酒を呑む人々
お酒が好きである。
ビールに冷酒ワインにカクテルなんでも好きだ。
先日ある集まりで幹事をすることになった。
日頃は気の合う仲間とアホみたいに喋り、飲みまくる自分であるが、その日は色々な世話に追われて飲んでる暇はなかったのである。
自分が素面な状態で気持ち良く酔っ払いに変身していく周りの人々を観察していると、酒は魔物だとつくづく感じた。
やたらと誰にでもハグしていくハグ魔。
席を転々と移動しながら名刺を配りまくる名刺魔。
やれ、あの人に酒がない、あの方をお出迎えしろ、料理が遅いのなんとかしろ!と自分はデカいお尻をどっしりと動かす気配なしで口だけうるさくなる小姑魔。
理想を語りだすと止まらないロマン魔。
酒が濃いだの薄いだのと自分の好みに拘り出すオヤジ全開魔。
誰でもいいからオーラでオトコにしなだれかかっていきはる色魔まで。
とにかく皆さん実に様々な魔に取り憑かれていくのだ。
コレはやばい。
かなりやばいぞ。
今まで様々な魔に取り憑かれてはやらかしたことを、翌日や後日に友人から指摘されてきてはいたが、皆が爆笑したと言ってくれていたので、すっかりいい気になっていただけなのかもしれないと急に不安になってきた。
『あんたさーブーツのヒールが折れたー!って叫んでいきなり道でブーツ脱いで折れてない方のブーツの踵を百貨店の壁に打ち付けてへし折って、これで歩きやすなったわって何にもなかったようにまたブーツ履いてフラフラ帰っていったけど覚えてる?』
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