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ちゃっかりの夢

写真はちゃっかりが3歳のもの。顔切れてるから出しておこう。

本日はちゃっかりのピアノの発表会であった。

愛すべきフォロワーの皆さまにはたくさんの励ましをいただき、おかげさまで無事練習の成果を発揮することができ、感謝しきりのちゃっかりとunimamである。

毎年この季節になると毎日胃がキリキリしてくるのである。

年に一度のピアノの発表会は夏休みが始まって間もなくの時期に開催されるからである。

「練習は?やったん!?」

「やった。もう5回弾いた。指が疲れる。」

こんな調子で日々戦いなのである。

「そんなことよりママ、ちゃっかりのドレスは?今年はピンクがいいと思うの。」

「オシャレもいいけどあんたに今一番必要なものは!?」

「ドレス」

ガクーンである。

いつもこの調子で母娘のバトルが始まる中、今年はドカ弁という中和剤が家にいる。部活を引退してから毎日家にへばりつき、いつものごとく「腹が減った!死ぬ!なんかない?」を繰り返しているのだが。

しかしそのドカ弁が大好きなちゃっかりは、ドカ弁が家にずっといてくれていることが嬉しくて仕方ないのである。

「ねぇねぇドカちゃん!今日は何して遊ぶ?」

「は?おまえは勉強せなあかんねんやろ!算数な!今やらな終わるで!」

「うん。でもね、ちゃっかりは全力が疲れるの。」

「いやいや、ピアノも発表会やろ!練習は!?」

「うん。さっきやったんだけどね。それよりドカちゃん、白とピンクとどっちが好き?ちゃっかりはね、ピンクがいいの!」

「まさか。また毎年恒例の発表会のドレス?」

「そうなの!ピンクのね、可愛いのが見つかったの!」

はーっとため息をつくドカ弁。

「おまえは何を一番にやらなあかんかわかってるん!?勉強にピアノの練習やろ!このおしゃれデブ!」

「おしゃれはいいけどデブじゃない!!!」

おーい!ちゃっかりよ!そこかよ!そこだけなんか!あんたが全力で熱く反論するところは!?

ちゃっかりの顔は丸い。体は細いのに顔が丸いのでまるでマッチ棒のような感じなのである。本人は丸顔がコンプレックスのようであるが、まぁ愛嬌のある顔は昭和風味な和テイストでマメ柴のような顔立ちのため、お年寄りには異様に大人気なのである。

昔からだが、ご近所の年配の方だけでなく、旅先や出先でも必ず可愛い可愛いとお年寄りにお菓子をもらったり、握手を求められたりするのはちゃっかりなのである。

懐かしさを感じる顔立ちなのであろうか?そういえば戦後の日本などというモノクロ写真には必ず、あ!ちゃっかり!なんでこんな所に写ってるん!?というくらいちゃっかりは昭和に溶け込むようなタイプである。

そんな摩訶不思議なちゃっかりが夢について1/2成人式で宣言したことであるが、これもまた椅子からずり落ちそうになったことをここに書いておくことにする。

「私は5歳からピアノを頑張ってきました。一生懸命努力し、今では難しい曲も弾けるようになってきました。・・・」

冒頭の挨拶でこう立派に話し出したちゃっかり。

周りの保護者も先生もクラスメートももちろん自分も、

「お!なかなかしっかりしてるやん!もちろん将来の夢は・・・。」

こう心で思ったことだろう。

担任の先生も大きく頷き、最後にこう質問された。

「ちゃっかりさん、ではあなたの将来の夢は?」

「はい、私はファッションデザイナーになります!!」

ズコー!!!

やはり只者ではないものを持っていそうである。

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