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詩ことばの森(164)「ふたたび」

ふたたび

静けさの部屋のなかで
ふたたび 変化の波が漂い始めている

また いつかの翻弄された風の予感が
わたしの足もとの 枯れ枝を吹き抜けていく

わたしには もはや あなたを照らすランプさえ
手元に持ち合わせてはいないのに

なにもかも 期待することのなくなった存在を
時は ふたたび揺るがそうとするのか

乾いた岸辺に群生した葦の震える夜
潮は無言のまま静かにあふれていく

(森雪拾)

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