高校三年間で衝撃を受けた漫画を語るよ!

高校生だった3年間で私が衝撃を受けた漫画の紹介と自分語りをしようと思います。本当はギリギリ高校生である3月中に書いておきたかったんですけど、ダルくて放置してました…。では始めます。

月に吠えらんねえ(清家雪子)

《あらすじ》近代日本の詩歌から生まれた人々が住む□街。住人は変人だらけだが中でも朔くん(萩原朔太郎作品)は別格で、拾ってきた心中死体を観察しては詩作に思いを馳せる。そんなある日、街の一本松に縊死体がぶら下がっているのを発見。それと同時に朔くんの親友である犀(室生犀星作品)が旅に出ると言い出した。

2巻までは(不穏な空気をはらみつつ)残念変態美青年朔くんとやべえ白さんと実はやべえミヨシくんの三角関係コメディみたいな感じなのですが、3巻以降から雰囲気は一変、いろいろとなんやかんやあって、近代日本詩歌の枠を越えて、戦争へと進んでいく近代日本の潮流に知らず知らず巻きこまれていく女性や国民、創作者について焦点が当てられるようになっていきます。…いくのですが、初見で最後まで読んだときはこのノリの転換についていけず、時間軸や語り部がしばしば変わるのもあって、朔くんのかわいさ危うさ美しさと引用された詩歌の素晴らしさ(引用時の表現含め)以外十分に読み取ることができませんでした。(それだけでもほんと素晴らしい作品だからすごい)国語の授業や模試で色んな人の評論を読んだり倫理の授業を楽しく受けたりして、やっと現在はたぶん8割ほど分かるようになりました。読むたび自分の読解力の進歩に気づかされる漫画であり詩歌を好きになったきっかけでもあります。BLを読めるようになったのも大きいです。

大蜘蛛ちゃんフラッシュバック(植芝理一)

《あらすじ》16歳の高校生、鈴木実は漫画家の母(ペンネームは旧姓の大蜘蛛綾)と二人暮らし。父は実が幼い頃に亡くなったが、実は時々父の高校時代の記憶-“大蜘蛛ちゃん”との思い出-がフラッシュバックしてしまう。現実の母と大蜘蛛ちゃんとの間で実は悶々とした日々を過ごす。

中二の時に「夢使い⌋や「ディスコミ⌋「謎の彼女X⌋を読んでいろいろと大衝撃を受けましたがこの作品もなかなか物凄いです。正直最初はお母さんがかわいいだなんてさすがにそれはヤバいのでは…😅?と引きぎみに読んでいましたが、読んでいくうちに大蜘蛛綾ちゃんマジかわいい!と思うようになりました…。書き込みは過去作に比べて少なくなりましたがブレザー服の陰影や太ももの曲線の表現には執念のようなものを感じます。この方の漫画全部に言えることだけど男の子も女の子もかわいらしく描かれているのが好きです。体育祭回とクリスマス回は個人的に神回だと思っています。あと漫研の子達の会話がどう考えても大半のナウなヤングの趣味と40年分ほどズレてるのに物語の時間軸がほぼ現在であることが確定してるのがとてもシュール(例:漫研のクリスマス会にて、スマホをスピーカーと連動させてBGMを流しつつ大島弓子や諸星大二郎の話題に花を咲かせる部員たち)。作者の分身が多すぎるのよ…。


ディエンビエンフー(西島大介)

《あらすじ》アメリカ陸軍機関紙のカメラマンとして南ベトナムのサイゴンにやってきたヒカル・ミナミはベトナム戦争の“正気でなさ”を目にする。そんな中、アメリカ軍を颯爽と斬り倒すプランセスと呼ばれる少女と出会い、カメラを犠牲に一命をとりとめたヒカルは彼女に恋をする。2人はまだお互いを知らない。

ベストセラー小説「日溜まりの彼女⌋の挿し絵の人か書いた漫画、ぐらいの認識で読み始めました。人が粘土みたいにバラバラになって死にまくります。貞操観念や良識がまるでない、戦っているのが子供ばかりだからしかたないんですけど読んでいて無力感を感じます。あとヒカルはなんですぐ○精するんですか??絵がかわいいので読みやすいけどその分性描写、グロ描写が生々しくて辛い。お薬飲んでねと合わせて猛毒ごくごく飲んでる気持ちになります。若干厨二っぽいモノローグも相まって気づいたら中毒になってて辛い展開しかないのが分かってても読むのが止められませんでした。熱狂的なファンを作り出す界隈を沼と言うことがしばしばあるけどこの漫画は内容そのものが沼だと思います。泥沼な戦争を元に描いてるから仕方ない(?)。


ほんとはもう少し多くの作品を挙げたかったのですが、もう大学生になって半年も経ってしまい既に記憶が飛んでます。ブルーピリオド、宝石の国、やがて君になる、メイドインアビス、笑う大天使、牧神の午後 も大好きです。

読んでくださってありがとうございました!


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