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話題の”合同会社型DAO”をわかりやすさ重視で解説!

DAOの構築・運用をサポートするweb3スタートアップUnyteです。

今回は今話題となっている「合同会社型DAO(LLC DAO)」や「DAO法」、「DAO協会」についてわかりやすさ重視で解説していきます!

<こんな方に読んでいただけると嬉しいです>

  • DAO運営やコミュニティ事業に興味のある方

  • 合同会社型DAOがなぜ話題になっているかを知りたい方


1. なぜ話題になっているのか

合同会社型DAOが話題になっている理由は、これまで事実上不可能だったDAOの法人化が、法改正と法解釈が行われたことで可能になったからです。また法改正と法解釈によってDAOの法人化には様々なメリットが生まれました。

これ以降の章でDAO法の内容や具体的に起きた変化、合同会社型DAOの詳細と設立のメリットについてまとめます。

こちらがDAO法の公布にあたる金融庁からの公式のコメントです。
詳細な事項については是非こちらをご覧ください。

2. DAO法について

2-1. DAO法とは

DAOの法人化を達成するために必要だった、「法改正」と「法解釈」が合わせてDAO法と呼ばれています。新しい法律ができたわけではなく、DAOに関係している法律のことを表しています。改正されたのは金融商品取引法、法解釈がなされたのは会社法です。

2-2. DAO法でできるようになったこと

①DAOの参加権NFTを販売して資金を集めること

DAO法ができる以前は、NFT(トークン)を活用した資金調達が、既存の金融商品取引法の内で明確に規制されていませんでした。そのため金融規制に触れるリスクや、将来的に法律違反と見なされる可能性があり、資金調達が難しい状況でした。

② DAOの業務執行社員が参加権NFTを買う人を募集すること

もともと「証券の勧誘(=この証券を買ってください)」は証券取引のライセンスが必要であり、参加権NFTの販売が「証券の勧誘」と見なされると、ライセンスがない状態では違法行為となります。しかし業務執行社員に限ってはNFT購入者の募集が許可されました。業務執行社員とは、法人化されたDAOの正社員のような存在です。

③ DAOを合同会社のように設立できる定款の作成

合同会社では、定款の変更には他の社員の同意が必要であり、社員の氏名と住所を定款に記載することとなっていました。DAO法によってメンバーの入れかわりを考慮でき、非業務執行社員の匿名性を事実上担保できる定款を作成すること可能になりました。

以下のnoteでは法律面のより厳密な解説がされています

3. 合同会社型DAOとは

合同会社型DAOについて簡単に説明します。

合同会社型DAOとは、合同会社の枠組みを利用しつつ、DAO的な運営を行う新しい法人の形態です。

合同会社の社員権をトークン化(NFT化)することで、出資者に相当する社員をDAOメンバーとして扱い、分散型の意思決定が可能となります。

DAOも含む合同会社では、社員は「業務執行社員」と「その他の社員」の2種類に分けられます。

  • 業務執行社員:会社の業務執行に直接携わり、意思決定に参加する社員。従来の合同会社の社員権に相当する権利を持ち、上限なく利益分配を受けることができる

  • その他の社員:NFTを保有するのみで、会社の運営には直接関与せず、出資額を上限とした利益分配のみを受けられる社員

合同会社型DAOのトークンについては、以下のような規制緩和が実施されます。

  • 収益分配制限付き合同会社型DAOの社員権トークンを、金融商品取引法上の有価証券の対象外とする

  • 業務執行社員以外の社員が社員権の取得勧誘を行う場合も、金融商品取引業の登録を不要とする

金光さんのnoteにあるこちらの画像が大変参考になります。

4. 合同会社型DAOのメリット

これまでは任意団体として活動されることが大多数であったDAOが、合同会社型DAOを設立することで、以下のようなメリットが得られます。

①メンバーの有限責任を明確化できる
メンバーの責任は出資額に限定され、仮に会社が倒産してもメンバーの個人資産は保護されます。

②取引先の信用が高まる
大口の取引や優良な顧客の獲得に繋がり、金融機関からの借入れがしやすくなる側面もあります。

③定款自治により柔軟な組織運営が可能
合同会社型DAOでは、スマートコントラクトを活用することで、ガバナンスの自動化を図ることができます。例えば、社員権NFTの保有量に応じて議決権を自動的に配分したり、提案に対する投票をオンライン上で実施したりできます。これにより、従来の組織と比べて透明性が高く、参加者の主体性を引き出せるガバナンス体制の構築が可能となります。

我々Unyteが運営するDAOツールでも、オンチェーン上でのガバナンス投票が可能です。

日本DAO協会の設立準備における実際の利用例

④税務上の取り扱いを明確化できる
法人名義での財産の所有や契約が可能となり、法人としての会計処理を行うことができます。

⑤節税メリットを享受できる
役員報酬を支払うことで法人所得を減らすことや、設立後2年間の消費税納税義務が免除などです。

5. DAO法の制定までの経緯

DAO法の制定までの経緯は以下の通りです。

2023年4月
web3ホワイトペーパーにおいて、合同会社型のDAOについての言及
2023年11月2日 

RULEMAKERS DAOから自民党web3PTに対しDAO新法案を提言

2023年11月~12月
自民党内においてDAO事業者を中心にハッカソンを実施

新たな視点で政策立案を実践 web3PT「DAOルールメイクハッカソン」開催

2023年12月末 
ハッカソンを踏まえた最終提言をRULEMAKERS DAOから提言
2024年1月24日 
自由民主党政務調査会-デジタル社会推進本部 web3PT 会議
2024年1月26日 

自民党デジタル社会推進本部(平井卓也本部長)のWeb3プロジェクトチームが、DAOに関するハッカソンの結果を踏まえた提言を鈴木俊一金融担当大臣に提出。
2024年4月1日
合同会社型DAOによる資金調達に関する府令改正の公布
2024年4月22日
府令改正の施行

参考:RMD作成「DAOの未来と法」

6. Unyteについて

弊社Unyteからは代表の上泉がRULEMAKERS DAO内で

  • 自民党web3PTに対するDAO新法案を提言

  • ハッカソンを踏まえた最終提言
    に関わらせていただきました。

合同会社型DAOの概要や特徴、設立手順、資金調達の方法などについて解説しています。こちらもぜひご覧ください。

合同会社型DAOの設立をご検討されている方は、ぜひ以下のリンクからお問い合わせください。



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