メイリンを薬で無理やり睡眠状態にすることでロンロンへの侵入を阻むことに成功しますが…。
5.カザフスタン襲撃
賊の屋敷襲撃から3年後、賊の所在地をカザフスタンと突き止めたハオの指示のもと現地部隊が襲撃を決行。
しかし、部隊のメンバーが次々とおかしくなり、襲撃は失敗に終わります。
潰された人も自殺した人もヒロキ・悟には一切触れられていません。
あらかじめ催眠が仕込まれていたのか、それとも…?
6.ユーの歪んだ弟観
「会社」の会計士が横領したことを発見したのがユーだと知り、ハオは9年ぶりにユーに会いにいきます。
「どうして俺を…?」(呼び出したのか)と問うユーに、なんで拾ったのかを聞かれたと勘違いしたハオは「弟のように思ったからだ」と答えるとなぜかズボンのジッパーを下げられ咄嗟にハオが止めますが…。
どうやらユーは寮で「弟」にしてもらったら「お礼」をしなきゃいけないという、性的搾取を受けていたようです…。
会話からそれに気付いたハオは、「死んだ自分の弟と同じようなことをしてしまった」「私の知らないところで苦労させてしまった」とユーを抱きしめ謝ります。
「歪んだ弟観」という言葉は作者の三宅乱丈先生とアニメpetで司役の声優を務めた谷山紀章さんの対談で谷山さんがおっしゃっていた言葉ですごく的を得ているなと思い、使わせていただきました!
https://natalie.mu/comic/pp/fish
こちらのインタビューでも言及されていますが、ハオとユーは能力者ではないけれどヤマ親と子の関係性に近く、他のキャラとの対比の描かれ方が今後非常に気になります!
7.早く孫の顔見たいな〜の最上級?
本来のジンの恋人だったロンは「会社」の社長の養子になっていたため表向きはジンの従兄妹ということでしたが、実際はジンの祖父の兄の娘の子なので従兄妹じゃないということがわかりました。
しかし、ロンがいない今、社長はジンに「来年30歳だし、ロンロンをロンのように受け入れてあれとの子供を作るしかない」「母親から授かった血を途絶えさせるわけにはいかぬだろう?」と言い放ちます…。
petの頃から比べると病気がちですっかり悪役の存在感も薄まった社長ですが、同じ家族の心も縛る社長はやっぱりひどいです…。
ロンロンをロンと割り切れないジンは癇癪を起こし、ロンロンは髪を無理やり切られそうになった記憶を「ヤマ」からなんとか追い出そうと試みたことで偶然「記憶の場所」を作ることに成功します。
が、ロンロンがジンさんにされた一部始終をハオに話してしまい、それをジンが聞いていて…。
いったいハオはどうなる!?
1巻おまけ
護衛のチェンが途中ネクタイをしていなかった理由が描かれています。
私は全く気付きませんでした(笑)
ちなみに会計士ユーエンが指摘していますが、チェンはボタンダウン(BD)のワイシャツを身につけていることが多いです。
感想
petで最終局面にいたけどただのモブでしかなかった護衛が、実は九死に一生を得てfishでは主要キャラになってるのがpetからの繋がりも感じられてめっちゃ良いな…と思いました。
新キャラもいて、「会社」視点なので今までと違う見方で見れる感じが続編!感あって好きです。
続編だと前作のキャラに思い出補正もあったりして新キャラって難しい気がするんですが、しっかり人物描写されているので新キャラも好きになっちゃいました…。
(↓2巻の記事はこちらから↓)