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守るべきもの。【インドネシア・バリ島】①
バリ島が好きだ。
『たまには違う国にも行けばいいのに』と人から言われるが、何度もバリ島に行き、毎回同じロスメンに泊まることを繰り返している。
インドネシアの宗教は、イスラム教とヒンズー教であるが、バリ島ではヒンズー教が強く信仰されている。
バリの女性は朝、昼、晩、毎日欠かさず家の敷地にある神様が宿る場所にお供えものを捧げ、聖水で清め、お祈りする。
バリ人と結婚し、ウブドで居酒屋を切り盛りしている素敵な日本人女性のお宅にお邪魔させて頂いた時に聞いた話であるが、そのお宅では敷地内に100カ所ものお供えものを捧げるそうだ。
これを毎日欠かさず繰り返し、お祈りするのだから本当にすごいとしか言いようがない。
朝早くから腰にサルンを巻き、身綺麗な出で立ちで背筋をシャンと伸ばして、お供えものを捧げ祈る女性たちを見かけると、神聖な気持ちになる。
村の中で大勢の人が楽しそうに騒いでいるのを見かけることがあった。
狭い路地に車や人が溢れ返り、道を塞いでいるのだが、誰も文句を言わず、ただじっと見守っている。
あぁ、結婚式なんだな。
と思い、近くにいた現地のおじさんに
結婚式してるの?
と尋ねてみると
お葬式だと言われ、ひっくり返りそうになった。
人が亡くなることは悲しいことではなく、生まれ変わることだと信じられおり、死は通過点という考えなのだ。
なんだかこの島の底力というか、生きるためのエネルギーの源を見せつけられた気がした。
守るべきものがこの島にはある。
皆が信じるものが、ここにはある。
金持ちも、そうでない人も、お年寄りも子どもたちも、一つのことを信じ、ひたすら祈る。
ここ以上に強い絆を持つ場所を私は知らない。
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