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詩ことばの森(195) 「ある日 鳥が」

ある日   鳥が

ある日
僕の肩に
鳥がとまった

青色の羽を輝かせて
いくらか不格好な頭が
危ういほど重く
けれども僕の肩は
負担を感じないでいた

僕は鳥を眺めていた
あたかも自分自身を
離れて見つめるように
冷静に鳥の目を観察した

底のない池の面を
思い起こさせる黒目に
僕のいびつな心が
映し出されている気がした

鳥はなぜか
僕のそばを離れずにいた
ありがたいと思った
のは彼だったろうか
だれも触れえぬ自らの心を
鳥だけが知っているとしたら
鳥の思いを 僕が知ったとすれば

その時
夕暮の灯火が
黒い闇に血の色となって
溢れ   流れ出たことを
僕は見逃しはしなかったのだから

(森雪拾)


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