早すぎる?
HULLで16歳でママになる子どもたちのドキュメントを観た。
アメリカでは16歳でママになる高校生が多いそうだ。
赤ちゃんを授かってから出産し、その後若いカップルがどのように小さな命と向き合って行くのかを追った形のドキュメントになっていて、何組かのカップルが出てきた。
登場する女の子は、しっかり者で大人びた綺麗な子が多く、チアをやっていたり、ダンスに夢中な子だったり。
要するに、イケてる女の子たち。
もちろん彼氏もカッコ良く、皆に羨ましがられるカップル。
本人たちも愛し合った末に授かった命を喜び、絶対産むのだ、結婚して幸せに暮らすのだと瞳を輝かせる。
親たちは、特に母親は揃って同じセリフを言ったのが印象的であった。
『出産してその後はどうするの?働きながら勉強して子育てもしなくちゃならないのよ。育児は重労働なのよ。』
娘たちはママの言葉になんと答えたか?
『出来るわ!』
しかし、感動の出産を終えた後に待っているのは2時間あけずにミルクを欲しがって泣き叫ぶ赤ちゃんのお世話。
可愛いくてキラキラしていた女の子は、ママになった途端、やつれ、吹出物ができ、外出もままならない状況に追い込まれていく。
対して男の子はどうか?
赤ちゃんの父親になり、近い将来夫になる最愛の彼氏は、高校生のまんまなんら変わらず、彼女や赤ちゃんのケアをすることになどまるで興味がなく、毎日友達とカラオケやボーリングに行き、夕食も外で食べて帰るというスタイルを変えない。
若い2人を心配する親たちは、様々なアドバイスする。
『彼女やベイビーの側にいてやれ。子どもはあっという間に大きくなる。初めてのハイハイやたっちを見逃しちゃいけないんだよ。』
彼氏のパパがナイスなアドバイスを新米パパになった自覚のない息子にするのであるが、全く響かない。
そこで、どうするか2人で話し合いをしようとするが、意見は食い違いまくる。
『あなたはどうしたいの?』
そう聞く彼女。
『わからないよ。うるさく言わないでくれ!働いて疲れてるのに!キミが一番の問題なんだよ!』
訳のわからない逆ギレをする彼氏。
彼女は友達とも遊ばず、働き、赤ちゃんのお世話を全て一人でやっているのだ。
彼は何も手伝おうとしない自分を棚に上げ、彼女にこう言ってキレた。
『子どもがいるからキミといるだけだ!子どもがいなければとっくに別れてるよ!』
まさに自分勝手そのものであるが、女と男はこうも違う性質を持っているのかと若いカップルを見ながらしみじみ考えてしまった。
わずか16歳の女の子が、子どもを産んだ途端、一気に大人になるのに対して、あまりに男の子は幼稚であり、これでは夫としても、父親としても頼りになる存在ではない。
彼とは結婚できるのかしら?
別れたくはないの。
彼女のつぶやきでお話は終わったのであるが、とても悠長な気分では観ていられなかった。
もうすぐドカ弁は16歳になる。
いつ好きな彼が出来るかわからない。
素敵な恋愛をたくさんして、いつかはママになってもらいたいという夢はある。しかし、授からない場合だってある。
未来は誰にもわからないが、子を持つ責任が本人にも相手にも整うまでは、親になるのは待ってもらえたらと思わず祈るような気持ちにさせられた深夜である。
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