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詩ことばの森(192)「自由な空」

自由な空

この限りない空の
端から端へと広がっていく

蜃気楼はすっかり
わたしの視界を閉ざしてしまった

こころのうちに
潜んでいた何かが
ぽっかりと渦を巻いて
姿をみせる

それはまるで ときめきに似て
どこか せつなく 懐かしく
憂いを帯びた熱に 酔うほど

渦は風となって 
わたしの背中を押し
歩みを また一歩進ませる

不安気な窓の外へと 旅立つ時 
ふたたび わたしは 自由になる

(森雪拾)


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