見出し画像

ありがとうを言いたい。

本日美術展が終了する。夕方には作品を取りに会場に行かなければならない。

入選の知らせを受けたときは本当にホッとしたが、やはり書道の世界の絶対的な会派の現実を受け入れなければならないと今回の美術展でも感じた。

受賞している作品は、毎年かな文字作品であり、かな文字以外の作品も独特の書体の作品であった。

調べてみると、審査員の先生方は毎年ずっと同じ先生方の名前が並んでいる。

決まった会派の先生方が毎年審査されるのだから、やはり先生方の好む作風の作品が受賞するのは当然と言えば当然。

しかしそれが分かっていながら私はかな文字やしなしなとした曲線の、釈文なしではなんと書いているのか読めない文字を作品として出品することをしなかった。

「私はこういう者です!」

書体からどこの出身かわかるであろう作品を書いて出品したのだから、受賞どころか入選すらダメかもしれないことは覚悟しなければならなくなった。

どうして自ら苦しい道を選んでしまったのか。なぜ審査員の先生方が好きな書体を選ばないのか。あんたはほんまにアホやね。自分に自分で問いかけ、悶々とした時間を過ごしていたのだから何が何やらである。

一字書を作品として出品して入選していたのは、私一人だけであった。

会場にずらりと並ぶうねうねした書体の漢詩やら歌謡曲の歌詞を書いて入賞を果たしている作品の横で、異様な空気を放ちながら居座る自分の作品は変わり者の一匹狼のようであった。

そんな作品をわざわざ観に行ってくださったnoteのフォロワーさんがいる。

先日もご紹介させていただいたが、めめんともりさんと、ちゅうさんである。

お二人とも優しいお人柄が伝わってくる優しい絵を描くイラストレーターさんと絵描きさん。

私の作品を観て「斬りつけられそうだ」と感じたことはお二人の感想からなんとなく伝わってくる。

まったく異なる作風の、ましてや絵ではない書を観てくださったことに言葉では伝え切れないほどの嬉しさと感謝の気持ちでいっぱいである。

そして、たくさんのおめでとうのコメントやスキをしてくださったnoteの皆さんにも本当に感謝している。

一匹狼の「瞬」をたくさんの方が見てくださり、
「わかったわかった。あんたがそこで吠えてることはわかったよ。よう頑張ったね。」

独りの挑戦をヨシヨシといったように見守ってくださったことに感謝している。

本当にありがとうございました!

雲泉






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?