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福田平八郎展。堀文子・福田豊四郎展。

目を酷使しすぎているせいか、目が痛いです。目薬を忘れる度に買いに走るので、ストックがいっぱいあります・・・。こんにちは。

中之島美術館「没後50年 福田平八郎」展

せっかく大阪まで足を運ばせるなら、他のと併せてと考えていましたが、しばらく用事はなさそう。だからといって放っておくと閉幕してしまう。でも捨て置けないので見に行きました。同時開催をしていたモネ展の巡回も考えましたが、いつでもみられる気がして・・・。

福田平八郎 1892年(明治25)〜1974年(昭和49) 大分生まれ 日本画家

《安石榴(ざくろ)》1920年(大正9)

榊原紫峰の影響をうけたといわれる作品。写実主義全盛の中で書かれたもの。平八郎をイメージで考えると写実的な感じがあまりしないが、実はしっかり細かく描いている。

《朝顔》1926年(大正15)

日本画のお手本のような構図の作品。透明感のある花と上へと抜けていくかのような蔓が特徴的で清々しい。

《漣》の展示についてのお断りが。入場する前にも確認をされました。これをお目当てにして来る人も多くいるはず。指定文化財になると展示日数の制限を受ける作品があります。日本画はそのひとつ。一度外して、GWに照準を定めて展示するようです。

《漣(さざなみ)》重文 1932年(昭和7)

《漣》は平八郎のいくつかある代表的な作品のひとつ。みたまま、圧倒的にこれまでの日本画と違うところは、線のみで表しているということ。日本画において筆線はかなり重要視されますが、線を持って形を作ります。しかし、《漣》は線で構成はされているものの、形がありません。水を描くことを追求した結果、こうした表現になりました。下地は金箔の上にプラチナ箔が使われており水面の反射を表しています。この作品をもって大きく注目され、日本画に新しい可能性をもたらすことになりました。
これ以前に、大観や春草が「朦朧体」という筆線を使わない技法に取り組んでいましたが、化け物画などと揶揄され定着はしませんでした。

《新雪》1948年(昭和23)

いわゆる、平八郎らしくなってきました。露地の飛び石に積もった雪を描いています。柔らかで、ふわっとしている様子がわかります。息を吹きかけると飛んでいってしまいそうなぐらい。

《桃》1956年(昭和31)頃

朱塗りのお盆に桃が乗っています。お盆に反射して映る桃が、桃のみずみずしさを感じさせます。

《海魚》1963年(昭和38)

晩年は、写実的でも装飾性でもなく、平八郎が思うままの自由な画風へを転じていきます。タコにウツボ。緑の魚はベラ科かな。タコの下はシマイサキかな。子どもの絵のような表現も大事にしていたそうです。

《游鮎》1965年(昭和40)

平八郎の趣味は晩年まで釣りでした。なので、魚や水などをテーマに描いている作品がとても多いです。鮎、鯉はたくさんあります。

《雲》1950年(昭和25)

大胆な構図と表現。陰影がほぼないので平面のみで構成されていて、奥行きがない。日本画はそもそも平面的なことも大きな特徴。素直に白と青のコントラストが綺麗だと思った。

福田平八郎展は以上。撮影可能だった作品の数点に限って、少し、真面目に書いてみた。他に《雨》《竹》《筍》など代表作は多い。

余談。
2019年の森美術館の展覧会に行くことができなかったけど、今回はいけそう。楽しみ。

昨日は、空いた時間で名都美術館に行きました。写真とかがないのでさらっと書いておきます。堀文子は福田豊四郎(平八郎とは関係無い)を尊敬しており、そうした関係から二人展となっているようです。堀文子の作品を纏まってみるのは2022年の秋田県立近代美術館以来になります。豊四郎の作品も同館に多くあります。展示数は少ないですが、秋田にまで行かなくてもみるチャンスに恵まれました。

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