癌日記③

⚠︎治療法について、私は医学の知識は全くないため自分の見て聞いて経験したことしか話せません。私は自分で納得して標準治療である化学療法を選択しました。

化学療法

退院から2週間後、術後の経過や病理の結果、今後のことについて聞くための診察に行きました。

創部も経過も問題ありませんでした。
病理の結果はやはり胚細胞腫瘍の未熟奇形腫。そしてステージ1Aのgrade3と確定しました。
未熟奇形腫瘍にはgradeが1〜3まであり、grade1のステージ1Aは手術で腫瘍が取り切れた場合化学療法は基本的に行わないそうです。grade3だった私は化学療法の説明を受けました。

BEP療法を3クールする予定だということ。
かなり大変な治療になるが、全てやりきる事が出来たら5年生存率は95%ということ。
絶対治るからやりましょうとのこと。

やらないという選択肢はもちろんありませんでしたが、主治医の先生にもやらないという選択肢がないことで余計前向きな気持ちになれました。

BEP療法は、ブレオマイシン(B)、エトポシド(E)、シスプラチン(P)の3種類を21日間かけて投与する治療法です。1日目はEP、2日目はBEP、3日目〜5日目はEPの2種類を連続投与し、9日目にB、16日目にBを投与します。1クールで7回投与日があるということですね。いや多すぎィ‼️
ただこれだけ多いのにもちゃんとワケがあって、胚細胞腫瘍は根治も望めるということで、ある程度の副作用やリスクを背負ってでもしっかりとした治療をやる価値があるみたいです。

ただ、BEP療法の効果を最大に引き出すためには休薬や減薬は望ましくありません。その為、よっぽどのことがない限り治療を行います。なので感染症対策についてかなり指導されました。子供に会うことも極力控えて欲しいと言われました。夫は基本的に私の治療のサポートに専念してくれる予定だったので、子供は親戚の家を転々とさせてしまうことに。治療期間が夏休みに丸かぶりだったので学校への影響は最小限で済んだのは運が良かったです。子供には見た目が変わってしまうこともあり手術のときより詳しく説明しました。私だけの宝物なので見せられませんが子供からの手紙に「きれいなままでかえってきてね」と書いてあって泣きました。

BEP療法に限らず、化学療法の副作用「骨髄抑制」によって免疫が著しく低下するためただの風邪でも命の危険にさらされることがあるようです。なので、好中球が下がったら強制的に上げる注射を打つ説明も受けました。これがめちゃくちゃ痛い。

私の治療スケジュールは、1日目〜9日目のブレオマイシンまで入院で投与して10日目に退院、16日目は外来で化学療法を3クールでした。3クール全て入院も可能だし、感染症のことを考えると入院してもらいたいと言われましたが「そんなのメンタルが持たない」と懇願してこのような形になりました。

治療中のこと

1クール目前日、アピアランスケア(見た目のこと)や副作用のことについて専門の看護師さんがたっぷり時間をかけて説明してくださいました。もう引き返せないという怖さや、どうなってしまうんだろうという不安もありましたが、なるようになっちゃえという投げやりな感情もありました。

1クール目の3日目あたりからぼんやりとした気持ち悪さを感じましたが気付かないふり。毎クールそうですが、3日目くらいまでは病院のコンビニに行けるくらいの元気はありました。4日目〜8日目あたりがしんどく、9日目のブレオマイシンが終わったら帰れるというモチベーションで乗り切っていました。退院から外来まではほぼ毎日、好中球を上げる注射(フィルグラスチム)を打っていました。それでも数値はかなり低く「マジで気をつけて本当にガチで」と念を押され続けました。

アカシジア出現

1クール目の5日目あたりから夜心臓が飛び出そうなほどの動悸、ゾワゾワする、ベッドの上を這いずり回るという症状が出現し、これがしんど過ぎて唯一治療中に泣きました。「これが3クールマジで無理……」と訴えたら心電図をやったりなんだりしましたが問題なし。結果的に、プリンペランという薬の副作用出たアカシジアでした。

私が主に感じた副作用は、
脱毛、骨髄抑制、手先の痺れ、嘔気、倦怠感、喉の締め付け感、動悸、食欲不振、味覚障害、色素沈着、でした。

見た目が変わるところで言うと、脱毛と色素沈着です。脱毛は気持ち的に大きなショックはなく抜け毛の処理が大変でした。色素沈着は痒くてかいたところがそのまま跡になってしまい、今でも残っているのでブレオマイシンを使った治療をされる方は気をつけてください。

その他の副作用は個人差があると思うので詳しく書きませんが、新しく出現したり症状が強くなったらとりあえずお医者さんや薬剤師さんに伝えると良いかもしれません。私みたいに薬の副作用だったりするかもしれないので。

私が気をつけていたことは、とにかく入院を長引かせたり治療以外のことで病院にかかりたくなかったので感染症対策(手洗いうがい、接触を避ける、口腔ケア)を頑張りました。

次回、手術〜治療中のメンタル編

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